「仮面浪人」とは? 仮面浪人をする意味とメリットを解説

編集部:すい

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「希望する大学に入れなかった場合を考慮して仮面浪人の道を調べたい」と思っていませんか?

第1志望の大学に入れなかったことを考えるのは非常につらいことかもしれません。
しかし、宅浪ではなんだか損した気になるかもしれないと思うことでしょう。

仮面浪人は、大学生をしながら浪人生として受験勉強をしていきますが、メリットよりもデメリットが多いことから確固たる信念がないと失敗する可能性があると言えます。

そこでこの記事では、仮面浪人について意味やメリット・デメリットを網羅的にご紹介します。

「仮面浪人」とは? 仮面浪人をする意味とメリットを解説


仮面浪人とは?

「仮面浪人」は、高校3年生のときに第1志望の大学に合格できず第2志望の大学に入学し、現役大学生として通学しながら他の大学への合格を目指して勉強している大学生および受験生のことです。

「大学生の仮面をかぶった浪人生」という意味で使われていることから「仮面大学生」とも呼ばれています。


編入と良く混同されやすい

現在在籍している大学とは別の大学に入り直すということから、編入と混同されやすいのが仮面浪人生です。

編入の場合は、編入学制度を設けている大学によって試験内容が異なるだけでなく、年次ごとに編入制度があります。

従って、仮面浪人のように再び大学1年生からやり直さないという点が大きな違いです。

仮面浪人と通常の浪人との違い

仮面浪人は大学生と浪人生という中途半端な立場である一方、浪人生の場合は滑り止めの大学に入ることがありません。

通常の浪人の場合は、あなたの学歴に浪人した期間の分だけ空白期間ができるということになります。

後述のメリット部分でもご紹介しますが、仮面浪人は大学生という社会的立場を有効活用したうえで受験に向けて準備できます。

したがって、経歴書上も学歴に空白期間を残すことがありません。万が一失敗しても、在籍中の大学で卒業を果たせる可能性があるのです。

仮面浪人を選択するのはどんな人?

仮面浪人を選択する傾向にあるのは、以下の人たちです。

・国立大学や早慶・医大などトップクラスの大学へ入学したい人

・希望する大学に合格したものの希望の学部に入学できなかった人

仮面浪人VS通常の浪人!費用目安を比較

デメリットでも触れたように、仮面浪人は通常の浪人に比べて膨大なコストが発生します。

それでは、およそどのくらいの費用が発生するのでしょうか?

この項目では、仮面浪人と通常の浪人でかかる費用を比較していきます。

通常浪人の場合

通常の浪人の場合、考えられるのは予備校へ通うパターンと自宅で勉強する宅浪パターンでしょう。

どのような形で勉強するかによって費用は変化しますが、以下が目安とされていますので参考にしてみてください。

予備校へ通う 自宅で勉強する
1年にかかるコスト (入学金や入試検定料は含まない) 10万円~100万円前後 8万円~20万円前後

上記は、入学金や入試検定料などは含まないだけでなく、教材や受講するプラン・目指す大学などによって必要とする金額は大きく変動するため、あくまで参考値であることを考慮しなければなりません。

仮面浪人の場合

仮面浪人は前提として、以下の2パターンが可能です。

・大学の講義を受けながら他大学の受験を目指すパターン

・大学に籍だけおいて通学せず、他大学の受験を目指すパターン

さらに、通常の浪人のように塾や予備校に通ったり通信教育で受験勉強をしようとすると、上記で示したコストが別途発生します。

低コストで済ませるなら書籍代・アプリ会費だけで十分でしょうし、予備校できちんと対策したい場合はその分のコストがかかることを考慮しましょう。

大学の講義を受けながら他大学の受験を目指すパターン

仮面浪人として講義を受けながら受験を目指すパターンの場合、通常の浪人時にかかるコストの他、滑り止めとして入学した大学の各種費用が発生します。

滑り止めの大学を国立大学か私立大学かどちらかにするかによって、かかる費用が異なるのはもちろん、目指している大学や学部によって費用が異なることを考慮しなければなりません。

大学の講義を受けながら仮面浪人する人が必要とする費用項目一覧と金額目安
・滑り止め大学の入学金(私立の場合は施設維持費の支払いも有)
・滑り止め大学の授業料1年分
・新たに進学する大学の入学金(私立の場合は施設維持費の支払いも有) ・新たに進学する大学の授業料4年分(学部・学科によっては5~6年分

合計⇒90万円~250万円ほど
・予備校や塾、書籍代など教材費

合計⇒8万円~100万円ほど

上記の通り、大学2つ分の入学金および授業料が計5年分かかります。

さらに受験勉強対策方法によっては、追加で膨大な費用が発生することを考慮しなければなりません。

大学に籍だけおいて通学せず、他大学の受験を目指すパターン

大学に籍だけ置いたうえで仮面浪人するパターンもあります。

一度大学に入学するため通学時パターンと同じ費用が発生するだけでなく、滑り止め大学の単位取得を放棄する形となるため、失敗は許されません。

相当な覚悟が必要だと言えます。

奨学金は使えないの?

中には、最終的な第1希望の大学合格を見越して、滑り止め大学で奨学金を獲得したという人もいることでしょう。

第一種奨学金は独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が用意している無利子で借りれる奨学金です。

仮面浪人先で奨学金をゲットできたとしても、第一種奨学金の場合は大学生活トータル4年間のみ給付されるということを覚えておくと便利です。

したがって、仮面浪人したとしても大学生活5年のうち最後の1年間分は奨学金がもらえないことから、資金繰りも考慮したうえで仮面浪人するかどうかを選択すべきでしょう。

第一種奨学金は大学を休学したり留年した場合は給付が止まってしまうため、要件を確認しながら利用を検討すると良いかもしれません。

また、奨学金には転学後も対応可能な第二種奨学金もありますが、第二種奨学金は返済時に利子が発生することを考慮しなければなりません。

資金に困った場合は、地域や大学・民間企業が独自に募集している他の奨学金と併用することも検討しましょう。

仮面浪人でいることのメリット

仮面浪人は一見、多額のお金がかかるだけでなく1年分の学費を捨てることも考慮しなければなりません。

無駄なようにも思える「仮面浪人」ですが、それでも仮面浪人となるべきメリットは3つあります。

1)大学生活があるため孤独でなくなる

宅浪など通常の浪人の場合、何処か孤独感にさいなまれてしまいます。

しかし、仮面浪人では大学生としてキャンパスライフを送りながら受験勉強を進めることから、同年代の友達も作りやすいでしょう。

勉強ばかりで発散しきれない孤独感やストレスも、友達との他愛もない会話である程度解消できることから、気が楽かもしれません。

2)大学生という社会的立場を得られる

仮面浪人は大学生という社会的立場が得られます。

気持ちは浪人生であっても、外から見れば「大学生」であることに変わりはありません。

普通の浪人生では得られないようなリアルな大学生活を経験できるため、キャンパスライフも体験できるためお得感があります。

3)次の入学試験に失敗しても大学生でいられる

たとえ次の入学試験でまた不合格だったとしてもそのまま滑り止め大学に留まれます。

もし2回目の入試にも失敗してしまったら、一度在籍中の大学を卒業することに目標を切り替えるという方向転換も可能です。

仮面浪人のデメリット

仮面浪人はメリットよりもデメリットが多いと言えることから、強い覚悟を持たないといけません。

仮面浪人を検討している際は、デメリットについてもきちんと把握しておきたいところです。

1)金銭的負担が膨大

上記で解説した通り、仮面浪人の最大のデメリットともいえるのが金銭面です。

仮面浪人をしている人は、高校3年生のときに第2志望や滑り止めの大学に入学した大学生です。

たとえ滑り止め大学に入学したとしても、入学金や授業料などを大学に納める必要があります。

お金に困っていない場合は親からも了承を得られるかもしれませんが、一般的にはそう簡単には理解されないものです。

2)大学の授業との両立は困難

「二兎を追う者は一兎をも得ず」といいますが、仮面浪人は通常の授業の他に受験勉強をしなければならないため、両立が非常に困難だと言えます。

大学の授業は通常1コマ90分。出席が単位を左右する講義からレポート・試験必須の授業など様々です。

以下は、代表的な大学1年生の時間割例です。


1限 英文法A 基礎ゼミA-1
2限 ライティング 英語コミュニケーションA 英文法A
3限 経済学A スポーツ 基礎ゼミA-2 言語学
4限 イギリス史 アメリカ史
5限 英文学 英語コミュニケーションA
6限

大学の授業は、必須科目以外に年次ごとに決まった単位数を取らなければならないことから、一般教養科目も同時に時間割に組み込むのが一般的です。

特に1年次の時間割は、必須科目や一般教養に圧迫されがち。

仮面浪人として過ごす場合は、通常の大学生がこなさなければならない通常の授業の他に受験勉強もこなさなければならないため、十分な勉強時間が取れるとはいえません。

仮面浪人ならば、あくまでも次の入試で第一志望の大学に合格するのが第1目標のはず。

次の入試に備えるためにも、大学の授業やサークル活動などに参加している暇はないでしょう。

入試もキャンパスライフ・アルバイトもなどと欲張ると、どちらも中途半端な結果に終わってしまうかもしれません。

3)次の入学試験に合格できる保証がない

仮面浪人を1年乗り切ったからと言って、翌年も第1志望の大学に合格できるという保証はありません。

先行きが不透明という点においては、仮面に限らず浪人する際につきまとう問題でしょう。

最悪の場合、仮面浪人に失敗してしまい、貴重な大学1年を無駄にした……なんてことになりかねないかもしれません。

仮面浪人の成功例・失敗例の特徴【考察】

仮面浪人を成功させるためには、強い覚悟と誘惑に負けずにどれだけ勉強時間に費やせるかが重要です。

実際に仮面浪人を経験した人の話を知ることで、イメージもつきやすいかもしれません。この項目ではインターネット上にある仮面浪人の成功例と失敗例をもとに特徴を考察しています。

【成功例】成功するには強い動機が必要

誘惑の多い大学生活すべてを受験に捧げる強い決意と動機が必要です。

仮面浪人の成功者の話はインターネット上に多く見られますが「○○大学(□□学部)に行ってこの勉強をしないとオレは一生後悔する!」というくらいの覚悟がないとキツイという意見が目立ちます。

私立大学から国立大学に仮面浪人した人の声を見て行くと、大学の授業中も陰に隠れて受験勉強するのはもちろん、仮面浪人する大学から帰ってからも受験勉強し、土日も受験勉強に励むと言った具合です。

しかし、仮面浪人に成功することで一生困らない学歴という肩書を得られるという点においては、仮面浪人をしても損はないようです。

【失敗例】誘惑は大敵!受験勉強の時間がうまく取れないと失敗の恐れ

仮面浪人の失敗例も知っておくべきでしょう。

デメリットでもお話の通り、仮面浪人を成功させるには修行僧のごとく隙間時間や土日・放課後もすべて受験勉強に身を捧げなければなりません。

周りの大学生が遊びやバイト・サークルなど楽しんでいる中を受験勉強するだけでなく、必須単位も確保しなければならないことから、誘惑を断ち切る強い心と勉強時間を効率よく捻出できないと失敗しがちだと言えます。

▼こちらもチェック!

仮面浪人経験者に聞いた! 決意する前に考えておくべきポイント5選

まとめ

仮面浪人を選ぶかどうかは、第1志望の大学・学部に対する本人の計り知れない強い思いがあるか次第です。

仮とはいえ一度形式的に大学に入学することからも、膨大な資金が必要だと言えます。

金銭的な余裕があれば、仮面浪人も悪くはない選択かもしれません。

しかし、入学試験のための勉強と大学の授業を両立させるのは難しいことも考慮しなければなりません。

さらに、他の人たちがキャンパスライフを楽しむ様子を横目に受験勉強しなければならないという点からも、誘惑に負けない強靭な心と強い覚悟が必要だと言えます。

物事を並行するとどちらも中途半端になりそうという方には、仮面浪人はおすすめできない方法かもしれません。

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