【おすすめのSF小説20選】大学生のうちに読んでおきたい名作は?

学生の窓口編集部:ナベ子

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近未来や科学的な空想世界を描いたSF小説。「もしかしたら、200年後はこんな未来が待っているのかも」と想像力を刺激してくれるSFの世界は、一度はまったら抜け出せない魅力があります。ここでは、定番の小説やおすすめ小説など「SFの王道」20作品を紹介します。

sf 小説 おすすめ

おすすめSF小説1. 『盤上の夜』宮内悠介 ~ボードゲームを扱ったSF短編~

盤上の夜

囲碁やチェッカーなど、盤上や卓上のゲームをテーマに6編の物語が収録されています。この中の第三章『清められた卓』では麻雀が登場します。SFではありますが、麻雀の戦いが詳細に描かれていますので、麻雀が好きな方はもちろん、ルールを知らない方でも臨場感たっぷりに読んで楽しむことができます。

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おすすめSF小説2. 『日本SF傑作選1』筒井康隆 ~日本SF界を牽引した作家たちのアンソロジー~

SF小説を多く刊行する早川書房から、日本SF誕生60周年記念企画として刊行が開始された「日本SF傑作選」シリーズ。その第一巻は『時をかける少女』などで有名な筒井康隆。筒井さんの書くお話は読みやすく、SFという世界観でも現実世界を用いた作品も多いため、違和感なく物語の世界に入っていくことができます。

おすすめSF小説3. 『ボッコちゃん』星新一 ~1分で読める名作も多数~

ボッコちゃん

ショートショートの神様、星新一。1分で読める名作が多数。一瞬で読めてしまう短さに驚きつつも、孤独死がテーマのものや、夫婦の愛憎や「死に方」についての話など、身近なテーマの作品も多数執筆されています。「近々、自分達の身に起こるかも知れない」とどこか現実味も帯びているため、一度読んだら忘れられません。

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おすすめSF小説4. 『バナナ剥きには最適の日々』円上塔 ~「わからない」ことを楽しむ10篇の物語~

バナナ剥きには最適の日々

マニアックなファンの多い円上塔の短編集です。読書が好きな人はもちろん、この作品はふだん本を読まないという方にも、おすすめしたい本です。独特の言い回しも多く、少々難解な文章となっていますが、一方で中毒性のある文章でもありますので、はじめは「読みづらいな」と思っていても気がつけば夢中になってしまっているかもしれません。

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おすすめSF小説5. 『吉里吉里人』井上ひさし ~東北の方言が活かされたSF小説~

吉里吉里人

日本政府に見切りをつけた東北の村が「吉里吉里国」という国を建国し、日本政府に立ち向かいます。医療や政治などのほかに、農業についても触れられているのが、農業にひたむきに取り組んできた地方ならでは。吉里吉里語と呼ばれる東北の方言が使われている、異色のSF小説です。

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おすすめSF小説6. 『虐殺器官』伊藤計劃 ~虐殺には決まった「文法」がある。近未来型戦争SF~

虐殺器官

核爆弾が行われる、管理社会が進んだアメリカが舞台。謎の男ジョン・ポールが現れると虐殺が起こることに気付いた主人公は、真相を解明するべく、彼を追います。
なぜ虐殺は起こるのか? 虐殺が起こると他国にどう影響があるのか。ひとりの男が起こす「戦争」の秘密はサスペンス的要素も含み、最後まで飽きません。

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おすすめSF小説7. 『魚舟・獣舟』上田早夕里 ~遺伝子操作された人類が生き残った世界~

魚船獣船

地球のほとんどが水に覆われた世界。遺伝子操作により、人類は必ず双子を産みます。一方はヒトの姿を、他方は「魚舟」と呼び、片割れを支えるパートナーとして生涯を過ごします。しかし一部には凶暴な「獣舟」へと姿を変える魚舟もおり、同じく陸に住むヒトを襲います。陸上のヒトは獣舟を退治することになりますが、同時に彼らはヒトの肉親でもあります。果たして、獣舟は本当に「悪者」なのか。最後に生き残るのは? ラストに衝撃が走ります。

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おすすめSF小説8. 『All You Need Is Kill』桜坂洋 ~何度でも生き返り、敵を倒す~

All You Need Is Kill

異性からの侵略者「ギタイ」の攻撃を受けた主人公は、「死ぬ前日に戻る」というループ現象を何度も繰り返すようになります。ループを繰り返すうちに敵を倒す技術を身につける主人公ですが、やがてループから抜け出す方法を知らされます。だれもがやってくるはずの「明日」。それを必死で求める主人公達の姿が胸を打つ作品です。

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おすすめSF小説9. 『マルドゥックスクランブル』冲方丁 ~ギャンブルが導くのは天国か地獄か~

マルドゥックスクランブル

恩人に殺害されそうになり、人工皮膚を移植したことで一命を取り留める主人公。2人の捜査官と共に自分を殺そうとしたシェルに復讐を狙います。弱かった主人公が超人的な力を手にし、次第に人を殺める快感を得ますが……。
何も手にしていなかった自分が己の越える力を手にしたとき、人はどうなってしまうのか。銃撃シーンなど迫力あるシーンが豊富にあるのも本作の魅力です。

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おすすめSF小説10. 『復活の地』小川一水 ~地震により崩壊した国の再生を描く~

復活の地

地球以外の惑星に住むようになった人類。とある惑星にある「レンカ帝国」で大災害が起こります。地震や台風など、自然災害の被害を多く受ける日本人にとってもっとも身近なテーマを取り上げている本作は、SFが苦手な人でも入りやすい作品です。災害に対して、どのように立ち向かい、向き合っていくか。ひとつの勇気を与えてくれます。

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おすすめSF小説11. 『星を継ぐもの』J.P.ホーガン ~5万年前の死者の謎を解き明かすSFミステリ~

星を継ぐもの

近未来の地球。月に降り立った調査隊は、月の洞窟で遺体を発見します。遺体の正体は5万年前に亡くなった人類と断定されますが、彼の所持品は地球に存在しない物質のものも含まれていました。彼は何者なのか?人類なのか?謎が解き明かされていく様子は爽快です。1977年に発表された王道的SF小説です。

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おすすめSF小説12. 『1984年』J.オーウェル ~思想の自由を求めて~

1984年

1950年代の核戦争後も戦争が続いているオセアニア。厳しい管理社会となったこの国では、屋内外問わず人々は常に監視されていました。役人である主人公のウィンストンは、禁止されている日記をはじめます。次第に政府への不信感を募らせた彼は少しずつ「許されざる行動」に傾いて行きます。戦争や管理社会など、「近い未来、いつか起こるかも知れない」という含みを感じさせるSF小説です。

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おすすめSF小説13. 『紙の動物園』ケン・リュウ ~アジアの空気を含んだSF短編集~

紙の動物園

中国系アメリカ人であるケン・リュウが綴る15編のSF短編集。表題作『紙の動物園』は折り紙で作った動物に命を吹き込むことができる母親と息子の物語。「移民」がテーマとなっているなど、作者の出自を色濃く反映した作品です。『もののあはれ』では日本人が登場し、『良い狩りを』では妖狐が登場するなど、日本でも馴染みのあるものが登場し、どこか懐かしさを感じるお話です。

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おすすめSF小説14. 『心の鏡』ダニエル・キイス ~あの名作の短編も収録~

心の鏡

『アルジャーノンに花束を』で有名なダニエル・キイスですが、短編もいくつか描かれているのをご存知でしょうか。表題作『心の鏡』は相手の心を体現することができる少年と、人を信じることができない弁護士の交流を描いています。また『アルジャーノン~』の原型となった中編も収録されているのもこの本の魅力です。心理学的視点で見ても興味深い7編の短編集です。

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おすすめSF小説15. 『アミ小さな宇宙人』エンリケ・バリオス ~「愛」から逃れることはできない~

祖母と遊びに来ていた主人公のペドロは、小さな宇宙人に出会います。UFOに乗せられたペドロは、さまざまな惑星を訪れ、そこで暮らす人々の様子を知らされます。アミからたくさんのことを教わりますが、そのひとつに「愛」があります。けれど「愛」とは必ずしもポジティブじゃない、ということをこの作品は説いています。さくらももこさんの挿絵が目印です。

おすすめSF小説16.『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』 ~タイムトラベル・アンソロジー~

時の娘

「タイムトラベル」をテーマにした作品を集めた、9人の作家によるアンソロジーです。ジャック・フィニィやロバート・F・ヤングなどタイムトラベル×恋の名手がそろっています。過去から未来へ、恋にひたむきな話が多いので、SFという視点以外に、恋愛小説としても楽しめる一冊となっています。こちらを気に入ったらロバート・F・ヤングの書いた『たんぽぽ娘』もおすすめです。

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おすすめSF小説17. 『さあ、気ちがいになりなさい』フレドリック・ブラウン ~ユーモアたっぷりのSF短編~

さあ気ちがいになりなさい

海外のショートショート作家、フレドリック・ブラウン作品12編が集まった一冊です。「物語の結末」ではなく「オチ」が重要となるショートショート界において、彼の作品はいずれも読後感がよく、痛快な気分にさせてくれます。日本のショートショート作家、星新一が訳しています。星新一が好きな人にもおすすめの一冊です。

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おすすめSF小説18.『世界の中心で愛を叫んだけもの』ハーラン・エリスン ~悪意と善意が散った世界~

表題作『世界の中心で愛を叫んだけもの』は「クロスホェン」と呼ばれる世界に住む竜が「狂気」を発して世界を脅かしていたため、竜は捕まり、「狂気」をほかの世界に追いやることにします。「狂気」を浴びた人類は戦争や虐殺を起こしてしまいます。表題作ほか現代社会の風刺も込められた14編の作品が集まった短編集です。

おすすめSF小説19.『すばらしい新世界』O.ハクスリー

すばらしい新世界

26世紀のロンドンでは遺伝子が選別され、睡眠学習によって不満のない生活と理解し、過ごしている人々。一見平和に見えますが、この世界に違和感を持つ人々が反乱をおこします。小説が発表されたのは1932年ですが、現代人がこれから抱えるであろう問題を取り上げているなど、今もその魅力は色褪せず読者を魅了しています。

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おすすめSF小説20.『結晶世界』J.G.バラード

発見された水死体は、片腕が結晶化し、水晶となっていました。人間だけでなく、あらゆる植物、建物、動物たちが次々と結晶化していきます。世界は破滅へと向かって行くのか?
すべてのものが結晶化していく描写が美し世界を想像させてくれます。この世界観が好きな方は有川浩の『塩の街』をおすすめします。


さいごに:SF小説の魅力

ほんの少し先の未来、あるいは、遠い未来、私達人類はどうなっているのか。『魚舟・獣舟』のように遺伝子を操作されているかもしれませんし『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』のように時空を超えた旅が可能になっているかもしれません。宇宙に気軽に旅ができるようになる日は、もうすぐそこです。ファンタジーと違って「現実に起こるかも」という期待感が募るSF小説、ぜひチャレンジしてみてください。


・執筆:絵ノ本 桃子(ナレッジ・リンクス)
出版取次、図書館などに勤務した後、ライター・出版プロデューサーとして数々の書籍の執筆や企画制作に携わる。現在は親子で読書を楽しむ提案を発信するWebメディア兼本屋 「親子絵本専門店NanuK」を運営している。

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