論文の書き方とは? テーマの見つけ方と組み立て方を紹介! 2ページ目
論文の書き方ポイント4:テーマはかけ算でブレーンストーミング
論文は研究分野の未来に貢献する一歩でなくてはなりませんし、その上でオリジナリティのある必要があります。
これだけを聞くと「自分にはそんなテーマを考えるのは無理かもしれない……」と思うかもしれませんが、そこで提案したいのは「かけ算」です。
「AxB=C」というように、あるモノとあるモノをかけ合わせるかけ算のように専門分野と何かをかけ合わせることでテーマのオリジナル性は一気に増します。
かけ算で面白い卒業論文テーマも実現!?
若者語の研究を卒業論文のテーマにしたい場合の例に挙げてみましょう。
若者語だけで見ると研究し尽くされていますが、SNSやバイト・就活などをかけ合わせてみれば自分なりに見えてくるものがあるのではないでしょうか。
また、若者言葉と大胆にアイドルや江戸時代・英語など全く違う分野をかけ合わせてみることで、おもしろい論文になるかもしれません。
かけ算になるものをたくさん出してみて、一番書けそうなもの、資料が見つかりそうなもの、おもしろいと感じたものなどを挙げていくといいですよ!
論文の書き方ポイント5:資料や引用をカード化して目次を書いてみよう
ある程度資料や引用がそろったら、それぞれをカードにして可視化できるようにしましょう。
引用する文をカードに書き、グラフなどの資料はコピーしてカードに貼って、出典をそれぞれ書いていきます。
一度カードにすることでページ番号を論文に出典を記す際にも必要になるだけでなく、あとで自分が確認するときにも便利なので、何ページに載っていたものなのかも書いておくと良いでしょう。
そこまで完成すれば、次は論文の道しるべともいえる目次を書いていきましょう。
目次を作るときにはしっかりと章立てをしましょう。
章立して可視化することで、それぞれの章でどのくらいの分量執筆が必要なのかを推測していきます。
このタイミングであまりに分量の差があるようなら、同一の章にしてしまうことも検討していきましょう。
また、どの資料・どの引用をどの章で使うのかも決めておくと便利です。
全体を見て、資料や引用が足りていない部分があるかどうかを確認できます。
資料が少ないことが判明した場合は?
資料や引用が足りていないと感じた場合は、再度論文に使えるいい資料や引用がないか探してみましょう。
論文の書き方ポイント6:目次を見える化し、精査していく
ある程度目次としてテーマを一覧にできたら、再度その流れに問題がないかどうかを精査し、論文の論旨を微調整することをおすすめします。
目次を作った段階でテーマを変更することは、それほど大変なことではありません。
自分が想像していた結末に持っていくことが難しいようであれば、この段階でテーマを変えることも可能です。
また、所属する学部やゼミごとに卒業論文に必要な分量が決まってくると思いますが、目次で必要な文量の論文が書けるのかどうかも併せて精査します。
自分が作った目次の章立てに当てはめて、文量が足りるかどうかを確認してみましょう。
足りないようであれば、さらに章立てする数が必要になってきます。
目次精査の段階でおおよその方向性を固めておくことで、後の作業もかんたんになるのでおすすめです。
先行研究についても精査時にまとめておく
後述で詳しく触れますが、卒業論文では先行研究の資料を引用したり紹介したりすることもあるため、誰がどのような結果を残したのかということを整理しておくことをおすすめします。
論文の書き方7:先行研究から書き始めて一度精査する
意外かもしれませんが、まず書き始めてほしいのが先行研究についてです。
先行研究の書き始めで、先人たちがどんな研究をしてきたのかを書いていきます。
先人たちが残した結果をそのまま利用して自分の研究に展開していくことも、先人が残した結論は違うんじゃないかと反論して自分の研究に展開していくこともできるでしょう。
また、「あの人はこんな研究をしているけれど、この部分は研究されていないので、わたしはこの部分を研究します」というために先行研究を利用できます。
上記のように先行研究は論文書き始めにおいて重要な役割を担う点から、論文を書く早い段階で書いておき、いったん先行研究を書いた後に再度精査してみることがおすすめです。
精査のポイントは「その人のその結果は最新のものなのか」「反論して問題はないのか」「自分の研究しようと思ったテーマがほかの人にすでに研究されていないか」という点です。
もし該当しそうになった場合は論文の方向修正をしなくてはいけません。
方向修正をすべきかどうか早めに見定めるためにも、先行研究は早い段階で書いておきましょう。
精査のポイント1:その人のその結果は最新のものなのか
例えば、ある人が論文の中でAという結果を残していたとしても、その人の新しい論文ではBになっていることもあります。
その場合、Bの存在を知らなくてAの結果を利用して自分の論を展開してしまえば、論が間違った結果になってしまうでしょう。
精査のポイント2:反論して問題はないのか
ある人の論に反論して自分の論を展開しようとした場合、その人の論を正論と考えている人はどれだけいるのかということを知る必要があります。
同じような研究をしている人たちがみんなその論を正論として捉えていれば、反論するのはなかなか至難の業ということになりそうですね。
精査のポイント3:自分の研究しようと思ったテーマがほかの人にすでに研究されていないか
ある人の研究において、当人がまだ研究できていないところを自分の研究にしようと思った場合、すでに研究している人はいないのかどうかを必ずチェックしましょう。
もし誰かがすでに研究していて、研究手法が自分よりうわてだった場合は、かなり分が悪い結果となってしまいます。
まとめ
卒業論文などの論文は思いついたテーマを一気に直線上に書き上げるのではなく、骨子を少しずつ組み立て、微調整をしながら全体のバランスを見て書くと良いでしょう。
自身の論文の進捗状況をこまめに振り返り、加筆修正を加えながら書くことで、わかりやすく読みやすい良い論文に仕上がります。
今回ご紹介した論文の書き方を参考にして、自分らしい論文を書いてくださいね!
・執筆:如月柊
現在大学で論文の授業を担当。
広く留学生のための日本語の書き方、資格取得のための小論文の書き方なども指導。
また、書く技術としての書籍も出版。