飛行機でパソコン作業をしたいときの注意点は? 知っておきたいマナーと知識
飛行機内でノートパソコンを使っている人をよく見掛けるようになりました。昔は使用の制限があったのですが現在では一部の規制を除いて使用については制限がありません。今回は、飛行機内でパソコンを使用する際の注意点についてご紹介します。
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パソコンで作業するときは飛行機外との通信はNG!
ノートパソコンをかばんなどに入れて手荷物として持ち込むことは問題になりません(ただし本体内蔵のリチウムイオンバッテリーがワット時定格量「160Wh以下」のもの:後述)。スーツケースなどに入れて預け入れ荷物にすることも可能ですが、普通はどの航空会社でもパソコンは補償の対象外ですので、むしろ手荷物として持ち込むほうが安全かもしれません。身近に置いて注意できますからね。
持ち込むだけでなく、自分の席で使用することもルール違反ではありませんが、
・航空機外の設備と無線通信を行う電子機器
は使用禁止です。つまり、機内のWi-Fiで通信する、機内の他の電子機器と通信する、通信機能がオフという場合にはパソコンを使ってもいいわけです。また着陸後に滑走路を走っている状態であれば、航空機外との通信も禁じられていません。
ただし、航空機の種類によっては電波に対する耐性が弱いものもありますので、自分が搭乗する機種が大丈夫かは航空会社に確認するのがおすすめです。
⇒データ出典:『国土交通省』「電子機器の使用制限緩和概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001050247.pdf
また、パソコンの周辺機器である「モバイルルーター」(モバイルWi-Fiルーター)は客室内では使用不可です。航空機外と通信するために電波を発信する電子機器ですからね。電源を入れること自体が『航空法』で禁じられています。
ですので、飛行機の客室内でパソコンを使って通信を行いたい場合には、飛行機に備わっているWi-Fiを使うことになります。多くの航空会社で「Wi-Fi無料」のサービスが行われていますからそれを利用しましょう(利用条件・制限については各航空会社に確認する)。
リチウムイオンバッテリーの持ち込みには制限あり!
飛行機内でノートパソコンを使用していると「バッテリー」の残量が気になりますね。航空会社・座席のクラスによっては席にコンセントやUSB端子が備わっている場合もあります。
しかし、ない場合にはバッテリーを取り替えないといけません。このバッテリーについては持ち込み制限があります。
●パソコン用の予備バッテリー(リチウムイオン電池・充電式)
・ワット時定格量が100Wh以下:持ち込み可能/個数制限なし
・ワット時定格量が100Wh超-160Wh以下:持ち込み可能/2個まで
※ワット時定格量にかかわらず預け入れ手荷物にするのは不可
となっていますので、預け入れ手荷物にすると没収ですが「ワット時定格量が160Wh以下のリチウムイオンバッテリー」であれば客室に持ち込めます。
※160Wh超のリチウムイオンバッテリーは「客室への持ち込み」「預け入れ手荷物」両方不可です。
ちなみに「ワット時定格量」というのは「ワット時定格量Wh = 定格定量Ah × 電圧V」で計算します。通常パソコンのバッテリーの表示ではmAh(ミリアンペアアワー)です。「1Ah = 1,000mAh」ですので、表示されている「mAh」の値に「V(ボルト)」を掛けて、1,000で割って「Wh」を計算します。
例えば、あなたが持っているリチウムイオンバッテリーが「41,600mAh」「3.7V」の場合には、
41,600 × 3.7 = 153,920mWh
153,920mWh ÷ 1,000 = 153.920Wh
ですので「160Wh以下」となり、2本まで機内に持ち込めるのです。
⇒データ出典:『JAPAN AIRLINES』「おあずけ・機内へのお持込に制限がある手荷物について」
http://www.jal.com/ja/safety/airport/baggage.html
ノートパソコンの飛行機内への持ち込みは日本では特に制限されていませんが、外国ではNGなケースがあります。乗り継ぎ便や旅行先発の便でOKかどうかは出発前にしっかり確認しておいてください。没収なんてことになったらしゃれになりませんからね。
(高橋モータース@dcp)