人見さんの「ガクチカ（学生時代一番力を入れたこと）」は？

▲サッカーに打ち込む学生時代の人見さん

サッカーです。小学1年生のときにクラブチームで始めて、中・高・大学を通じて今も社会人クラブでプレーを続けています。とりわけ大学1、2年生の頃は就職のこともあまり考えず、がむしゃらにサッカーをしていましたね。大学リーグに加盟して、よりレベルの高いカテゴリーを目指すチームの中で、ひとつでも多くの試合に出るために毎日の練習を頑張っていました。

サッカーを通じて得たことはたくさんあるのですが、いちばん身についたのはここまで長くひとつのこと（サッカー）を続けられたという自信です。サッカー界全体から見れば大きな実績を残したとは言えませんが、その一瞬、一瞬にできることをやりきり、自分なりの成果を出してきました。その経験が自信になりましたし、会社に入っても自分なりに努力すれば仕事をしっかり「やりきる」ことにつながると考えることができましたね。

もうひとつ鍛えられたと感じるのは、周りとのコミュニケーションです。サッカーは11人のチームでプレーするスポーツですし、体育会自体も100人規模の人間が所属しています。そんな環境の中で「周りと共存しながら」「自分を出す」ことをしていかなければなりません。周りの性格を理解し、協力しながら自己主張もしていく。そんなコミュニケーションが図れるようになったのは、長年続けてきたサッカーのお陰だと思っています。

仕事で役立っている大学時代の経験は？

学生の本分は勉強だと思うのですが、実際は文字通りサッカー中心の生活。私の場合は日々の練習に参加することが試合に出られるか否かを左右するので、かなりの頻度で部活に出ていました。ただ、そうしながらも、大学は卒業しなければいけません。でも実は、1年生のときは単位をいくつか落としてしまったんです。これはいけないと思い直し、それ以後大学の履修スケジュールを立てるときは部活への参加と卒業という目的を達成するためにとても神経を使いました。たとえば先輩から単位の取りやすい科目の情報を仕入れたり、出席が大事な授業は必ず出られるように当日の行動を考えてスケジュールを組んだりしました。 

その結果、落とした単位を2年目、3年目で取り戻し、4年生のときはほとんど大学に行かずに卒業できました。その年はチームも入学以来最高のカテゴリーで戦うことができ、私自身も部活の練習に100％出て、ベンチ入りや出場機会が多い充実したシーズンでした。そんな貴重な経験ができたのも、余裕を持って単位が取れていたからこそだったと思います。

その経験は今の仕事でとても役に立っていますね。営業という仕事はお客さま都合で動くため時間が読みにくい点もありますが、スケジュールを立てるのは得意なので、臨機応変に対応できていると自負しています。出張も効率よくまとめ、ほかの営業マンにくらべると出張回数もすくなく抑えられているので、会社の経費節減にも貢献しているんじゃないでしょうか（笑）。「サッカーのためにスケジュールを立てる」という学生としては本末転倒な発想だったと思いますが、そこで鍛えたスケジュール調整力は今も役立っていると感じます。

就活前にやっておいたほうがいいことは？

やりたいことや目的のために、学生のうちから「自分で時間を作る」という意識を持つことですね。先ほども話したように、学生には半年か1年に1度、授業の履修を組む作業があります。模擬授業を受けたりして、学びたい内容や教室の場所などを確認しながら進めていくわけですが、やりたいことの実現だけでなく、卒業のためにも、何を最優先すべきか考えることが大事です。将来どんな仕事に就いても、スケジュールを立てる作業は必須。そのやり方を身につけておけば就活時も役立ちますし、社会人になっても強みになると思います。

「入社した時に感じた“人の温かさ”を自分も引き継いでいきたい。そして、この会社が持つよさを、取引先や消費者、そして就活生にも発信していけるような人間になりたいと思います」。そう語ってくれた人見さん。子どもの頃からサッカーに打ち込んできたひたむきさと粘り強さを持って、これからも多くの人の元へ価値ある商品を届けてくれることでしょう。

文・鈴木恵美子
写真：ブリッジ
取材協力：株式会社ちふれ化粧品