羽生竜王が思う、諦めグセのなくし方。「毎日がつまらない人」が自分を変えるには?
学生が抱えるさまざまな不安や悩みを著名人が受け止め、突破口になるアドバイスをいただく本企画「学生の相談窓口」。今回、悩みに答えるのは、将棋界史上初の永世7冠を達成した羽生善治竜王(以下、羽生竜王)です。国民栄誉賞も授与された羽生竜王に、諦めグセをなくして挑戦心を持つための秘訣を教えてもらいました。
諦めグセがついているのか、なにに対しても興味が持てません。趣味がなくて、日常的になにもすることがない状態です。周りの友達は毎日楽しそうで、趣味(音楽やカフェ巡りとか)があってうらやましいです。「今年こそは新しいことをやってみよう」と思うのですが、毎年できていないです。この「諦めグセ」をなくす方法はありますか?
栄養学部/女性/20歳(大学2年生)/広島県
A.興味がないことは、諦めてもいい。 |
興味が持てないことは諦めて、他のアクションを起こしてみる
興味がないことは興味がないんだから、無理に熱中しようとしてもしょうがない、という気はします(笑)。それに、どんな人でも常に興味ごとが見つかっているわけではないと思うので、「そういう時期もある」と割り切ったほうがいいのではないかな、と思います。
でも、「どんなことでもいいから、常にアクションを起こし続ける」ことは大事です。関心が持てないとわかったことは諦めてもいいのですが、なにかしらアクションしないとそこから次へつながらないので。「これは自分には興味が沸かない分野だ」と気づいたら、違うことを試してみる。アクションを続けていれば、そのうち自分にピタッと合うものが見つかると思います。
気軽にアクションできるのは学生の特権!
「とにかくアクションする」って、社会人になったらやりたくても難しくなってくるので、ある種学生だけに許された特権みたいなものだと思うんです。本人は「なにをやっても、やりたいことが見つからない」と悩むと思いますが、実は非常にぜいたくな時間を過ごしている。上手くいかなかったときに思い詰めてしまわないで、気楽な感じでアクションするのがいいと思います。そのときは「これは無意味だった」「無駄だった」と思ったとしても、あとから役に立つこともあるでしょうから。
アクションを起こす方法や分野はなんでもいいです。例えば、旅行もいいと思います。私は対局やイベントなどで、北海道の稚内から沖縄まで、日本全国いろいろな場所に行きました。今振り返ると、なかなか得がたい経験をしたなと思います。
だからといって、「なにかとてつもない経験をしてやろう」といきなり紛争が起きている外国に行くとかはやめておいたほうがいいかもしれません。無理して遠い異国の地に行かなくても、日本国内だけでも本当にいろいろな場所があるので、少し旅をしてみるのは、気持ちを切り替えるうえでもいいんじゃないかと思います。
興味の持てない分野は諦めてもいい。どんなことでもいいから、常にアクションを起こし続けることが大切! |
諦めグセをなくす方法は、「諦めてもいいけど、何らかのかたちでアクションを続けること」。例えば学校から家までいつもと違う道で帰ってみる、ひと駅分歩いてみる、なども小さいですがアクションですし、新しい発見がきっとあると思います。気楽な気持ちで、なにか行動を起こしてみては。
文・取材/砂流恵介
撮影/中邨誠
編集/学生の窓口編集部
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