羽生竜王が教えてくれた「一歩を踏み出す自信のつくり方」。秘訣は修造カレンダー?!

編集部:はまみ

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羽生竜王が教えてくれた「一歩を踏み出す自信のつくり方」

学生が抱えるさまざまな不安や悩みを著名人が受け止め、突破口になるアドバイスを贈る本企画「学生の相談窓口」。今回悩みに答えるのは、将棋界史上初の永世7冠を達成した羽生善治竜王(以下、羽生竜王)です。国民栄誉賞も授与された羽生竜王に、進路選択に迷う人に向けて、自信を持って選んだ道を進むための秘訣を教えてもらいました。

Q. 一歩を踏み出す自信のつくり方は?

就職して安定した生活を送るか、自分の才能を信じて自分の道を進むかで悩んでいます。なぜ悩むのかと言えば、一歩踏み出す自信がないからです。羽生さんは何歳くらいから「自分は将棋でプロとしてやっていくんだ!」という確信を持ちましたか?

システムデザイン学部/男性/20歳(大学2年生)/東京都


A.「修造カレンダー」のようなメンタリティを持つこと!



今でも「プロとしてやっていける」と断言することはできない

私は師匠のところに入門したのは11歳のときで、小学校5年生でした。まだ小学校5年生ですから、進路のことなんて深く考えてなかったんです、本当に(笑)。

ただ、将棋のプロを目指す人は、養成機関という学校に入るのですが、養成機関に入ってからは20歳までに初段、25歳までに四段に昇格しなければならないという年齢制限があって、どんどん人が辞めていきます。そこで去っていく人たちを見ていると、さすがに小学生でも「遊び半分でやっていちゃいけないんだな」という気持ちになって、自然に「将棋でプロを目指してやっていこう」と思いました。

「いつからプロとしてやっていける自信を持ったか」ですが……なかなかいつまで経ってもそういうものは持てないです。将棋界は結果を出せなければどんどん辞めていく制度になっているので、そういう安定を実感できる瞬間はないということだと思います。

「進路に悩める環境」はむしろうらやましい?!

私は中学生で棋士になりましたが、中学・高校にも通っていました。高校生のときはクラスメイトたちが、進学するのか就職するのか、どういう方向に進むのか、進路に悩む姿を目にするわけです。本人たちは非常に真剣に、深刻に考えているわけですが、私はそういうのって非常にうらやましいなと思っていました。小学生で既に将棋の道へ進んでしまって、今更進路変更なんてできないですからね。とにかく将棋をやることしか頭になかったですから。

進路を考えたり悩んだりできる時期って、人生の中でそんなに長い時間ではないです。ですから、その最中は非常につらく、苦しいと思うのですが、「なかなか得がたい経験をしている」と捉えるのがいいのではないかと思います。

また、「先のことが見えなくて悩む」のはなにも思春期の進路選択のときだけではなく、年を取っても同じです。40歳になっても50歳になっても60歳になっても未来のことは見えないですから、そこは変わらないと思います。

「修造カレンダー」のようなメンタリティを身に着けよう

将来に悩みながらも「一歩を踏み出す自信」を身につけるというのは、メンタリティ(精神の持ち方)の話ですよね。2~3年前に、松岡修造さんの「修造カレンダー(※)」ってすごく流行ったじゃないですか。あれに書いてあるような松岡修造さんの考え方って、日本人のメンタリティで一番欠けているところなんじゃないかと思います。
※修造カレンダー:「((日めくり)まいにち、修造!)」というPHPが発行する日めくりカレンダーの松岡修造バージョン。公式ホームページから発信される話題の“修造語録"と、著者ならではのユニークな写真で人気を博している。

どういうことかというと、日本人は「集団とかチームとか組織の中で、みんなで力を合わせて頑張るメンタリティ」は常に持っているんですけど、修造カレンダーに出てくるような「個としての魅力を育て、自分で自分の士気を高め、維持するメンタリティ」を持った人は少ない。周りを探してもなかなかいないはずです。

とはいえ松岡修造さんは唯一無二なキャラクターの持ち主ですし、全員が同じメンタリティを持つべきと勧めているわけじゃないです(笑)。でも、チーム力だけでなく、自分個人を磨くという意味で、修造カレンダーのような考え方を自分のなかに取り入れることは重要です。集団として、チームとしてだけではなく、「個としての特徴を生かし、生き残る」方法を自分なりのアプローチで見つけていくのがいいのではないか、と思います。

個としての魅力を育み、自分で自分を鼓舞することで、「一歩踏み出せる自信」が身につく!

一歩を踏み出す自信のつくり方は、「修造カレンダーのようなメンタリティを持つこと」。そして、進路に悩んでいる人は、「今、自分は人生のなかでもなかなか得がたい経験をしている」と捉えるのがいいのではないか、とアドバイスをいただきました。チームのなかでの立ち位置を忘れて、自分個人の魅力や強みを改めて振り返ってみることが、自信につながりそうですね。

文・取材/砂流恵介
撮影/中邨誠
編集/学生の窓口編集部

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