地域密着型のボランティア! ヒーロー気分も味わえる「消防団」の活動って??
「消防団」という言葉は知っていても、いったい何者なのか、どういう活動なのかは正直謎。。。と思っている人が多いのでは?
でも実は、あなたが住んでる町も確実に消防団員によって守られているのです。そんな消防団の活動の魅力やメリットを、実際に消防団員として活躍している大学生に聞いてみました!
★そもそも消防団って何者?
※学生の窓口調べ(調査時期:2017年12月 調査対象:大学生・大学院生400人)
大学生400人にアンケートを取ったところ、消防団のことを知っていると答えたのは約半数の59%でした。消防団とは、各市町村に配置されている消防機関のこと。団員は地域の人で構成されていて、一般的に18才以上なら大学生でも参加できます。
★入団しないのはなぜ?
消防団の存在は知っていても、そのうち実際に入団しているのはそのうちのたった8%。参加しない理由のトップは「入団するメリットが分からない」というもの。「火事の現場は危なそう」「そもそも何をしてるのか知らない」など、活動内容がイマイチ伝わっていないことが大きな理由のようです。
実際に消防団で活躍する大学生に聞いてみた
・蔭山さん(右:大学4年生)
地元の町の消防団員であるとともに、大学がある埼玉県坂戸市の「大学生機能別団員」(能力や事情に応じて特定の活動のみ参加する団員)にも所属。
・秋野くん(中央:大学院 修士2年)
大学がある八王子の消防団所属。活動の中で消防車を運転することも。
・大橋さん(左:大学2年生)
横須賀の消防団所属。横須賀市女性消防隊「はまゆう隊」でも活動している。
どうして消防団に入ろうと思ったの?
大学3年のときに、まったく社会を知らないまま社会に出るんじゃなくて、ボランティアなどの経験を通して自分の力をつけたいと思ったのがきっかけです。育った町に恩返しをしたいという気持ちもありました。
自分から何かしないと社会貢献はできないなと思って。危険物取扱者の資格を持っていて火災予防の勉強もしてたので、やるんだったら消防団かなと思いました。
私は地元の活動が好きで、青年会に所属していたんですよ。そこで一緒に活動している先輩方が18歳になるとみんな消防団に入るので、私も自然な流れで入りました。祖父が私の所属している団の初代の分団長で、母も消防団をやってるというのもあります。
実際に入るときは、まずは電話をしました。入る前に分団長と話す機会をもらって、毎日授業があるので平日は活動できないなど気になる点をきちんと話した上で決めたので、安心して入れました。
自分もまずは電話して行ってみました。そしたら「消防操法」の練習をしていたので、見学して、話してみて決めました。
※消防操法……消防訓練におけるホースの連結などの基本的な器具操作・動作の型のこと。
消防団ってどんな活動をしてるの?
まずは月1回程度の会議で顔を合わせるのが定番になってます。
その会議で、お祭りの警戒活動に参加する人などを決めます。お祭りは火を使うので、もしものために消防団が呼ばれるんです。
お祭り、楽しいですよね!私はお祭りで大学のマスコットのキグルミを着て、消防団の広報をしたこともあります。キグルミを着る機会はめったにないから、楽しかったです。
あとは中学校に行って救命救急の指導をしたりとか。私は母も活動しているので、一緒に教えることもあります。
冬の夜は火の用心の活動を回ったりします。僕は消防車を運転することもあって、それはちょっとテンション上がりますね!
消防車の運転席からの眺め。テンションあがる!
大学の避難訓練のときには機能別団員が誘導をするので、みんなを引っ張っていく立場になります。
特別点検の様子
たぶん一般の人が思っている以上に活動は幅広いよね。その中でも欠かせないのがやっぱり「消防操法」!操法なくして消防団員とは言えないです(笑)。

操法の様子。型がビシッと決まるとかっこいい
消防操法は全国大会があるから、2月〜5月にかけての主な活動は操法の練習になります。うちの団は全国大会に出たことがあるので、特に積極的です。
お、すごい! 操法を普段から練習することでいざというときに機敏に動けるし、部活動みたいに大会に向けてみんなで一丸になるのも楽しいよね。
★大学生機能別団員&はまゆう隊ってナニ?
蔭山さんが所属する坂戸市の「大学生機能別団員」は'17年4月に発足。名前の通り大学生だけで構成される団で、特定の活動をすることで消防団活動を助けます。主に災害時に学校が避難所になった際に活躍できるよう、救命講習や避難所運営などを学んでいるとか。
蔭山さん「団員が40人になったときには、総務省で表彰されました! 私たちも少しは役立ってる感じがしてうれしかったです」
また、横須賀市女性消防隊「はまゆう隊」は'16年4月に発足。地域の各分団に所属する女性消防団員で構成され、火災予防の広報活動などを通し、市民の防災意識を向上させる役割を担っています。
消防団に入ってよかったことは?
たまたま大家さんが消防団のOBで、すごいよくしてもらってます。あと、近所のコンビニの店長が知り合いだったり。地元を離れて一人暮らしをしてる身としては、何かあったら頼れる人が近所にいるというのはメリットかなと思います。
うちも地域色の強いところなので、みんな顔見知りで気心が知れてる仲間という感じ。活動を通して小さい子からお年寄りまで関われるのもいいなって思います。
活動時には制服を着るんですが、子どもたちからキラキラした目で見られますね(笑)。先輩の話では、その先輩が消防団員であることがお子さんの自慢のようです。活動のときはちょっとしたヒーロー気分が味わえます。

活動時にはキリッと制服姿に!
活動を通して地域の人をサポートできるのはうれしい経験ですよね。また、大学生機能別団員は3校が一緒に活動するので、人間関係が広がることもメリットだと思います。
あと、やっぱり就活には役立ちましたね!消防団の活動をしていたことでエントリーシートに書く内容に困らなかったし、インパクトがあるからか、面接官の方に興味を持ってもらえる率が高かったように思います。
私の場合は就活ではなく公務員試験でしたが、消防団員は準公務員になるんです。地域密着の活動というつながりもあって、面接で消防団の話ができたのはよかったなって思います。
親ぐらい年の離れた人と活動するので、就職前に社会生活的なものを味わえるというのもメリットだと思います。……とはいえ入団動機が「就活に役立つ」だけだと、迎える側も困ってしまうんですけど(笑)。僕の場合は嬉しいオプションがついてきたという感じです。
まとめ
消防団に入ることでいろんなことが経験できるし、私たちが活動することで地域をサポートできると思うとやりがいがあるなと思います。
ボランティア活動というだけじゃなく、準公務員としての誇りも生まれる活動だと思います。地域のことを知れるし、視野が広がるのもやってよかったと思う点です。
幅広い世代の人と接したいとか、考え方を広げたいという人、またなにか新しいことを始めたい人や自分からやりたいと思った人は、消防団は向いてると思います!
地域のサポート役!消防団員募集中

入団資格は市町村ごとに条例で定められていますが、基本的には18歳以上で、その市町村に居住または勤務している人なら誰でも入団可能!詳しくは下記サイトからチェックしてみよう!