わたしたちの生活を豊かにするために欠かすことのできないテレビ。そのテレビ番組を作る仕事を目指す学生は多く、憧れの職種のひとつです。今回は世代を問わずに愛される番組をつくり続けるテレビ局のひとつ、テレビ朝日で活躍する若手社員に気になるお仕事内容や学生時代をインタビューします。今回は報道記者の経験を経て、情報番組「グッド！ モーニング」（毎週月〜金曜 4時55分〜8時）のチーフディレクターを担当している西橋さんに現在のお仕事について伺いました。

今のお仕事はどんな内容？

毎朝放送している情報番組「グッド！ モーニング」の制作をしています。番組内の「ニュースまとめ24h」というコーナーのチーフディレクターとして、国内外の政治、社会、経済ニュースや話題の情報をコンパクトかつ的確に伝えるために、オンエアの前日から準備を進め、限られた時間の中で、どのニュースを扱えば視聴者が興味を持って見ていただけるかに頭を悩ませる毎日です。

その上で、どのように原稿を構成して何の映像を使い、どのタイミングでテロップを出せば視聴者の方に理解していただけるのかということを日々考えています。 またニュースはスピードが大切なので、放送直前やときには放送中に起こった事件や事故をリアルタイムで放送するために、準備していた番組内容を差しかえることもあります。ここ最近では、北朝鮮のミサイル発射や核実験実施のニュースでそういった場面が多かったですね。そういったときに他局、さらには新聞社、通信社よりも1秒でも早く新しい情報を取り上げられるかどうかを“勝負”できるのは生放送ならではの醍醐味です。

一番楽しかった＆つらかった仕事は

つらい、楽しいの繰り返しなので、なかなか決めづらいですね……、ただ、社会部に異動となった2011年に取材した東日本大震災後の現場取材での衝撃が、報道マンとしてのベースになっています。取材に向かったのは震災から約半年後。それまでは一視聴者として情報を受け取る側だったので「少しは現場も復旧しているだろう」と望みを持って向かったのですが、現場はそのときもまだ地震・津波が襲ったのがほんの少し前なのではないかと思うほどの惨状でした。

至るところに池ができ、溜まったヘドロは悪臭を放ち、崩れ落ちたいくつもの建物はそのまま全く手が付けられていない状態でした。この現場を前にして、記者の鉄則として先輩から教わった“現場に足を運ぶ”という意味を初めて感じると同時に、五感で感じたことをリアルに伝えていかなければならないと気を引き締める機会になりました。

リアルに伝えるということは事件の取材でも一緒です。報道できるのは全体の一部となるケースが多いですが、事件そのものは当然、一過性のものではありません。だからこそ取材時に聞いたことをどう効果的に伝えるか、その言葉選びを特に大切にしていました。

誰かが亡くなった現場で近しい方にお話を伺うときはいつも背筋が伸びる思いになり、そのたびに取材相手の想いと違うことは伝えたくない、確かな事件背景や現状を伝えようと思っていました。 今、番組制作をする側になっても気持ちは同じです。記者たちが集めてきた素材をいかにうまく伝わるように調理する際には視聴者の方に響くように適切な情報をリアルに、かつわかりやすく伝わるように心がけています。

今の会社を選んだ理由は？

幼い頃からテレビを見るのが好きで、テレビ番組を作る仕事をしたいと思っていました。バラエティやドラマを作りたいと夢見ていた時期もありますが、成長するに連れて報道を志すようになりました。 そして、いざ就職活動という時にふと気がつくとチャンネルをあわせていることが多かったのがテレビ朝日。

番組や雰囲気から“勢いのある企業”という印象を持っていて、実際に若手のOB・OGの方から直接お話を伺ったときにも「打倒他局」「本気でトップを目指している」と、熱を込めて話されていました。どの方もモチベーション高く仕事に取り組んでおり、人のよさが感じられていて、とても魅力的だったので、内定の連絡をいただいた時にはありがたく即答させていただきました。