1DKのインテリアレイアウトのコツ 工夫して部屋を賢く使おう 3ページ目
<プライベートエリアは空間を重視して>
「料理や食事をする」ダイニング・キッチンが分かれている1DKの「ワンルーム」。せっかく、「プライベート空間」であるワンルームと、「料理や食事をするエリア」が分かれているので、「空間」を中心にしたレイアアウトがおすすめです。
◎「視線」を遮らないレイアウト
限られたスペースのワンルームでも、「空間」の使い方によっては、広く魅せるレイアウトが可能です。部屋の中でも、家具を配置するエリアと空間のバランスがよいと、居心地のよい部屋になるので、家具があっても空間と感じやすいと言われています。
1DKの場合は、ダイニング・キッチンなどのテーブルなどを分けて考えることができるので、少しお得な気分になるかもしれません。それでも、「視線」を遮られないことが大切です。
部屋の入り口になる場所以外の3面のうち、1面は家具の配置がない、もしくは3分の2は空いているというのもおしゃれなレイアウトの基本。ベッドやソファ、カフェテーブル、ローテーブル、テレビボード、シェルフなどを配置しても、部屋の3面が埋まってしまうことはありません。埋まってしまう場合には、家具が大きいか、インテリアの数が多すぎるか……。
部屋の形状にもよりますが、「視線」の先に窓や壁が見えるのは、部屋を広く魅せる効果があるのでおすすめです。入口の正面に家具を配置する場合でも、低めのインテリアレイアウトでまとめることを考えましょう。窓から入る採光や家具の上部に壁が見えることなどは、レイアウトのポイントです。窓から見える景色や壁のデコレーション、グリーンなどはくつろぎの空間に欠かせないアイテムです。
◎高さのある家具は入り口付近にまとめて
すでに家具を持っている場合や、本や衣類を収納するためにシェルフやクローゼットを用意したいこともあります。1DKの効果的な使いかたは、やはり広く見えように工夫すること。そのためには、多くの人がインテリアのレイアウトにとり入れているように、高さのある家具を壁際や入り口に近い位置に配置することです。
この高さのある家具のレイアウト方法は、入口から見た部屋の内部の視線を遮ることが少なくなります。また、入口の正面や窓に向かって歩く方向に、配置されたものが少ないほうが、「動線」を確保できる便利なインテリアのレイアウトに仕上がりますよ。
◎仕切りをつくって空間を分ける
1DKといってもサイズだけでなく、幅や奥行きの寸法も異なります。ときには、部屋が細長い間取りの物件もみられます。また、鉄筋コンクリートのマンションなどの場合は、正方形や長方形ではなく、柱や梁の鉄骨があるために部屋の内部に、いくつかのコーナーが存在することもあります。
ベッドや机などは、家具の高さが450~550センチメートルぐらいから700センチメートルぐらいが一般的です。窓を塞ぐ寸法ではありませんが、入口から入ったときに正面に家具がくるなら、プライベートな空間としてまとめてしまうレイアウトをとり入れてみましょう。
そこで、高さのある家具の登場です。ベッドや机の納まる位置に、高さのある家具を配置して間仕切りにすることができます。クローゼットが白や、シェルフだと、高さのある家具でも威圧感が少ないかもしれません。入口に近い位置に、ソファやテレビボードを配置して、リビングのようなレイアウトもくつろいだ空間が作れます、
クローゼットやシェルフなどで仕切って「プライベートな空間」と「ソファやテレビボードを配置する空間」が分けられていると、リビングがある部屋のようなメリハリのあるスペースができ上ります。しかし、このときもダイニング・キッチン同様に、「動線」の確保も忘れないようにしましょう。プライベートとくつろぎの空間があってゆとりがあるように感じても、動きにくい部屋のレイアアウトでは便利さを感じにくくなり、威圧感のある狭い部屋に見えてしまいます。せっかく分けられたダイニング・キッチンとのスペースや、仕切ることのできる空間のある部屋は魅力的。最大限活用したいですね。
ダイニング・キッチンとワンルーム、プライベートなスペースとくつろげる空間が作りやすい「1DK」。使いかた次第では、リビングルーム使用にもすることができます。そのためにも、少しゆとりのある間取りの1DKでも、インテリアレイアウトのコツをしっかりつかんでおきましょう。
執筆:高橋美布
建築や設計デザインの経験を活かして、インテリアやリノベーションにかかわるコラムを執筆中。「和」の魅力を海外でもアピールしながら、海外のインテリアや家具の魅力、部屋作りも伝えたいと思っています。