三宅さんの「ガクチカ（学生時代一番力を入れたこと）」は？

▲大学時代、野球に打ち込む三宅さん

大学時代に一番頑張ったのは「野球」です。教員免許を取得するなど勉強もおろそかにはしませんでしたが、4年間ずっと野球漬けの日々でした。私が所属していたのは東海大学野球部で、私が入学したときの4年生に、読売ジャイアンツの菅野智之投手も在籍していたんです。やはり名門だけにレベルが高く、高校までに取り組んできた野球とのレベルの差に大きなショックを受けました。

ただ、そのレベルの差に心折れることなく、勝負は3年になってからだと考え、1・2年時は土台となる部分をしっかりと鍛えることに専念しました。その中で先輩たちから学び、大事にしていたことが、「限られた時間を最大限に生かすための自己スケジュールを立てること」です。高校と異なり大学野球では個人練習の時間が多く、その時間をどう使うかが重要になってきます。これは野球を含め、大学生活を送る中で一番大事にしていたことですね。

仕事で役立っている大学時代の経験は？

野球部時代に、「理想の先輩と一緒に過ごすことが自身の成長につながる」と学びました。これは社会人になった今も一緒です。自分が理想とする人の横で話し方や動きを見て、いいと思う部分を取り入れる、これが一番確実に成長できる方法だと思っています。もちろんただ模倣するのではなく、どんなことを意識しているのかなど、理想の先輩が何を考えているかを理解することも大事です。大学時代だけでなく、今も理想とする上司に付きながらスキルを吸収しています。

野球では「バットを1日持たないと1カ月分の技術が失われる」と言いますが、仕事をする上でも常に「仕事につながる何か」を意識することを忘れないようにしています。例えば私は営業の仕事なので、休日スーパーに行ったときに自社商品だけでなく他社商品もチェックするなど、常にアンテナを張るようにしています。小さなことですが、その蓄積が大きな力になると思います。

大学時代に「大きな達成感」を味わったことも今に役立っていることです。当時、東海大学野球部はしばらく日本一から遠ざかっており、プロに進むような先輩たちが何人もいる世代でも日本一になれませんでした。そこで私が4年になったときに「自分たちの代では必ず優勝しよう」と決め、練習方針を変えるなど徹底的に取り組みました。非常に苦しい道のりでしたが、その結果、春に日本一になることができ、大きな達成感を味わいました。

この経験によって、目先のことではなく「未来を見据えたときに、今何が必要なのか」を考えて取り組むことを意識するようになりました。現在、先を見据えて取引先と一緒に仕事を進めていくなかで、この考えは仕事をする上で大いに役立っています。

就活前にやっておいたほうがいいことは？

就活では、自分の長所と短所がどこなのか考え、長所を生かせる企業を志望するケースが多いと思います。ただそこで「自分の可能性」を狭めないようにしてほしいです。たとえ苦手とすることであっても、もしかしたら長所になる可能性もあります。「短所だから」と切り捨てずに、その短所を理解した上で生かす道を考えることで、思ってもいない道が開けることもあります。就活前に「社会人としての目標を持ち、自分自身をより知ること」を考えてもらいたいです。

営業本部は東京にあるため、基本的に取引先回りはそこから出張になるそうです。入社して店舗開発事業部に本配属後しばらくは、出張が基本となる多忙なスケジュールの管理やそれに体を慣れさせることが難しかったと語ってくれました。その難しい状況下でもうまく対応し、大きな成果につなげている背景には、大学時代スケジュールをうまく管理した経験や、大きな目標の達成から得た「未来を見据えて取り組む意識」が生きているからでしょう。

文：中田ボンベ＠ｄｃｐ
写真：中邨誠
取材協力：株式会社ディーエイチシー