【日本財団の先輩社員】公益事業部 国内事業開発チーム:吉田ももさん 2ページ目
吉田さんのガクチカ(学生時代一番力を入れていた活動)は?
「ユネスコクラブ」というサークルでの活動に力を入れました。このサークルは、ユネスコ憲章前文の、「戦争は人の心の中に生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」という言葉に共感したメンバーで構成されていて、社会課題や国際的な問題について学び、週1回の勉強会で発表するのが主な活動でした。4年間活動を続けましたが、多様な社会課題について真剣に考える機会を持ったことが、今の仕事にもつながっていると思います。
サークルでは海外でのスタディーツアーを年に1度行っていました。私が訪れたベトナムでは、ベトナム戦争時の枯葉剤の影響が残っていて、今でも障害を持って生まれてくる子どもがいます。スタディツアーでは、その子達が入院する病院も訪問しました。私たちが歴史の教科書で学んだベトナム戦争は、実はまったく過去の話ではなかったのです。障害を持った子どもたちの施設を訪問したことで、実際に自分の足で現場に訪れ、自分の目で見る重要性を学ぶことができました。
仕事で役立っている大学時代の経験は?
やはり現場の人々の声を聴く姿勢を、学生時代のインターンやサークル活動を通じて養えたことが役立っています。実際に現場へ行かないと、勝手に「こう困っているんでしょ」と決めつけがちです。「支援する側」「支援される側」と、立場を分けてしまうのではなく、本当に相手が困っている部分はどこなのか、真摯に耳を傾けることが大切だと考えています。
就活前にやっておいたほうがいいことは?
これまで自分がやってきたことを整理するために、学生時代の総振り返りをしたほうがよいと思います。
私が日本財団の説明会に行った際、登壇者の先輩が、希望と異なる配属先に配属されてから、どのように一念発起して新事業に取り組んだかを語っていました。それを聞いて、「興味がないことと、興味があることをつなげて新しいことを生み出せる組織なんだ」と感じ、ここで働くのはおもしろそうだと思いました。振り返ってみると大学を決めるときも、学問領域を超えて幅広く学べることに魅力を感じ教養学部を選んだので、「いろいろな分野や要素をつなげることが私は好きなんだ」ということを、振り返りのなかで見つけました。
就活では約50社エントリーしましたが、内定がもらえなかった時期には、焦って応募する企業を継ぎ足してしまい、だんだん企業選びの軸がぶれていってしまいました。そんな時も、「自分は今までの人生、学生生活でなにをしてきたのか」をまとめたふりかえりのメモを見返すことで、本当にしたいことにたどり着けました。誰にでも好きなことはあるし、仮にない時には逆に自分が避けてきたことでもいいので、書き出しておくといいと思います。自分がやりたくないことも含めて、ゆっくりと振り返ることをおすすめします。
日本財団の理念でもある「みんなが、みんなを支える社会」の実現に向け、困っている人の声に耳を傾けながら日々の業務に取り組む吉田さん。和やかな笑顔と人柄のうちに秘められた、社会課題の解決に対する強い意志に触れて、「社会で声をあげにくい人」を助けていくのはこういう人なのだと感じました。みなさんもぜひ、就活前には自分なりの「総振り返り」をしてみてはいかがでしょうか。
趣味:旅行
特技:写真撮影
就活で受けた企業数(エントリーした企業数をご記入ください):約50社
就活で志望していた業界:出版業界
現在の会社の魅力:非営利団体の方だけでなく、行政、企業など様々な人々と関わりながら、仕事ができること。
文:辻本圭介
写真:ブリッジ
取材協力:公益財団法人日本財団