【マイナビ学生の窓口】 学窓ラボインタビュー Vol.2:原田圭さん「自分たちが大学スポーツを変える」

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学生と社会をつなぐ「学窓ラボ」が、輝く学生をインタビューする連載企画。第二弾は、慶應義塾体育会ソッカー部に所属しながら、「早慶クラシコプロジェクト」「関東リーグ1000名動員プロジェクト」などを行う一般社団法人ユニサカでアグレッシブに活動する原田圭さんに、お話を伺いました。

【プロフィール】 東京都出身、慶應義塾体育会ソッカー部3年。一般社団法人ユニサカ理事。慶應義塾高校から慶應義塾大学に進学し、現在は慶應義塾大学体育会ソッカー部で選手として活動中。一般社団法人ユニサカには立ち上げ時から参加し、大学スポーツの発展に尽力している。日本版NCAA(※)創設に向けた学産官連携協議会委員。
※全米大学体育協会。全米の大学約2300校のうち、約1200校が加盟し、クラブ間の連絡、調整、管理・運営など、横断的に統括している。


「ユニサカ」が大学サッカー界に風穴を空ける

はじめに、ユニサカについて教えてください!

ユニサカは、「自分たちが 大学サッカーを 変えていく」を理念に、大学サッカーの人気向上に伴う競技力向上を目指して活動している団体です。また、閉鎖的な大学スポーツ界にパワーを持った学生を取り込むことで、大学スポーツの革新に挑戦しています。そのような学生の輪を広げることも自分たちの役割として考え、一般学生、運動部学生の垣根を超えて、さまざまな学生を巻き込みながら活動をしています。

―なるほど。具体的にはどんな活動をしているんですか?

最近では、2017年7月15日(土)に等々力競技場で開催された「早慶クラシコ」を盛り上げるためのプロジェクトを行いました。資金を集めるためにクラウドファンディングに挑戦。支援のリターンとして慶應大出身のモデル・森星さんや早稲田大学現役生モデルのYugoさんがデザインをしたオリジナルグッズを用意し、目標金額である100万円の確保に成功しました。他にも、集客面ではインパクトのあるクリエイティブを作ってSNSでの拡散を狙ったり、試合の様子をAbemaTVで生中継したりと、「早慶クラシコ」を盛り上げるためにさまざまな工夫を凝らしました。どの施策も新しいものばかりで、大学サッカー界に風穴を開けるような取り組みになったと思います。

開始からわずか16日間で、目標としていた100万円を超え108%を達成

対抗心を煽るポスターは、早慶それぞれ11種類ずつ22種類

―学生の枠を飛び越えた、すばらしいプロジェクトですね。そもそも、原田さんがユニサカに関わるようになったきっかけは?

ユニサカはもともと、慶應義塾大学のゼミ発プロジェクトとしてはじまり、代表の渡辺とはそのゼミで一緒になりました。参加した理由は、ユニサカの理念に共感したというよりも、「早慶戦を満員にしたい」という代表の言葉に、ワクワクしたんです。でも、ユニサカの活動を始めるようになって、「なぜ大学サッカーは盛り上がらないのか」とか、「なぜ競技レベルが向上しないのか」という大学サッカーが抱える課題を肌で感じるようになりました。


課題を抱える当事者だからこそできること

大学サッカーにはどのような課題があるのでしょうか。

一つには、経済的基盤の弱さが挙げられます。資金がないので、設備投資やスタッフを拡充するといったことも難しく、大学サッカーは限界に達しているのが現状です。これはサッカーのみならず、大学スポーツ全体の課題でもあります。


その課題に対して、ユニサカはどうやってアプローチしているのですか?


これまで、大学の体育会というのは閉鎖的で、体育会以外の学生が入り込む余地がありませんでした。そのため、大会を一つ運営するのにも主務やマネージャーが企画から運営、営業、宣伝、スケジュール管理からチームのマネジメント、すべての業務を担当しなければなりません。そんな状況では、大会をより面白くしようとか、大学サッカーのファンを増やそうとか、未来に向けた取り組みまで手が回らないんです。だから、ユニサカではその限界を打破するために、体育会に所属していない一般の学生を巻き込み、「早慶クラシコ」の運営を行いました。課題を抱えている当事者の僕たちが自ら盛り上げていくことで、大学サッカーを変えることができるんじゃないかと思ったんです。


その結果はいかがでしたか?


この取り組みは多数のメディアに取り上げられ、来場者は2000名以上増加。収益面でも結果を残すことができました。でも、集客や収益以上に、仲間と一緒に新しい価値を作ることに挑戦し、大学サッカーを変革する第一歩を踏み出せたことに何よりやりがいを感じました。まさにゼロベースの取り組みだったのですが、大学サッカーとして初めてのことを成し遂げたという実感があります。



新たなフィールド、大学スポーツへの挑戦


―まさに新しい風を吹き込む取り組みですね。「早慶クラシコ」の次の活動として10月23日に「大学スポーツ国際デー記念シンポジウム」を予定しているということですが、詳しく教えてください。


大学スポーツを取り巻く環境は、大きく変わろうとしています。2018年度中に創設を目指す日本版NCAAをはじめ、国を挙げて大学スポーツ政策に取り組む動きが始まっているんです。しかし、その一方で、当事者である学生は議論から置き去りにされ、学生が関心を抱けない、意見を発信できないという現状があることも事実。そういった現状を打ち破るため、ユニサカでの経験を、大学サッカーだけでなく大学スポーツ全体の革新につなげたいと思っていた中、文部科学省の方とのご縁がきっかけで、今回のシンポジウムが実現しました。当日は安西祐一郎氏、為末大氏をはじめとする多くの識者の方をお呼びして、大学スポーツの課題と未来について大学生とともに議論します。それが、今まで作られてこなかった、大学生の「生の声」を発信する場です。一般学生 、運動部の学生が、今の課題を共有し、大人に一言物申してほしいですね。


原田さんは当日、モデレーターとして登壇する


最後に、原田さんのシンポジウム開催にかける思いを教えてください。


所属するコミュニティーっていろいろありますよね。部活とか、地元とか、会社とか。「大学」もその一つだと思っています。大学スポーツが単なる競技としてではなく、大学というコミュニティーをつなぐ一つの柱になれば、そのパワーをもっと生かせる。コミュニティーとしての可能性をもっと広げられると思っています。今回のシンポジウムでは、一般学生も運動部学生も関係なく、一人でも多くの学生が大学スポーツを身近なものとして考えるようになってほしいですし、自分自身、キャンパスライフにスポーツをどう組み込めるか改めて考えたいですね。日本の大学スポーツが今まさに変わろうとしている中で、置き去りにされてきた学生が大学スポーツの未来について考える、とても意義のある場になると確信しています。




【マイナビ学生の窓口:学窓ラボ編集部より】
将来は、スポーツチームの経営に携わりたいという原田さん。明確なビジョンをもって、学業に部活、ユニサカの活動と常に楽しみながら挑戦を続ける強さに驚かされます。子どもから大人まで、休日の過ごし方の選択肢として「大学スポーツ観戦」が当たり前に選ばれる未来を作りたいというエピソードが印象的でした。シンポジウムの成功と、ユニサカのさらなる活躍を応援しています!


一般社団法人ユニサカ
【公式サイト】 http://unisocc.com/
【Facebook】http://www.facebook.com/unisoc.jp/
大学スポーツ国際デー記念シンポジウム「学生が発信する大学スポーツの未来」
【開催日】2017年10月23日(月)18:15〜20:30(受付17:30〜)
【開催場所】連合会館大会議室(東京都千代田区神田駿河台 3-2-11)
【HP】 https://collegespocymposium.wixsite.com/mysite
【チケット購入ページ】 http://unisoc.peatix.com/(学生無料)


文・マイナビ学生の窓口:学窓ラボ編集部


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