部屋のレイアウト・コーディネートのコツ! すぐ真似できる簡単テクニック 5ページ目
色は単色ではなく複数色を配したとき、その調和によって美しさや快適さを感じることが多いようです。配色によって美的で快い効果を得るためには、色彩調和の基本を知ることも大切。配色の基本は、大きく類似系の配色と対照形の配色に分けられます。
<色相類似系の配色>
色相類似系の配色は「同系色濃淡配色」ともいわれ、色相関係が近いもの同士(色相環での色相差が2~3隔たった関係)を配色することです。この配色方法では、イメージのまとまりが表現しやすくなり失敗が少なくなります。例えば暖色系の配色では温かいイメージになり、寒色系の配色では涼しいイメージになるといった感じです。
※色相の自然な調和
自然な調和(Natural harmony)とは、隣接色相も含め色相に違いが生じる配色では、色の濃淡関係をつくる際、明るい色の色相が黄み方向に傾くように使うと調和を得やすいとされています。これは「見慣れの原理」に基づいたもの。例えば木の葉に光が当たり、日向の明るい部分と日陰の暗い部分ができているのをよく観察すると、日陰の部分は明るい黄みの緑に、日陰の部分はより暗い青みの緑に色相が傾いて見えます。このような日常で見慣れた自然連鎖による色相の変化は、私たちに違和感のない快い効果をもたらすとされているのです。
<色相対照形の配色>
色相対照形の配色とは、色相の隔たりが大きい対立的なイメージの色相を組み合わせる配色のこと。対照色とか補色関係にある色相がこれにあたります。対照色相の配色は(色相環での色相差が8~10隔たった関係)暖色と寒色など互いにイメージの異なる配色となります。そのため、統一感を与えるには、彩度感を合わせてまとまりをつける方法が一般的に用いられています。ビビットトーンやストロングトーンなど高彩度色の配色は、活動的でダイナミックなイメージを与えます。
補色色相の配色は(色相環での色相差が10~12隔たった関係)、色相による変化が最も大きくなる配色です。こちらの配色も彩度を合わせて統一感を与える手法が一般的です。高彩度色の配色では、対照色相の配色よりもさらに活動的なイメージが強くなり、刺激的な配色となります。
■中差色相の配色は不調和になる?!
類似系色相と対照形色相の配色の他に、中差色相の配色というものがあります。この配色は、類似色相と対照色相の中間に位置するもので、色相環における色相差が概ね4~7の配色です。「変化と統一」のバランスという視点では中途半端な感覚が強く、一般的には不調和な配色に分類されています。しかし、中国や韓国では祝いや祭りの色としてよく使われ、日本でも伝統的な縞柄や格子柄などに用いられてきました。また、平安時代の十二単の配色にも多く見られます。
中間的な明度と彩度の色を用いると、アジア的で素朴なエスニック調のイメージを出しやすいでしょう。人気のエスニックスタイルやアジアンスタイルインテリアを目指すなら、ぜひ採用したい配色です。
インテリアには、ライフスタイルや部屋のつくりに合ったレイアウト・コーディネートが大切。そしてコーディネートに重要なのが、美的で快適さを感じる調和のとれた配色です。狭い部屋でも諦めず、レイアウト・コーディネートのコツを掴み、快適な部屋で充実した毎日をすごしましょう!
執筆:宮崎ゆう(ナレッジ・リンクス)