【NHKの先輩社員】アナウンス室:和久田麻由子さん

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NHKの和久田さん

プロフィール:和久田 麻由子(わくだ まゆこ)
経済学部卒。2011年に大学を卒業し、NHKに入局。岡山放送局に3年勤務した後、2014年から渋谷の放送センターへ異動。現在は朝のニュース番組「おはよう日本」のキャスターをメインに、世界各地の珍獣から日本の身近な動物まで幅広い生き物を紹介する番組「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」のナレーションなどを担当している。

日本で唯一の公共放送として、ニュースや気象情報をはじめ、朝ドラや大河ドラマ、教育番組など、幅広い分野の情報を視聴者に届けているNHK。大学生のみなさんも、視聴したことがあるのではないでしょうか。今回はなかでも、朝のニュース番組「おはよう日本」のキャスターとして活躍している和久田麻由子さんにインタビュー。学生時代に打ち込んだことや気になる現在の仕事の内容、やりがいなどについてお話を聞きました。

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社会人編キャスターは情報を正しく届けるための「最後の砦」

今のお仕事はどんな内容?

私は朝のニュース番組「おはよう日本」のキャスターとして、日々最新の情報を視聴者のみなさまへお届けしています。放送を終えると休憩をはさみつつ、翌日の番組内容の打ち合わせを行い、その後は事務作業やナレーションを担当する別番組の打ち合わせといったスケジュールです。レギュラーとして関わっている「おはよう日本」や「ダーウィンが来た」以外にも、特別番組などでナレーションを行う日もありますし、ときにはインタビュー取材やロケを担当することもあります。

ニュース番組で気をつけているのは、できる限り視聴者と同じ目線を保つことです。現場取材を担当する記者やディレクター、カメラマンたちは膨大な情報を収集しテーマをとことん深掘りしていくので、そのテーマに詳しくなりすぎてしまう一面もあります。そうすると“わかりやすく伝えたい"という気持ちはあっても、結果的に視聴者の視点から遠ざかってしまうことも、時としてあります。ですから私たちキャスターは、取材担当から得た情報を整理し、伝えたい内容をきちんと汲み取ったうえで、初めてそのニュースを観た人にとってわかりすい表現を考えて伝えることが重要な役割です。情報が視聴者に届く前の「最後の砦」と言ってもいいかもしれません。

どう表現すれば伝わるのかを考え、情報を付け加えることもあれば、逆に削ぎ落としてシンプルにすることもあります。どちらにしても、常に視聴者の方にとってわかりやすい情報を届けることを心掛けています。

一番楽しかった&つらかった仕事は?

つらいと思うこととは少し違いますが、難しいと思う局面はたくさんあります。例えば、阪神淡路大震災から20年が経った2015年1月17日に、現地からの中継番組を担当したときのこと。このお話をいただいたとき、被災者のみなさんにとって「20年=節目の年」と考え、力強く困難を乗り越えてきた方々の思いを届けたいと思っていました。しかし実際に被災者の方々にお話を伺うと、「震災後1年目から5年目くらいまでは、たしかに復興や再建の実感がありました。ですが、それ以降は停滞していると感じていて、正直、10年も20年も変わりません」という意見が多く、衝撃を受けました。取材前に自分の価値観や尺度で“きっとこうだろう"と想定していても、真実は必ずしもその通りではないのだと気づかされたのです。震災のことに限らず、さまざまなニュースを伝える“伝え手"として、自分の固定概念にとらわれず本当のことを発信していかなければと改めて強く思うようになりました。

この思いは、東日本大震災から5年が経った2016年に、「おはよう日本」でリポートを放送したときにも再確認することとなりました。 内容は、目の前で津波によって妻を亡くした男性の5年間をリポートしたもの。最初、「震災から5年が経ち、ようやく妻の死と向き合い始めています」というコメントがついていました。しかし読み込むうちに、5年という歳月は、果たして“ようやく"と表現していいものだろうか、という疑問が出てきました。妻を亡くしてからの5年という歳月の重みは、本来ご本人にしか理解できないもののはず。“5年も経ってようやく向き合えた"と感じる方もいれば、“5年が経ってもまだ向き合えない"という方もいらっしゃるかもしれません。勝手な尺度で考えるのはいけないと “ようやく"という言葉を削除することを提案。リポートの制作者と話し合い、「震災から5年が経ち、妻の死と向き合い始めています」としました。このように、どんな表現でも伝え方次第で受け手の印象が変わってしまいます。その点を忘れないように、これからも丁寧に情報を伝えていきたいと思います。

今の会社を選んだ理由は?

会社選びで重視していたのは、それぞれの企業がどんな理念を持ち、社会に対してどんな役割を果たしているのかということでした。NHKについては幼いころから家族と一緒に観ていて身近だったというのはもちろんですが、視聴率だけに左右されず、時間と手間を掛けて丁寧に調べた情報を届けているという点に惹かれました。ニュースや情報番組以外に人の心を豊かにする番組が多いことも魅力的でしたね。手話や字幕放送、障害のある方が司会進行を行う番組など、大勢の人に届けることだけでなく、その情報を本当に必要としている人に届けることを意識して丁寧に放送しているのもいいと思いました。

実は最初からマスコミ業界に絞って活動していたわけではなく、金融系など他業種の選考にも応募していました。でも今振り返ってみると、一番志望動機を素直に話せたのはNHKだったと思います。心から理念に共感し、この会社で仕事をしたいと思っていたところで働けることはやりがいも大きいですし、入社前に抱いていた憧れに対するギャップがないのはうれしいですね。

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