清水さんの「ガクチカ（学生時代一番力を入れたこと）」は？

▲学生時代の清水さん

中学時代、カナダのバンクーバーにショートステイをした経験があり、夏には海で、冬には雪で遊べるという素晴らしい環境が気に入りました。それで、いつかは戻りたいと思い、大学進学ではカナダ留学を選択したんです。当時両親にカナダに行きたいと伝えると、「いい機会だから、行きなさい」と背中を押してくれました。

留学先では言葉も文化も違うので最初は戸惑いました。しかも、誰も友達がいない中で、親にも頼ることができません。そこで、授業で隣に座った子でも共通の話題があれば、すぐに話しかけたりし、積極的に友人を作ることを心がけていました。また、大学の社会学部の授業では、日常生活の中でいろんなことに疑問を持つための課題がたくさん出ました。ときには「iPhoneを生み出した人はどんな人で、どんな生活をしているのか？」を調べてみるという課題も。いろんなことに興味や疑問を持てるようになったのは留学先での学びの経験が大きかったと思います。

もう1つ打ち込んだのは、夏休み期間中に日本に一時帰国してチャレンジしたアルバイト。両親から「社会経験としてアルバイトをしてみたら？」と言われ、時計の販売のバイトにチャレンジしたのですが、そのときに目上の方への言葉遣いや接客に際してどんな風に振る舞えばいいのかなどを学ぶことができました。

仕事で役立っている大学時代の経験は？

海外留学で初めて家族から離れて暮らしたことで、自律心が芽生えたと思います。初めて、銀行口座を開いて、携帯電話の契約をして、社会に出たと実感した瞬間でした。これまで何か困ったことがあったら、すぐに両親に頼ってばかりでしたが、留学先では自分でどうにかしないといけません。まずは自分でできることを考えて、人に頼りすぎないという姿勢が身についたのは本当によかったと思います。ほかにもアルバイトのときに習った言葉遣いや接客の姿勢は今でも役立っています。

就活前にやっておいたほうがいいことは？

留学やアルバイト、一人暮らし、学生時代に経験したすべてが今につながっていると感じます。でも私の場合、就職活動をギリギリで始めたので、開始したばかりのころは情報収集だけで手一杯。途中は周囲の雰囲気に流されて、迷子の時期もありました。

だからこそ、興味のある会社があれば、1、2年生のころからインターンシップなどに参加して自分の目でいろいろと見ておいたほうがいいと思います。その方が就職活動を始めたときに周囲に流されずに慌てずに活動に打ち込めるのではないかと思います。

そして今、学生生活を振り返ってみると、当時は授業をサボることもあり、直前に慌てて試験対策をすることもありました。でも期末テストが同じ日にある教科もあり、試験対策で、大変な思いをしたことも。きちんと課題を解いて毎日コツコツ勉強していれば、テストまでに何をすべきかを理解して、しっかりとした準備ができます。日ごろからやるべきことをやれば、直前に慌てずに試験に臨めるはずです。きちんと勉強することは、タイムマネジメントの勉強にもなるので、ぜひがんばってください。

中学時代にカナダに留学して、多人種の人たちと触れ合い、幅広い視野を身につけた清水さん。大学で海外という選択をした大胆さがありつつも、丁寧な話し方や、謙虚で落ち着いた人柄は本来、彼女が持ち合わせていたものなのでしょうか。大胆なチャレンジができた背景には常に「やりたい」と思ったことがあれば、背中を押してくれるご両親の応援があったからとのことでした。
常に挑戦を続け、謙虚に努力し続ける清水さんの話を聞いていると、素直に「がんばって歩んでいきたい」という気持ちになれました。もしみなさんも、チャンレンジしてみたいことがあれば、気負わずにやってみてはいかがでしょうか。

文：松葉紀子（スパイラルワークス）
写真：中邨誠
取材協力：エクスペディア・ジャパン