【JALの先輩社員】旅客システム推進部:坂本祐輝さん 2ページ目
坂本さんの「ガクチカ(学生時代一番力を入れたこと)」は?
▲学生時代の坂本さん
大学時代に一番頑張ったことは、やはり4年間務めた「学生トレーナー」としての活動です。所属していたのは競走部といって、いわゆる陸上部だったのですが、プロのトレーナーの指導の下、マッサージやコンディション調整、またトレーニングの指導やリハビリサポートなどを通じて、4年間で200人以上の選手のケアに携わりました。私が入学したときは学生トレーナーはおらず私が最初の一人だったので、今後学生トレーナーをどのようにして増やすか、またどういった組織体制にしていくかも考える必要がありました。学生トレーナーをする中で、トレーニングの知識はもちろん、そうした「組織作りを考えること」も学べたのは大きかったです。
仕事で役立っている大学時代の経験は?
今の仕事に活かせているスキルとしては3つあると思います。1つは「目標達成のための実行力」です。学生トレーナーとしての組織体制作りの際、最初は何も思い描くものがなくどうすればいいかわからなかったのですが、過去の事例やプロのトレーナーのアドバイスを受ける中でおぼろげながらなりたい姿をイメージし、日々そのギャップを埋めていくことで、大学4年時には総勢6名のトレーナー体制を作り、部を支えることができました。このとき培った最後までやり抜く実行力は、今の仕事でも生きています。
2つ目は「仮説の構築能力」です。選手それぞれで筋肉の付き方も違えば、骨格も違うという中で、例えばAさんに合った治療法がBさんにとって有効かどうかはわからない。ですので、この人の筋肉や骨格、また体の動きならこうしたアプローチがいいのではと仮説を立て、それを検証していくというプロセスを4年間繰り返し行いました。そのおかげで、どんな物事に対しても、相手が求めていることは何かを考え、それを実現するために必要なものを検討していく構築能力が身についたと思います。
3つ目には、「コミュニケーション能力」が挙げられます。学生時代はオリンピックレベルの選手から初心者まで幅広い選手がいる中で、どういった説明をすれば相手が理解してくれるのかを考えながらコミュニケーションを取っていました。そこで培った能力は、所属も会社も人種も違う中でプロジェクトを進めていく現在の仕事においても、活かせていると思います。
就活前にやっておいたほうがいいことは?
私が就活でお会いする人に必ず話していることは、「まず前提として、就活は優劣を競う場ではない」ということです。優劣ではなくマッチング、つまり合うか合わないが見られている場だと話しています。
では、どういうところを明確にするとマッチしやすいか、ということですが、まずは「自分自身が頑張っていること」を就活中だろうが関係なく続けることだと思います。面接では自分が頑張ったことや取り組んできたこと、熱中したことを話すと思いますが、就活だからといってそれまで続けていたことをやめてしまうと、リアルな体験を話すことができなくなってしまいます。就活中は忙しいと思いますが、そんな忙しい中でも何かに打ち込むことで、見えてくるものがあるはずです。
また、「幅広い業種の先輩に会って、一人一人の経験談を聞くこと」も大事です。説明会などに積極的に参加するのもいいかもしれませんが、参加するだけではいけません。それだけではHPで記載されている内容に対する理解を深めるだけに留まってしまいます。ですので、会社説明会でそこに来ている社員さんと話をしたり、OB訪問を通じて一人一人の経験談を聞くことは、その会社の雰囲気だけでなく、企業の意外な側面を知ることもできます。就活前の企業選びでも役立ちますし、就活におけるよいステップになると思います。就活期間は、大学生がどの企業に対しても遠慮なく踏み込んでいける唯一の時期ですから、積極的にいろんな人の話を聞いて見識を深めてほしいです。
日本航空の歴史を変える「業務の転換点」に関するビッグプロジェクトに関わる坂本さん。そのため困難なことも多いそうですが、学生トレーナーとして4年間頑張った中で得た3つのスキルを生かすことで、見事に乗り越えているとのことです。また、アドバイスにもありましたが、多くの先輩社会人に会い、見識を深めることも大事とのこと。時間のあるうちに、いろんな人に会い、その経験談を聞いておくといいですね。
趣味:ランニング、ウエイクボード
特技:スポーツマッサージ
就活で受けた企業数:15社
志望していた業界:空運、海運、商社
今の会社の魅力:全社員の仕事が最終的に航空機の運航に通じていること
文:中田ボンベ@dcp
写真:ブリッジ
取材協力:日本航空株式会社