【連載】『あの人の学生時代。』 ♯12:ヤマハ株式会社 代表執行役社長 中田卓也「やらなければ何事も始まらない」 3ページ目

学生の窓口編集部

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目次
  1. シンセサイザーに打ち込んだ学生時代
  2. シンセサイザーに打ち込んだ学生時代
  3. 今に生きるゼミ活動の経験

今にも生きている「ゼミのレポート制作」の経験


――大学の授業では苦労しましたか?

法学部では内池慶四郎先生の「民法」についてのゼミに入っていましたが、これが大変で、毎週レポートを提出しなければならない。不法行為とか、さまざまな民法上の問題について、どこが問題なのか、どう判断すべきなのかといったことを論じるわけです。とにかくレポートを書くこと自体も大変なのですが、毎週ですからね。2年間これを続けました。

――その経験は今に生きていると思いますか?

はい。扱っているのが法律ですから、問題を合理的に解決し、その解決が合理的だと思われることが重要なわけです。私がこのレポートで訓練されたのは、「問題が起こったときにどう処理すれば合理的なのか、そして合理的な判断とするための理論構成を考える」ことです。この思考方法は今の仕事にも役立っていると思います。当時は大変でしたが、レポート課題のおかげですね。

――なるほど。社長というのは判断する仕事ですものね。大学時代の中田さんは、現在の自分を想像していましたか?


全然(笑)! ヤマハに入社して、ましてや社長になるなんて思ってもみませんでしたよ。人間なってみないとわからないものです。社長がどんな仕事をしているかなんて、これはなってみないとわかりません。弊社の社員だって私がどんな仕事をしているかはみんな知らないと思いますよ。

ちょっと関心のあることを、かなり熱心にやろう!


――現役大学生にアドバイスをお願いします。

好奇心旺盛にいろんなことをやってみるのがいいと思います。その中で「ちょっと興味のあるもの」を見つけて、それを「かなり熱心にやる」といいのではないでしょうか。魅力を感じたままで続けることが大事です。
広く浅く、とにかく経験値にするというのもいいのでしょうが、熱心にやって極めるために苦労したことがひとつでもあれば、それはその人の人格にも影響を及ぼします。自分にとって大きな財産になるでしょう。

また、何か問題があったときにはちゃんと向き合うことが大事ですね。よく社員に言うのですが「仕事がおもしろいかおもしろくないかは自分次第」。同じ問題に当たっても、それを肥料にできる人とできない人がいます。これは向き合い方が違うからです。ちゃんと向き合って対処できるかは、自分の反応、自分次第なんですよ。
あと「執念」を持ってほしいですね。自分の思ったこと、自分に課したことを達成するという執念です。一種の「負けず嫌い」な心の持ちようですね。自分に課したことに負けない、それをクリアするという気持ちを持っているといいのではないでしょうか。

――ありがとうございました。

中田社長から現役大学生のみなさんへのエールは「為さねば成らぬ(何事も)」です。これは「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」の真ん中の部分ですね。中田社長は「前の部分(為せば成る)はポジティブすぎて好きじゃないんです。(「為さねば成らぬ(何事も)」とは)やらなければ何事も始まらないし、つまり『挑戦せよ!』ということです」と語っていらっしゃいました。

冒頭で述べたとおり、ヤマハはさまざまな事業を手掛ける会社です。これは「ちょっと興味のあること」を「かなり熱心にやる」「執念を持ってやる」ことでそうなっているのではないか、と考えさせられるインタビューでした。現在大学生のみなさんも、まずは「ちょっと興味のあること」を見つけて、それを続けてみてはいかがでしょうか?


(高橋モータース@dcp)


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