バイトを辞めるときは電話でいい? 円満退職のポイントと引き留めの対処策

編集部:いとり

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バイトに採用されて働き始めたものの、働いてみたら「なんか思っていたのとは違う……」と感じた経験のない先輩はいません。働き続ける中で、違和感が増幅し不満が生まる人も多いですね。

たとえば、「シフト勤務で希望の日時に働けない」「一緒に働く仲間と気が合わない」「人間関係がグダグダで休憩中も辛い」など。不満や違和感が大きくなると「せっかく採用されたけど、バイトを辞める」と考えてしまうものです。

「バイトを辞める」と決意したとき、困ってしまうのが「どうやってバイトを辞めたらいいのか」ということです。採用時の面接も緊張するものですが、辞める意思を伝えるのも緊張します。

そんなとき、頭によぎるのが「バイトを辞めることを電話で伝えれば楽」ということ。対面で会わずに済みますし、LINEやSNSで伝えるよりは丁寧な印象がありますよね。

「バイト辞める」を電話で伝えるのはマナー違反にならないのか、電話で伝えるとしてどうすればいいのか、引き留められた場合の対処法について紹介します。

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バイトを辞めるのを電話で伝えるのはNG?辞めるときのマナーとは

バイトを辞めるとき、「辞めます」「辞めたいです」という連絡は、電話でしても大丈夫です。しかし、一般的にはバイトを辞めるときの基本は対面での話し合いになるということは覚えておきましょう。

メールやLINE、SNSで「バイト辞めます」と伝える人もいますが、これらの手段は相手がいつ連絡を見てくれるかもわからず、そのままスルーされてしまう可能性もあります。

相手があなたの「バイトを辞める」意思を確認できる手段で伝えるべきです。

バイトを辞める際に覚えておきたいマナーは

  • バイトを辞めることはバイト先の一番偉い人に伝える
  • バイトを辞める1ヶ月前には伝える
  • 就業規則で辞める意向を伝える日が決まっている場合は従う

というものがあります。詳しく説明しますね。

バイトを辞めることはバイト先の一番偉い人に伝える

「バイトを辞める」意思はバイト先の採用担当者、店長や部長、オーナーなど採用権がある人に伝えましょう。

基本は、「バイト先の一番偉い人に伝える」と覚えておくと間違いがありません。採用や退職の決定権のない人に伝えても、うやむやにされてしまう場合があり、辞めるまでにトラブルになる可能性があります。

バイトを辞める1ヶ月前には伝える

「バイトを辞める」連絡は、辞めたい日の1ヶ月前には伝えた方がいいでしょう。法律では、2週間前までに伝えればいいことにはなっていますが、シフト制のアルバイトの場合はシフト調整がありますし、アルバイト従業員が急に辞めるとバイト先に迷惑がかかってしまいます。

どうしても早急に辞めたい場合は、「バイトを辞める」ことを決めたらなるべく早く連絡しましょう。シフトが残っている場合でも早めに連絡することで「残りのシフトはお店の残りの人員でなんとかします」「できれば後3日、半日ずつでもいいから出勤してほしい」など、会社に残るメンバーへの影響が最小限になる提案をしてもらうことができるからです。

たつ鳥跡を濁さずといいますが、バイトを辞めるならできるだけ後腐れのないキレイな形でやめた方が後々のためです。

就業規則で辞める意向を伝える日が決まっている場合は従う

ただし、バイト先の就業規則で「辞める場合は○日前までに退職の意思を伝える」と決まっている場合は別です。就業規則に従って、○日前までに伝えるようにしましょう。

この場合も、身内の不幸や急な引っ越しといったバイトを辞めるどうしようもない事実がある場合は、早めに伝えても大丈夫です。電話ではなく上司に直接会って意思を伝えるのであれば、退職日も相談のうえで決められます。

退職理由がしっかりしていれば、上司もすんなり手続きしてくれるはずです。本来なら辞めるまでに日数が必要でも、早めに退職日を調整してくれるかもしれません。

バイト先に電話をかける前に必ずやっておくべきこと

バイト先に「バイト辞めます」と電話をかける前にやっておくべき準備があります。

それは、

  • ・ 電話をかけても迷惑にならない時間帯の目星をつけておく
  • ・ バイト先の店長や上司がいる時間帯を調べておく
  • ・ バイトを辞める無難な退職理由を用意しておく
  • ・ バイトを辞める時期、聞くべきことをメモしておく
  • ・ 引き留められた場合の断り方をシミュレーションしておく

の5つです。

「バイト辞める!」と決意した勢いで電話をかける人もいますが、しっかり準備した上で電話したほうが辞めるまでの話がスムーズに進みますよ。

電話をかけても迷惑にならない時間帯の目星をつけておく

居酒屋バイトや喫茶店バイト、ホテルや旅館のバイトなどの混み合う時間帯がはっきりしているバイトを辞めるなら、電話をかけてもバイト先の迷惑にならない時間帯の目星をつけておきましょう。

長く働いているならなんとなくわかるはずですが、短期間で辞める場合は先輩や同僚にさりげなく聞いておいた方がいいでしょう。

忙しい時間帯に電話してしまった場合、職場に迷惑をかけるだけでなく「辞める」意向をしっかり聞いてもらえない可能性もあります。最悪の場合、「後でかけ直してくれ」とお願いされるケースもあり得るのです。気まずいですよね。

バイト先の店長や上司がいる時間帯を調べておく

辞めるバイト先の店長や上司がいる時間帯を調べておきましょう。

「バイト辞めます」と伝えるべき相手がいない時間帯に電話をしても伝わりません。「辞める」連絡は、伝言でお願いできるような用事でもありませんし、店長や上司に折り返しの電話をお願いするのは失礼です。

万が一、店長がいるはずの時間帯に店長がいない場合は、電話を受けてくれた人に店長がいる時間帯を聞き「相談したいことがあるので、後ほどお電話させていただきます」と伝えてもらえれば大丈夫ですよ。

バイトを辞める無難な退職理由を用意しておく

バイトを辞める無難な退職理由を用意しておきましょう。

人間関係や仕事が思っていたのと違うなど、退職理由は人によって様々ですが、正直に話しすぎてトラブルになってしまうのは面倒ですよね。

嘘をつくのは考えものですが、バイトを辞めさせてもらいやすい無難な理由というものがあります。後ほど詳しく紹介しますので、本当の理由をぼかすために利用しましょう。

バイトを辞める時期・聞くべきことをメモしておく

バイトを辞める電話をかけるのは社会人経験が豊富な人でも緊張するものです。店長や上司が電話に出た瞬間に頭が真っ白になりしどろもどろになってしまうことも考えられます。

そうならないために、バイトを辞める時期・聞くべきこと・退職理由はメモして手元に置いておきましょう。

聞くべきこととは、たとえば制服や備品の貸し出しがあるバイトの場合の返却方法についてです。制服や備品をバイト先に置いている場合は、それをどうすればよいのか確認する必要があります。

制服ならバイト先でクリーニングを手配してもらえるのか、自分でクリーニング後に返却するのかバイト先によって確認すべきことが異なります。確認しておくとスムーズになるはずです。

引き留められた場合の断り方をシミュレーションしておく

「辞めないでほしい」と引き留められた場合の断り方もシミュレーションしておいた方がいいでしょう。

「続けてくれるなら時給を上げる」「新しい子が入るまではいてほしい」「今月のシフトが終わるまではいてくれ」など、引き留める理由は様々なものがありますが、どのラインなら妥協できるのかは考えておくべきです。

特にシフト制のアルバイトをしている場合は、「退職日を引き伸ばされた場合、何日程度までなら大丈夫か」は想定しておいた方が無難です。

バイトを辞めるときの退職理由の例文

バイトを辞めるとき、「どうして辞めるのか」「なぜ辞めたいのか」は必ず聞かれます。

「〇〇さんが嫌だから」「仕事内容が気に入らないから」とネガティブな理由を正直に話すより、オブラートに包んだ理由を話した方が、今後のためになります。

今の職場の同僚や上司が、今後のバイト先のお客様になる可能性だってあるからです。バイトを辞めるなら円満退職であるに越したことはありません。

とはいえ、あまりくどくどと辞める理由を聞かれるのはいい気持ちがしないもの。スッパリと辞めるための例文をあげます。参考にしてください

学業に専念したい

「学校の単位が厳しい状況である」「資格を取るための勉強をしているが進捗状況がよくない」など、学業に専念したいという理由は、学生のアルバイトではとても使いやすい理由です。

「単位が非常に厳しい状況で、留年するかもしれないので」なんて言われると、バイト先のオーナーや店長でも、とても引き留められないでしょう。

この理由の場合は、

「店長お疲れ様です。突然で申し訳ありませんが、大学の勉強に費やす時間が必要になり、将来のことや就活のことも考えないといけませんので、〇月〇日で辞めさせていただきたいと思っています。自分が考えていた以上に勉強する時間が必要になり、申し訳ありませんがお手続きをお願いいたします」

のように電話すればいいでしょう。

就職活動が始まる

「就職活動が始まるので忙しくなる」という理由も、就職を控えた学生に使える理由です。インターンシップに参加する人なら、「多くの社会人に会っていろいろな経験をしたいので、バイトする時間がなくなります」などと伝えます。

家庭の事情で今のバイトでは都合が悪い

「家族の入院」「突然の引っ越し」「起業する親やきょうだいの手伝い」など、「家庭の事情で今のバイトを辞める」という理由も使えます。

ただし、嘘はすぐにバレてしまうので、こういった理由が本当にある場合に使いましょう。

家庭の事情の場合、プライベートな情報が入るのであまり詳しく話す必要はありません。

「店長お疲れ様です。突然で申し訳ありませんが、家族の事情で今のアルバイトの継続が困難になってしまいました。できれば〇月〇日で辞めさせていただきたいのですが、お手続きをお願いできますでしょうか」

のようにぼかした情報で大丈夫です。詳細を聞かれたら、話せる範囲で話してもいいですし「家族のプライバシーにかかるので、申し訳ありませんが」と断りましょう。

自分自身の体調が優れない

自分自身の体調が優れない場合も理由に使えます。

「どんな病気で」「どんな症状で」と聞かれても答える必要はありません。プライベートな個別の事情を話す義務はないからです。

もし聞かれても「詳しい事情はちょっと」と濁せば、相手もわかってくれるはずですよ。

体調を理由とした場合、相手が心配してくれることもあります。辞める意思を伝えて、きちんと了承を得て退職の日も決まったら、最後はきちんと御礼の言葉を伝えましょう。「また時間ができたら顔を出します」とでも言っておけば、お互いに嫌な気持ちにはなりません。

バイトを円満に辞めれない場合の対処方法

稀に「バイトを辞める」といっているのに、強引に引き留められ、怖い思いをして辞められないことがあります。

たとえば、

  • 引き留めが激しい
  • 辞めるなら損害賠償請求などと言われる
  • 他のバイトが決まるまでいてもらうと言われる

といったトラブルがあるのです。

そういったバイトを辞めるトラブルにあった場合はどうやって対処すればいいのか紹介します。

引き留めが激しい場合は退職届を提出する

どうしても辞めさせてもらえそうにない場合は、退職届を提出する方法があります。退職届とは、退職の意思を表明する書類のことです。これを提出すると2週間後には辞めることができます。

というのも、法律ではバイトを辞めるのにバイト先の許可は必要ないからです。

『当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。(民法第627条)』

民法でもこのように定められています。

退職届を提出しても「受け取っていない」「届いていない」と突っぱねられる可能性もあります。この場合は、少しお金がかかってしまいますが内容証明郵便という「誰がどんな内容の郵便を誰宛に送ったのか」が証明される郵便を使って退職届を郵送しましょう。

辞めるなら損害賠償請求するなど脅されても気にせず辞める

「辞めるなら損害賠償請求する」「違約金を払ってもらう」といわれてた場合でも、「怖い」と感じないでください。バイト先にそのような権限はありません。

あなた自身がバイト先の備品を壊すなど明らかな損害を与えていない限り、損害賠償請求はできません。また、「就業規則に違約金の規定がある」などと言われた場合、そのような就業規則自体が違法なものです。支払う必要はありません。

他のバイトが入るまで辞めるなと言われても気にしなくていい

「人員不足だから他の子が入るまで辞めないで」「辞めるなら引き継ぐ新しい子を入れてから辞めること」と言われるケースがありますが、これはバイト先の都合であってあなたには関係のないことです。

どうしてもバイトを辞めさせてくれないなら、退職届を内容証明郵便で送り、辞めてしまいましょう。

労働基準監督署やバイト先の労働組合に相談しよう

どうしても辞めさせてくれない場合や話し合ってもらちが開かない場合は、管轄の労働基準監督署やバイト先の労働組合に相談してください。

労働基準監督署では、フリーダイヤルの「労働条件ホットライン」や「総合労働相談コーナー」を開設しています。学生バイトでも利用可能なので、困ったら気軽に連絡しましょう。あなたが未成年で、「自分で言うのはハードルが高い」と感じているなら、親に相談し労働基準監督署や労働組合に相談を持っていくのも手です。

<労働条件ホットライン>

電話番号:0120-811-610

月・火・木・金:午後5時~午後10時
土・日:午前10時~午後5時

<総合労働相談コーナー>

労働局や労働基準監督署内

平日午前8時30分~午後5時15分

バイトを辞める連絡は電話で大丈夫!できれば対面で伝えて

バイトを辞める際の電話連絡の方法やスムーズな伝え方、引き留めが激しい場合の対処方法についてご紹介しました。

法律的には、辞める日の2週間前までに辞める連絡を入れれば大丈夫ですが、学生時代の活動範囲は狭いもの。できれば円満退職に持ち込みたいですよね。辞める連絡をするタイミングや退職理由などは、バイト先に迷惑にならないように配慮しましょう。

何の連絡もなしに突然辞めてしまう、いわゆる「バックレ」は絶対にNGです。辞めたいなと思ったら、早め早めの対応を心がけましょう。

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