- 開催日時
- 2021年01月27日(水) 10:00〜17:30
- 開催場所
- ご参加いただける方にのみ1月22日(金)頃にZOOMミーティングURLを送付致します
- 募集人数
- 18名
- 申込締切
- 2021年01月27日(水) 10:00
アニメーターになるには? 専門学校には行くべき? 気になる雇用形態や年収もチェック 2ページ目
アニメの放送スケジュールがありますので、それに合わせて制作は進行します。つまり締め切りがあるわけで、限られた時間の中でアニメーターは動画制作をしているのです。スケジュールがタイトですと、なかなか家にも帰れないといった事態も発生します。ですから、忍耐強く仕事をこなし、また体力がないと務まらないのがアニメーターです。
また、残念なことにアニメーターのお給料はいいとはいえません。制作会社、スタジオと正社員、また契約社員として雇用契約を結び、仕事をすれば、普通のサラリーマンのように固定給となりますが、制作会社(あるいはスタジオ)に所属という立場ですと、これは「フリーランス」になってしまいます。アニメーターの場合、このフリーランスの人が圧倒的に多いのが現実です。
フリーランスの場合は給料は歩合制になります。1枚描いて、また1カット描いていくらというものですので、描けば描くほどお金はたくさんもらえますが、単価がとても安いのです。また、1カット描いて4,500円であっても、そこに原画が何枚必要かで原画マンの描かなければならない絵の枚数は変わりますね。
通常1枚で済むことはない(止め絵なら別です)ので、例えば5枚必要なら1枚当たりの単価は900円、10枚必要なら450円になってしまいます。さらに、いくら能力があったとしても、人間が単位時間当たりに描ける絵の枚数には限度があります。いくら無理をしても収入の限界が見えているというのは苦しいことです。
『日本アニメーター・演出協会』(JAniCA)の調査によりますと、アニメ制作者の平均年収は「332万8,300円」となっています。日本のサラリーマンの平均年収が約400万円といわれますから、平均よりも約70万円は低いことになります。
また同調査の「仕事上で自己負担になっているもの」という支出項目を見ると「仕事場所の使用料」があります。これはフリーランスのアニメーターの場合、仕事場所であるスタジオにその使用料を支払わないといけないというもの。自由記述では「仕事場所の使用料が年収の3割。原画4,000円なら1,200円の負担」「仕事場所の使用料:給与の1割」といった回答もあったようです。
データ出典:『日本アニメーター・演出協会』の「アニメーション制作者 実態調査報告書2015」
http://www.janica.jp/survey/survey2015Report.pdf
アニメーターになるにはどうすればいいかについて解説しました。日本はクールジャパンと銘打ち、アニメを世界に誇れるコンテンツとしていますが、制作現場ではアニメーターのみなさんが薄給で働き、それを下支えしているのが現実と言えるでしょう。いくら情熱があっても、生活が苦しいとその情熱もすり減ってしまいます。確かに、アニメーターとしてアニメの制作に参加できることには夢がありますし、自分の描いた絵が動き、視聴者に喜んでもらえるのでやりがいのある仕事です。ですが、アニメーターを目指す人は現場の現実についても知っておいたほうがいいでしょう。
(高橋モータース@dcp)