テレビ番組のおもしろさを支える影の立役者! 現役大学生放送作家・芝尾拓純さんインタビュー 3ページ目
――芝尾さんはいわゆる“ゆとり世代"だと思うのですが、お話を聞くと全くそんな感じがしませんね。ゆとり世代には珍しいタイプなのでは?
よく言われます(笑)。サークルや飲み会に参加して、大学生活を謳歌している人は多いと思います。だからこそ、ちょっとがんばってそれ以外のこともやれば、他の人より簡単に一歩先に進めますよね。締め切りが続いたり、あまり眠れなかったりと、大変なこともありますが、好きなことをやれる環境にいるので、満足しています。
――どんな時に、やりがいを感じますか?
自分が携わった番組名の、エゴサーチをするときです(笑)。SNSで「昨日の番組のあのネタがおもしろかった」と、自分が挙げたネタが書かれているとうれしいですね。あとは、友達が番組を見ていて、おもしろかったと言ってくれるときです。放送の翌日に大学へ行って話題になっていると、誇らしい気持ちになります。
テレビ番組はよい人間関係を築くツールだと思っています。テレビを見て、翌日学校や会社へ行って、「昨日の観た?」というように、会話のきっかけになるから、人と人を繋ぐことになりますよね。そんな様子を見ると、自分の仕事が、世の中のためになっているなぁと思います。
■目指す将来は「人のため」、そして「一生分稼ぐ!」
――今、大学3年生ということですが、そろそろまわりは就職活動を始める頃ですよね? 就職はしないのですか?
企業に就職するかどうかはまだわかりませんが、就活はします。やはり就活は今しかできないことだし、みんながやっていることをやらない理由もないですよね。テレビ局や制作会社、広告代理店が中心ですが、銀行など金融機関も受けてみたいです。せっかくなので、気になる会社や業界は全部見たいと思っています。企業に就職をするのか、このまま放送作家の仕事を続けるのか、決めなくてはならないときが来たら、その時に決断します。
――最後に、今後の目標を教えてください。
早く一生分を稼ぎたいです(笑)。放送作家としては駆け出しで見習いのようなものですが、がんばれるうちにがんばりたいし、がんばりが反映されるのでやりがいがあります。放送作家は自営業だし、自由な職業だからなんでも経験しておきたいですね。
あとは、「番組」という形になるかわかりませんが、自分の作ったものを海外でも展開したいです。素人を一夜で有名人にするようなオーディション番組がありますが、あの番組の構成はいろいろな国で展開されていて、いつもは政治的に対立してしまうような宗教や、差別を引き起こすような人種の違いも越えて、みんなが楽しみに観ているんですよ。これはすごいことだと思うんです。私もそんなものづくりをする人になって、世界中の人たちを楽しませたいと思っています。
【芝尾拓純(しばお・たくみ)さんプロフィール】
都内の大学に通う、現役大学生放送作家。経営学部で会計やマーケティングなどを勉強しており、現在大学3年生。そのかたわら、お笑いの養成所で1年間放送作家の勉強をする。修了後、放送作家として活躍中。
取材・文 長谷川鴨子