「社会経験」はバイト以外から学ぶ?! 大学生が必ずしもアルバイトをしなくていい理由3選【学生記者】 2ページ目
続いては、「必ずしも社会経験のためにアルバイトをする必要はない理由」について説明します。
(1)「社会経験」は社会人の必須条件ではないから
社会経験こそ、社会人として成長するために必要である...…そう考えている人も多いかもしれません。たしかにその通りで、社会のことを知る一つの手段として、アルバイトでさまざまな経験をすることは、自分のためになるでしょう。しかし、社会経験は、社会人として必須条件であるわけではありません。参考として、「今の企業がどんな能力を学生に求めているのか」の調査結果を見てみましょう。
一般社団法人 日本経済団体連合会が2014年の1月に実施した「新卒採用(2013年4月入社対象)に関するアンケート」では、「選考にあたって特に重視した点」として、「コミュニケーション能力」が86.6%と大きな割合を占めています。
また、マイナビニュース キャリアの「就活生に求められる5つの能力とは」の記事では、
「問題解決能力」「論理的思考力」「主体的行動力」「リーダーシップ」「ストレスコントロール力」の5つが重要です。今完全に身についていなくても、会社に入ってから発揮できる可能性があるかをみられています。
(引用:マイナビニュース キャリア-「就活生に求められる5つの能力とは」)
と述べられています。
よって、「現場で社会経験をもとに即戦力で働けるかどうか?」という評価軸ではなく、「その企業に入って成長できるポテンシャルがあるかどうか?」を重視しているということです。社会経験が自分のポテンシャルを向上させる一つの方法としてあげられるのはもっともですが、「アルバイトをしていたこと自体」が評価されるわけではありません。
大学生がアルバイトをすることによって得られる経験に関しては、企業に入ってからでも、また、アルバイト以外の活動でも得ることができます。よって「アルバイトをしていない」ことは大きな「欠点」になるわけではありません。
(2)先行投資と機会費用から考えて、大学生活の時間は大切だから
たとえば、大学1年間で学費としてかかる費用は、国立大学の場合で約53万円ほどです。私立大学の場合ですとその倍になります。大学に在籍し、さまざまな学問を学ぶことは「先行投資」と表現されることもありますね。先行投資とは、「未来の自分のために、いまお金をかけている」ということです。未来のために投資するべき貴重な大学生活をアルバイトのためだけ費やすのは、決して得策とはいえません。
たしかに生活費を稼ぐために必要なことですし、そのためにアルバイトをするのであれば、楽しくこなすことが大切です。筆者も多くのアルバイトをしてきましたが、楽しい瞬間がたくさんありました。しかし、アルバイトだけに時間を費やすのではなく、もっと広い可能性をもって大学生活を送るべきであることに変わりはありません。「アルバイトをするな!」ということではありませんが、もしなんとなく「アルバイトをやるべきかな」と悩んでいるのであれば、その時間を自分のしたいこと、チャレンジしたいことに使ってみるのもいいでしょう。
「時間は主体的に使うこと」は、社会で求められている「主体的行動力」を向上させることにもつながります。周りに流されず、自分が使うべきだと思うことに時間を使いましょう。そのためには、「機会費用を長い目で考える」ことが必要です。
※「機会費用」とは?
機会費用は、「オポチュニティーコスト」とも呼ばれ、ある行動を選択することによって失われる、他の選択可能な行動のうちの最大利益を指す経済学上の概念をいいます。これは、ある行動を選択した場合、実際に選択しなかった他の行動は実現されないことから、仮に選択しなかった他の行動をした場合に得られたであろう利益が犠牲になっていることを意味します。(引用:iFinance-機会費用)
要するに、自分が選んだ行動で失われる利益を常に考えながら行動するということです。あなたが先行投資である大学生活でなにをしたかということは、将来にその利益も損失も回ってくるということになります。長い目で、「この行動は得なのか、損なのか?」と考える癖をつけましょう。自然と「なんとなく」という考えは消えていくはずです。
(3)「社会経験」と呼ばれるような経験は、実はアルバイト以外でも得られるから
「社会経験」「社会勉強」と呼ばれるものは、アルバイトだけで得られるというわけではありません。たとえば、(1)実務と忙しさ (2)お金を稼ぐ楽しさ というポイントでいえば、現在はテレワークやクラウド化によってオンラインで仕事をする方法が増えています。お金を稼ぐことに加えて、具体的にプログラミングやライティング技術などのスキルを身に着けたいことがメインであれば、そういった「クラウドソーシング」を活用するのも一つの方法です。
また、人脈づくりでいえば、地域のイベント・セミナーに参加することや、学生団体やNPO、ボランティアに参加するといった選択肢がありますし、そのような団体では、金銭的な利益はなくとも「目標達成」のための責任感を感じることができます。学生生活中にやっておくべきことはたくさんあります。あせる必要はないですが、着実にしておくべきことを整理してみましょう。
キャリア、就活という観点からみても、「なにをしたか」ではなく、「自分の経験から何を引き出して話すことができるか?」が大切です。「経験した具体的なものごとありき」で自分に自信を持ってしまうと、他の環境で活躍することはとても難しくなってしまいます。なぜなら「その場限り」の経験を利用することが大切なのではなく「その経験から何かを応用していくポテンシャル」が、社会から求められるスキルだからです。
いかがでしたか? アルバイトによって得られるものと、アルバイトをしなくても理由について、今回はご説明しました。大学生活中の選択肢は、アルバイトだけではないことがわかっていただけたのではないでしょうか。大切なのは、「なんとなく」という考えをなくしてしまうことです。不安にかられたり、周りに流されたりということは誰にでもあることですが、しっかりと自分の中に「価値観」をもって学生生活を過ごしてみてくださいね。
文:IKIKATA
IKIKATAはジブンに適した生き方を「知る」「学ぶ」「実践する」情報メディアです。悲しいときは楽しくなる話を、楽しいときはもっと楽しくなる話を。山形の学生が立ち上げた株式会社アダビトが運営を行っています。 http://pras.wp-x.jp/
プロのマナー講師監修!学生生活のメールや電話でのコミュニケーションに役立つ
『メール&電話例文完全テンプレート集』配布中!
▼無料ダウンロードはコチラから▼