冬でも楽しめる! 100円ライターでプチ線香花火を見よう【立教理科工房の実験シリーズ 第2弾】【学生記者】 2ページ目

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■なぜ線香花火のようになったのか


理由を知るためには、まず、線香花火の仕組みから理解しなくてはいけません! とは言ってもとても簡単なものです。線香花火の火薬の中には鉄粉が含まれていて、これが激しく燃焼することで、パチパチという破裂音を出しながら火花として飛び出すのです。金属も小さい粒にしてしまえば、空気と触れ合う面積が増えるので、簡単に反応してしまいます。

ライターもだいたい同じ仕組みで、ライターに入っているフリント(下図)はセリウム約7割、鉄約3割で作られた合金で、比較的低い温度で燃焼してしまうことが知られています。

フリントをヤスリで勢いよく削ることで、摩擦熱によって粉末が激しく燃焼します。実験で最初、ヤスリをゆっくり回したのは、燃やさずに粉末を溜めるためだったわけですね。燃え切らなかった粉末は、炎の上昇気流に運ばれて、高い場所で燃焼します。

■線香花火から工業技術へ!


これだけで終わってしまうとライターで遊んだだけになってしまいますから、せっかくですし線香花火をもう少し科学してみましょう! 線香花火の火花は松葉模様と呼ばれるように途中で分かれて見えますが、実はこの模様は内包されている鉄粉の性質によって明確に決まってしまいます。鉄粉内の炭素の含有量が多いほど、松葉は多く分かれることが知られています。

実は、過去の金属加工の分野ではこのことを利用して、材料を削ったときの火花の形や色から金属の種類を判断していたそうです!今は検査機械が普及していますが、この火花試験法はJIS規格にもなっている立派な検査方法なんですよ! 正確な判断には、熟練工の目がどうしても必要だったようですが……。

■最後に

どうでしたでしょうか。線香花火という単純なものに焦点を当てただけで、思わぬところで身近な物や本格的な工業分野まで、いろいろな話題に繋がってしまうことが分かっていただけたことでしょう!

世の中にはまだまだ他にもこうした見えないところで繋がっている現象があります。普段からほんの少し意識することで世界の新たな仕組みが見えてくるかもしれません。私たちの活動が、あなたの知的好奇心をくすぐるきっかけになることができたら嬉しいです!

<大学生のまずこれステップ>
1.紹介した線香花火の実験をやってみる
2.「火花」が実は過去の金属加工の分野で検査に利用されていたということを知る
3.世の中にある見えないところで繋がっている現象を読み解こうとする知的好奇心を持つ

文・立教理科工房 Eka

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