ファイナンシャルプランナーに聞いた! 本当は怖い大学の奨学金事情

学生の窓口編集部

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日本では、『独立行政法人 日本学生支援機構』(JASSO)の奨学金制度を利用している人が多いですね。この奨学金は、給付型ではなく返済の必要なローンです。借りた奨学金を返済できない人が増えているとニュースになる昨今ですが、お金のプロからはこの問題はどのように見えるのでしょうか!? FP(ファイナンシャルプランナー)の前野彩先生にお話を伺いました。

――奨学金の返済に困る人が増えているという話がありますが。

前野先生 まず、ほとんどの人はきちんと返済されていますし、また家計が苦しい人でも一生懸命返しているケースが大多数でしょう。奨学金制度を利用するときに、親御さんが「これはローンで、自分で返さなくてはならないもの」と、きちんと説明しておかないといけないと思います。実際、奨学金に関するアンケートでは、「奨学金の返還条件や滞納リスクを十分に理解していないまま借りた」という人が4割※という結果になっています。これらの人が社会人になってから返済に慌てる、また返済を考えないで生活設計をすると困ったことになるのではないでしょうか。

⇒※データ出典:労働者福祉中央協議会 「奨学金に関するアンケート調査(概略版)」
http://www.rofuku.net/network/activity_img/tottori20160301101822.pdf

もちろん、どうしても職が得られなかった、また病気のために働けないといった人もいらっしゃって、それで奨学金の返済ができないケースもあるでしょう。その場合には、日本学生支援機構に相談してみることをおすすめします。

――問題点はどこなのでしょうか。

前野先生 個人的な意見ですが「奨学金を何に使っているか」が問題なのではないでしょうか。奨学金とはそもそも「学費」やその関連費用に充てることが主な目的であり、自分の自由になるお金ではありません。でも、学生本人の口座に振り込まれますから、借金であるという認識が持ちにくいですね。つい遊興費に使ってしまう……といったことがあると、気付かないうちに、借金で遊ぶことになってしまいます。繰り返しになりますが、返済義務のある奨学金制度を利用している場合には、返さなくてはならないお金であるという点をきちんと認識しておく必要があります。

――JASSOの提供している奨学金制度は低金利ですが。

前野先生 1カ月の返済金額は、多くの場合1万円-1万5,000円といったところでしょう。大卒の初任給が額面20万円ぐらいだとすると、手取りが16万円前後になりますから、家賃の高い東京で暮らしている人にはぎりぎりの生活になるかもしれません。
生活が苦しい場合には、月に1万円近く支払っている携帯電話代を見直すなど、返済のために携帯電話の契約を見直すといったことも有効だと思います。

――家計の相談をする人の中に、奨学金の返済で困っているという人はいますか?

前野先生 負担に感じている方はいらっしゃいますが、みなさんきちんと返済されています。また、奨学金の返済で困っているということではなく、住宅ローンの返済など、家計の中の借入金の一つとして相談されるので、奨学金の返済だけに困っているということはないですね。夫婦で家計の相談に来られて、2人とも奨学金の返済をしている、といったケースもめずらしくはありません。しかし、みなさんがんばって返していらっしゃいますよ。

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