圧倒的なスケールで江戸を満喫! 大学生からのアートのはじめかた「江戸東京博物館」編

編集部:すい

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大学生のみなさんは、美術館や博物館に対してどんなイメージがありますか? 「堅苦しい」「難しそう」といったイメージを抱いている人が多いかもしれませんね。 しかし、テーマパークのように気軽に楽しめる美術館や博物館が、東京にはたくさんあるのです。そこで今回は、博物館初心者でも楽しめる『東京都江戸東京博物館』をご紹介します。

江戸文化や当時の生活様式が学べる博物館

江戸東京博物館は東京都墨田区にある、相撲で有名な両国国技館のすぐそばの博物館です。1993年に「江戸と東京の歴史や文化を伝える博物館」として開館し、日本国内だけでなく、海外からの旅行者にも非常に人気が高い博物館です。


今回は、この江戸東京博物館を大学生の平井こころさん、山川由起子さんと一緒に回り、江戸と東京の歴史や文化を学んでみました!

――お二人は江戸東京博物館に来たことはありますか?


一度来たことはあるのですが、そのときはタイミングが悪く、館内の改装中で限られたエリアしか見られませんでした。今回はしっかりと楽しみたいです!

私は初めてです。普段、博物館などあまり行かないので、どんな展示があるのか楽しみです!


――今回は通常の展示エリアだけでなく、期間限定の展覧会などもあるので、じっくり見て回りましょうね!

当時の日本橋を再現! 運がよければ公式キャラクターにも会える!?

広報の大田茜さんの案内で、約9,000平方メートルもの広さの常設展示室を見学します。6階の入口に入ると、まず目の前に現れるのは復元された原寸大の「日本橋」です。


この橋は当時のものとサイズは一緒なのですか?

長さは半分ですが、幅は当時と同じ寸法です。橋の欄干飾りである擬宝珠(ぎぼし)や柱の模様なども忠実に再現しています。


これが擬宝珠なんですね。あ、ここに何か書いてある!

これは「彫印」といって、誰がこの橋を作ったのかが分かるように大工の名前などを彫ったものです。この彫印も実際のものと同じになっています。


本当に忠実に再現されているんですね!


何かいるよ!

え、すごいかわいい!

「ギボちゃん」という当館の公式キャラクターです。さっき見た擬宝珠がモチーフのゆるキャラなんです。

だから「ギボ」ちゃんなんですね! たしかに形も擬宝珠になってる!

ギボちゃんは夏休みやお正月のイベントのときなどに登場するので、タイミングが合えば一緒に撮影もできますよ。



平井さんと山川さんもギボちゃんと一緒に写真撮影!


かわいいから絶対人気だろうなぁ。

江戸の街並みを模型と実寸大で体感!


ギボちゃんと別れた後は、6階・江戸ゾーンに展示されている江戸時代の町の様子を再現した模型を見学。これは江戸時代初期の日本橋付近の町の様子を1/30スケールで再現したものです。

この模型には数え切れないほど多くの人形が並んでいます。これらの人形の服装も、当時の風俗を描いた国立歴史民俗博物館所蔵「江戸図屏風」などの資料を元に建築史、風俗史、民俗などの考証を行って再現されたものです。人形の種類も武士や一般の町人から、魚を売っている人、力士までさまざまな人がいます。

同じくらいの目線の高さで見るとおもしろいですね!

双眼鏡で見ると、人形の表情や仕草など細かいこだわりまで見ることができて、より楽しいですよ。そして、こちらは当時の大名屋敷の模型です。


大名屋敷も先ほどの日本橋付近の町と同じ縮尺で造られています。それと比べると、いかに大名屋敷が広大な敷地に立つ大きな建物だったのかがわかりますね。

門の大きさもすごいですよね。町に立っていた人形と比べると本当に大きい!


これは駕籠(かご)ですか?

そうです。江戸時代に大名の奥方や姫君が外出する際、実際に使用されていた女乗物を展示しています。

美しい装飾が施されているんですね!
内部も花鳥図が描かれているなど、かなり細かい部分にまで装飾が施されています。実際に入ることができる復元した駕籠(参勤交代で大名が乗るもの)と比べてみると、かなり違うことがわかると思います。


駕籠に乗ってパシャリ!

江戸の生活をアトラクション形式で学ぶ

続いて5階の江戸ゾーンへ。ここは江戸時代の長屋の原寸大の模型などがあり、当時の暮らしぶりを学べるエリアになっています。


「棟割長屋」(江戸東京博物館提供)


ここでは江戸時代の長屋を復元しています。大工の家や寺子屋など、その内部はさまざまですが、内装や道具も忠実に再現しているんです。



「棟割長屋(寺子屋師匠)」(江戸東京博物館提供)


あっ! ちゃんと人形が勉強してるよ!

こうした形の展示だと、その時代の生活様式がわかりやすくていいね。


寿司の大きさも江戸時代のもの。現在の2倍の大きさだったそう。

他にもこのゾーンには、浮世絵を売っているお店や寿司屋台など、江戸時代の庶民の生活が学べる復元展示物がたくさんあります。江戸時代の火消しが使っていた纏(まとい)など、実際に持ったり触ったりできる展示もありますよ。

やってみたいです!


平井さんが持ち上げる纏は当時のものと同じ15キロの重さ!


次は「棒手振り(ぼてふり)の売り物」の持ち上げに挑戦!
かなり重かったようです。


14キロの千両箱は意外と軽い? お金の力でしょうか!?


こうした体験のできる展示物は楽しいね!

当時の人たちがこれらと同じ重さのものを持って生活していたんだと想像すると、本当にすごいと思う!


19世紀の初期にあった芝居小屋「中村座」


原寸大の復元模型である「中村座」の前では寄席やイベントが行われ、多くの人でにぎわいますよ。

そうなんですね! 寄席も観てみたいなぁ!

わぁ、見上げるとすごい迫力……! こういうのを見ると、江戸って感じがします。


江戸ゾーンには他にも「芝居と遊里」と名付けられたコーナーもあり、「東海道四谷怪談」の舞台の仕掛けが見える模型などが展示されています。この模型は毎時00分、15分、30分、45分になると動くので、そのタイミングを狙って訪れてみてもいいでしょう。

東京の文明開化を追ってみよう!

江戸ゾーンの中村座を離れ、日本橋の下をくぐり抜けると一気に近代日本の風景に!


急に時代が変わりましたね!

この変わりようはちょっと驚きです(笑)
向かって左の通路には「江戸から東京へ」という、幕末の様子を展示しているコーナーもあります。次回はぜひご覧になってくださいね。 ここからは「東京ゾーン」です。江戸時代から明治になり、町並みや人々の生活が変化していく様子を展示しています。このエリアに置かれている人力車や自転車は実際に乗ることもできますよ。


ガラス張りの床の下に建物がある!


「鹿鳴館」の模型です。これも1時間に3回模型が動き、館内の装飾や舞踏会で踊る人形の姿を見ることができます。



「鹿鳴館」(江戸東京博物館提供)
時間になると館の屋根がスライドし、上から中の様子が見えるようになります。

現在はなくなってしまった建物なので、残されている写真や図面から復元しました。このエリアは「ニコライ堂」など、時間によって動く模型の演出がされているのが特徴です。


「ニコライ堂」は内装や中の様子が見えるように正面が開く仕組み。


模型が動くのは見ていて楽しいですし、動く時間まで待っている間もワクワクしていいですね!

鹿鳴館はとてもきれいだったので、みなさんにも実際に動いているところを見てほしいです!

昭和から現代へ……時代の流れを学ぶ展示

華麗に動く模型が並ぶ明治時代のエリアの次は、大正から昭和、そして現代へと続くエリアに入りました。

こちらのエリアには明治、大正と人気を誇った凌雲閣の模型を中心として浅草のにぎわいの展示、その後の関東大震災と復興、昭和初期のモダン東京の展示など、紹介しきれないほどたくさんのみどころがあるんです。


「戦時下の住まい」(江戸東京博物館提供)

文明開化で豊かになっていった東京は、1923年(大正12年)の関東大震災で壊滅的な影響を受けながらも、1930年(昭和5年)には近代都市へと復興を遂げ、人口も面積も世界と肩を並べる大都市へと発展しました。

その後、1940年頃から戦時下の暮らしがはじまり、1944年から45年、東京は空襲によって再び焼け野原となりました。ここでは東京大空襲直前の戦時下の暮らしを展示する住居や、1945年3月10日の大空襲の際、焼夷弾の熱で折れ曲がった、浅草にあった国際劇場の鉄骨、不発弾の模型などを展示しています。


空襲で折れ曲がった鉄骨


鉄骨がこんなにも変形してしまうほど激しい爆撃だったのですね……。

実際に目にすると、戦争の怖さを実感します。
1982年(昭和57年)に閉鎖した浅草の国際劇場が解体されたときに発見されました。
そして戦後、日本は空襲により壊滅的な状態から奇跡的な高度成長を遂げます。ここでは高度成長期である昭和30年代の日本の住宅の模様を展示しています。こちらは「ひばりが丘団地」の一室の復元です。


「ひばりが丘団地」(江戸東京博物館提供)


なんだか懐かしい雰囲気!

おばあちゃんの家がこんな感じでした。

こんな洗濯機は初めて見ました!


あのハンドルは……何に使うのかな?

あれは洗濯物の水切りのために使ったんですよ。

最後は、「現代の東京」です。1960年代から2000年代までを10年ごとに5つに分け、時代ごとの生活や文化を象徴するモノや事象の展示を行っています。みなさんが懐かしいと思うものもあるのではないでしょうか?

あ、給食! 80年代の給食の牛乳は紙パックじゃなくて瓶だったんですね。

私たちは1990年代の終わりからしかわかりませんが、懐かしいものがたくさん展示してあるのでおもしろい! けっこう盛り上がるね(笑)

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