歴史あるアール・デコ様式を堪能しよう! 大学生からのアートのはじめかた「東京都庭園美術館」編 2ページ目

編集部:いとり

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若い世代も気軽にアートを学べるイベントも開催

館内の部屋や芝庭を見学した後は、8月31日まで開催されている、「こどもとファッション ―小さい人たちへの眼差し」という展覧会のギャラリートークに参加してみました。この展覧会は18世紀から20世紀初頭にかけての西洋の服と、明治以降の日本の洋装こども服やこどもが描かれた絵画、ファッションプレート、絵本、写真などを展示しています。

この展覧会を担当している東京都庭園美術館学芸員・八巻香澄さんが、160点以上ある貴重な展示物を見ながら、子供服の変遷をわかりやすく説明してくれます。

「女の子は幼児期でもコルセットを装着し、大人と同じような振る舞いが求められた」「男の子は幼児期にはドレスを着ており、5歳までは男性としては見られていなかった」など、服が作られた時代ごとの「子供が大人からどういった存在に見られていたのか」「大人からどう扱われていたのか」といった、歴史的な背景を聞くことができました。


撮影: 黒目写真館

新館ギャラリーでは、1700年代から1900年代にかけての西洋の子供服を時代ごとに展示。また、日本で「洋服が一般化」するまでの大正時代から昭和時代前期にかけての服や資料も展示しています。


撮影: 黒目写真館

こちらでは、かつては大人用とあまり変わらない作りだった子供服が、年代が進むごとに現在のような開放的なスタイルになっていく流れを知ることができます。また、日本の子供服の展示では、年代が進むごとに洋服が日本になじみ、動きやすく、作りやすくなっていく過程が分かりやすく学べました。こうした「服を通して社会背景を知ることができる」のも、今回の展覧会のおもしろい点です。

この展覧会では、子供服の他に古い時代の「スゴロク」の展示も行われています。現在とは全く違うテイストのスゴロクの数々は珍しく、魅力的です。

また、本館1階のウェルカムルームでは、この展覧会をより深く楽しむためのプログラムが用意されています。

「フォトプロップ」のコーナーには、展示されている昔のこども服をプリントした、15センチほどのサイズの紙を用意。これをカメラのレンズに近い場所に置いて撮影することで、遠近法を利用して「本当にその服を着ているような写真」を撮影することができます。

このような遊び心のあるプログラムがいくつも用意されているので、若いカップルでも子供連れでも、幅広い人から人気を集めているのです。

実際に見ることで学べることがたくさんある!

――二人は初めての庭園美術館ということですが、アール・デコ様式の館内はいかがでしたか?



どの装飾もとってもきれいでした! 特に玄関入り口のガラスレリーフの扉は、最初ガラスだと思わなくて驚きましたね。


あまりアートは詳しくなかったのですが、学芸員さんの話を聞きながら回ることで、アール・デコを分かりやすく学ぶことができたので楽しかったです!


――たしかに、実際の様式を見ながらだと分かりやすいですね。



実際に建物のデザインを見ながら解説が聞けるのはいいですね。「こういうのがアール・デコなんだ!」とすんなり理解できました。


――芝庭もきれいでしたよね。



とてもきれいでした! 夜の庭園も雰囲気があって、魅力的ですね。立地的にも、デートとかに使えるかも! と思いました。


――館内見学の後は、「こどもとファッション ―小さい人たちへの眼差し」のギャラリートークに参加しましたが、こちらはいかがでしたか?


最初はファッションに関するギャラリートークということで、「難しいのかな?」と思いましたが、説明が分かりやすく、楽しんで学べました。美術館と聞くとちょっと堅苦しいイメージがありましたが、こうした形で学べるのなら、また行ってみたいなと思います!

社会的な背景を、子供の服を通して学べたとことに感動しました。アートを見ても、なかなかその背景までは分からないものですが、ギャラリートークや体験型のプログラムを体験してみて、こういう学び方もあるんだなと面白かったです!

あと、子供服について学ぶことは、これから子供を持つ若い世代、特に女性に重要なことなのではないかとも思いました。この経験は必ずどこかで役立つんじゃないかなって。同じ大学生の女の子に薦めたい展覧会です!

――本日はありがとうございました。

アール・デコ様式がわかりやすく学べる東京都庭園美術館。きれいな庭や、その庭が見渡せるカフェでのんびりと時間を過ごすのもおすすめです。11月の紅葉の時期にはライトアップも予定されています。さらに、11月の25、26、27日の3日間は20時までの夜間開館も実施。この機会に、ぜひ東京都庭園美術館を訪れてみてはいかがでしょうか?

また、「こどもとファッション ―小さい人たちへの眼差し」は8月31日まで開催中。ギャラリートークは8月19日(小学校高学年向け)、8月26日(乳幼児とその後家族向け)に開催予定です。詳細は公式サイトでご確認ください。

●東京都庭園美術館

開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) ※夜間延長開館日は21時まで
休館日:毎月第2・第4水曜日(休館日が祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始
入館料: 展覧会により異なる。
庭園入場料:一般100円(80円)、大学生(専修・各種専門学校含む)80円(60円)、中・高校生・65歳以上50円(40円)
※( )内は20名以上の団体時の料金、また小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料
http://www.teien-art-museum.ne.jp/

instagram公式アカウント: https://www.instagram.com/teienartmuseum/
スマートフォンで美術館をもっと楽しめる「東京都庭園美術館公式アプリ」 無料でダウンロードしていただけます。

●「こどもとファッション -小さい人たちへの眼差し」 8月31日(水)まで

入館料:一般:1,100(880)円、大学生(専修・各種専門学校含む):880(700)円
中・高校生・65歳以上:550(440)円
※( )内は20名以上の団体時の料金、また小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料。
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/160716-0831_children.html

●「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス –さざめく亡霊たち」
※同時開催「アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間」

9月22日から、フランスの現代美術界の巨匠クリスチャン・ボルタンスキーの展覧会が開催されます。ボルタンスキーの個展は東京では初となります。同時にアール・デコの意匠が見事な旧朝香宮邸そのものを鑑賞する建物公開も同時開催されます。

開催期間:2016年9月22日~2016年12月25日
入館料:一般:900(720)円、大学生(専修・各種専門学校含む):720(570)円
中・高校生・65歳以上:450(360)円
※( )内は20名以上の団体時の料金、また小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料。

11月の25、26、27日の3日間は20時までの夜間開館を実施。
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/160922-1225_boltanski.html

「東京の美術館をもっと楽しみたい!」という方には、「東京・ミュージアム ぐるっとパス2016」の活用がおすすめ。これは一冊2,000円で、東京都庭園美術館を含む都内79の美術館や博物館等の入場券、割引券がセットになったお得なチケットブックです。東京都庭園美術館の近くには、このパスが使える国立科学博物館付属自然園、目黒区美術館などもあります。これを機に、都内の美術館・博物館をとことん楽しんでみてはいかがでしょうか。

東京のアート情報はコチラで検索!
https://tokyoartnavi.jp/

(中田ボンベ@dcp)

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