海外留学先でのよくあるお悩みってどんなもの? 留学のプロに聞いてみた! 2ページ目
――他にはどんな相談事が多いですか?
関根さん 行ってから質問が多く寄せられることが分かっていますので、行く前にしっかり日本でお伝えしておくことがあります。
――なんでしょうか?
関根さん 「ホームステイ先での過ごし方」についてです。実際に行ってみないと、ホストファミリーがどんな人たちなのかは分かりませんが、ホームステイでよくある相談事については、日本にいる間に留学する皆さんにアドバイスをしておきます。
――どんな相談事が多いのでしょうか?
関根さん 例えば、
・夕ご飯がまずかったらどうしたらいいですか?
・ホストファミリーと合わなかったらどうすればいいですか?
・シャワーをどのくらい浴びていいんですか?
といったことですね。ここをしっかり説明しないで留学に行かせてしまうと、見事に問題となって悩んでしまいます。
――なるほど。「夕ご飯がまずかったらどうしたらいいですか?」という相談に、どんなふうにアドバイスするのですか?
関根さん まず「夕ご飯がまずかった場合、あなたはどう反応しますか?」と聞いてみると、だいたい「我慢して食べる」という人が多いんですよ。「せっかく作ってくれたものを残すのは悪い」「居候しているので文句は言わない」という日本人の価値観があって、何も言わない場合がほとんどでしょう。
しかし、英語圏のコミュニケーションスタイルとして「何も言わない = 満足している」ということになってしまうので、意思表示をしないことが最もいけません。
「今食べた夕飯は自分にとって好みじゃない」
「多すぎる」「少なすぎる」
「今後はもっと違ったものを食べたい」
といった自己主張をすること。そこで初めて道が開けます、というアドバイスをします。
――わかりますが、日本人にとってはけっこう高いハードルかもしれませんね。
関根さん そうですね(笑)。日本人の場合、ありがちなのが「ずっと我慢してため込んで、ある日感情が爆発する」というやつです。普段から自分の主張を行っていればため込むこともありませんが、日本人にとっては、特に外国でそうすることは難しいことです。
■まず自分から伝えること!
――ホストファミリーと合わないという場合も同じでしょうか?
関根さん はい。「合わない」というのが非常にあいまいですよね。一方で英語圏では、「何が合わないのか」を具体的にしていくことがコミュニケーションです。
合わない点が何なのかを具体的に話し合いましょう。それがクリアになったら、今度はどうすれば合わせることができるのかを話し合いましょう、というアドバイスをします。英語圏のコミュニケーションは、このようにお互いに意見を言い合うことで道を開きます。皆さんはそれを学ぶために留学するんですよ、とお話ししますね。
――これは重要な点ですね。
関根さん 「合わない」と感じると留学生がホストファミリーを避けるようになって、最終的に部屋に引きこもったり、そこで爆発して「ホームステイ先を変えてください」となるパターンが多いのです。まず「自分から伝えること」です。実は、これができると、ホームステイの問題はほとんど解決するのです。
――なるほど。素晴らしいアドバイスですね。ありがとうございました。
留学生の相談で最も多いのは「英語の学び方」についてなのですね。少し意外な感じもしますが、現地では英語で英語を学ぶという、日本での学び方とは違う方法になりますから、このような相談事が多くなるのは当然なのかもしれません。関根さんの「まず、自分から伝えること」というアドバイスは、英語を習得する上での金言ではないでしょうか。これから留学を考えている皆さんは、ぜひ参考にしてください。
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