アメリカの奨学金事情はどうなっているの? 日本の制度と比較してみた!

学生の窓口編集部

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皆さんの中には、奨学金を受けて大学に通っている方もいるのではないでしょうか。

日本学生支援機構の「平成30年度 学生生活調査結果」によれば、国立大学で「43.1%」、公立大学で「53.3%」、私立大学で「48.0%」の大学生が奨学金を受給していることがわかります。

では、アメリカでの奨学金事情はどうなっているのでしょうか?気になりますよね。

そこで今回は、アメリカの奨学金事情と日本の奨学金制度を比較した内容をお届けします。

国による違いをのぞき見して、ぜひ奨学金や学費についてじっくり考える時間を設けてみてください。

日本の奨学金のほとんどは「借金」だった!


大学に通う学生の4~5割ほどが利用する奨学金。

英語では「scholarship(スカラーシップ)」と呼ばれ、日本では「奨学金」と訳されることから、公的機関から支援を受けていると思いますよね。

残念ながら、現在日本で言う「奨学金」はほとんどの場合「loan(ローン)」であって、返済義務を要する借金と同じようなものとなっています。

他の金融機関が提供する貸金サービスと比較して、金利がないものまたは低金利ではあるものの、実態は金融機関などで借りるような

  • ・カードローン
  • ・医療用ローン
  • ・エステのローン
  • ・住宅ローン

などとほぼ変わらないのが実態です。

最近では、給付型の奨学金も利用できるようになったことから、本来の「奨学金」の意味も浸透するかもしれません。

▼こちらもチェック! 【奨学金のトリセツ】そもそも大学の奨学金とはどんな制度? 種類や返済方法など必ず知っておきたい奨学金のハナシ

アメリカの大学生の約7割は何らかの支援を受けている!

では、日本から学位を取得する人も少なくないアメリカではどうなのでしょうか?

アメリカの学生のおよそ7割が奨学金や学資ローンなど何らかの学資支援を受けています。

アメリカの大学は日本よりも授業料が高いと言われており、相場はおおよそ年間300~400万円ほど。

さらに、私立名門の総合大学となると年間日本円でおおよそ500-600万円になるようで、学費の高騰は現地アメリカの家計を圧迫するとして問題視されています。

そんな中、多くの学生が何かしらの金銭的援助を受けています。

アメリカの「奨学金」は多種多様!

アメリカにおいて「scholarship」といえば各大学が支給するのが一般的ですが、どこから奨学金または給付金が提供されるかで以下のように分類できます。

federal 連邦政府が提供する奨学金・給付金
non federal 連邦政府以外が提供する奨学金・給付金
state 各州政府が提供する奨学金・給付金
institutional 組織が提供する奨学金・給付金
employer aid 雇用者への援助として企業が提供する奨学金・給付金

参考出典:『The National Center for Education Statistics』

いずれも返済義務がないのが一般的です。

また、継続して支払われない一時金として支給される援助については、一般的に「grant(グラント:給付金)」と呼ばれます。

アメリカの奨学金の細かな分類

さらに、アメリカの奨学金は以下のように細かく分類できますので、覚えておくと便利です。

メリット型奨学金 成績が優れている生徒やスポーツでの活躍などを基準に与えられる奨学金
二ード型奨学金 学生の家庭環境・経済状況などを基準に支援される奨学金

例えば、連邦政府の提供するFAFSA(The Free Application for Federal Student Aid)はニーズベースの最も一般的な支援制度です。

また、私立大学の提供する支援制度などはメリット型奨学金が良く見られます。

他にも、YMCA(キリスト教青年会)が優秀な成績を収め、またリーダーシップなど個人的に優れた資質を持つ学生に奨学金を提供するなども。

アメリカでは学生が勉学に励めるよう多種多様な奨学金・給付金の選択が多くあることがわかるのではないでしょうか。

海外からの留学生にも利用チャンスがある!

さらに、「scholarship」は海外留学生も対象になることが多く、今後アメリカで学位を取得したいと考えている方こそ、ぜひ活用すべき制度なのです。

もし、今後アメリカ留学を検討している場合は、奨学金とセットで検討するほうが何かと助けになるかもしれませんね。

【アメリカの闇】アメリカの学資ローン

アメリカでは充実した奨学金がある一方で、日本と同じような学資ローンがあります。

現地学生にとって「返済義務なし」の奨学金給付条件が難関だと言われており、欧米で導入されている成績評価のシステム「GPA(Grade Point Average)」で3.5以上という基準を達成できなかった学生たちが学資ローンを利用して大学に進学しているようです。

「GPA(Grade Point Average)」での基準

「GPA(Grade Point Average)」では各科目がA・B・C・D・Fで評価されます。

オールAだと「4.0」となることから、3.5というのがいかに高いハードルなのかがわかるのではないでしょうか。

また、3.5以上の人のリストのことを「Dean's List」と呼びます。

掲載されると優秀と判断され、返済義務なしの奨学金・給付金を獲得できるとされています。

実際に、返済義務なしの援助を受けるのは非常に狭き門だということもわかるでしょう。

多額のローン返済に苦しむ人も多くいる

Student Loan Hero」によれば、2018年に学資ローンを使用して卒業した学生が債務負担しなければならないローン総額は、おおよそ2万9800ドル(約320万円)だったことが判明しています。

また、「The Wall Street Jounal.」によれば医者など専門職の学位を取得した人は100万ドル以上の学資ローンを背負っているというケースもあるほど。

奨学金制度が充実している一方で、利用するための条件が厳しく高金利の学資ローンという選択肢を取らざるを得ない人の方が多いアメリカ。

こうして見てみると、日本の奨学金制度のほうが充実しているとも考えらるのではないでしょうか。

まとめ

日本とアメリカの奨学金制度について比較してみました。

「奨学金」という視点から見ると、アメリカの返済義務なしの奨学金は一見お得に感じてしまいます。

しかし、「返済義務なしの奨学金」を給付してもらうためには成績が優秀でないと厳しく、簡単に借りれるわけではないことがわかります。

一方で、日本の奨学金はアメリカの学資ローンに近いものがあることが分かります。

いずれにせよ、日本の学生もアメリカの学生も、大学以上の高等教育を受けるために金銭的支援を受けるためには、何らかのリスクを背負わなければならないことに間違いはありません。

この記事をきっかけに、奨学金や学費についてじっくり考える時間を持ってみるのも良いかもしれませんね。

 (高橋モータース@dcp)

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