皆神先生に聞いた! 「重力波の観測」ってどのくらいすごいこと!? 2ページ目

学生の窓口編集部

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■「重力波の直接観測」は非常に困難! 今回の観測は機器の精度が勝因!

――重力波はどこまでも伝わるのですか?

皆神さん 無限に遠方まで伝わります。ただし、重力波はすごく弱いものなのです。ですからその観測は非常に困難です。

――確かに、「重力波の観測は事実上不可能」なんていわれたこともあるようですね。

皆神さん 今回重力波の観測に成功した「LIGO(ライゴ)」は一辺が4kmもあるL字形をした観測施設です。中が真空のL字形のパイプのようになっていて、L字の二つの端には鏡が設置されています。L字の真ん中に分光器があって、ここにレーザーを照射して、L字の端に置かれた鏡に向かって光を飛ばします。光は鏡に反射して二方向から戻ってきます。
重力波は時空をゆがめますので、光の進み具合に影響します。つまり、普通なら同時に光が戻ってくるはずなのですが、光の到着に差があると光の干渉縞がずれるので重力波の影響が出たと分かる、という仕組みです。重力波が届いたのを光の進行のずれによって検出するわけです。

――一辺4kmというのは巨大ですね。

皆神さん それぐらい大きくないと検出できないのです。しかも、それで検出するのが、長さ4kmに対して陽子1000分の1個以下のゆがみです。非常に小さなゆがみで、何か別の原因でも起こりそうですから、ノイズを打ち消して確かに重力波だと検証するのが大変だと思います。実際、今回の発表まで「検証に数カ月」をかけたそうですが……。

――そうすると、今回の成果は観測機器の精度の成果といってもいいのでしょうか。

皆神さん そういう面が大きいです。欧州宇宙機関の「LISA」、日本の「KAGRA(カグラ)」も重力波を検出しようという計画ですが、その観測機器には非常に高い精度が求められると思います。

■今回の成果はノーベル賞確実!? アインシュタインの理論から100年!

――今回の「重力波の観測」について、ノーベル賞確実! なんて話もありますがどうなのでしょうか?

皆神さん 実は、重力波の検証についてはすでに1993年にジョセフ・テイラーとラッセル・ハルスという二人の科学者にノーベル賞が出ています。

――えっ! そうなんですか?

皆神さん ただ、あくまで連星系パルサーが失っていると思われるエネルギーを、一般相対論に従って計算をした重力波が運び去ったとされるエネルギーと等しい、ということを示したという「間接的」な証明でした。
今回は、重力波そのものを捉えているので、観測されたのが本当に重力波なら間違いなくノーベル賞でしょう。

――ありがとうございました。

アインシュタインが『一般相対性理論の基礎』という論文を発表したのが1916年のこと。理論から100年たって実際に重力波の存在が観測によって確認されたというわけです。これは盛り上がらざるを得ませんね。2016年のノーベル賞の発表が待たれます。

※……アルベルト・アインシュタインは1914年に『一般相対性理論および重力論の草案』、1915年に『水星の近日点の移動に対する一般相対性理論による説明』という論文を発表しています

(高橋モータース@dcp)

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