若者に急増中!? 耳鼻咽喉科専門医に聞いた、「スマホ耳鳴り」に気をつけたほうがいい理由

学生の窓口編集部(S)
2016/03/31
健康
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若者に急増中!? 耳鼻咽喉科専門医に聞いた、「スマホ耳鳴り」に気をつけたほうがいい理由

筆者は通勤中でもジョギング中でも仕事中でも、スマホで音楽を聴き続けています。先日、大きめの音量で1時間ほど聞いてイヤホンをはずしたあと、キンキンと残響がすることに気付きました。何やら不安になってきました……。そこで、耳鼻咽喉科専門医でとおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)の遠山祐司院長に、スマホによる耳鳴りについて、詳しいお話しを聞いてみました。

■耳が詰まった感じ、耳鳴りを放っておくと難聴に

「それらの症状を『スマホ難聴』、『ヘッドフォン難聴』と呼びます。かつては、『ディスコ難聴』、『ロック難聴』と言われていました。いまはスマホや携帯型音楽プレーヤーでイヤホンを使って聴く人が多いので、分かりやすいようにスマホ難聴と呼んでいるのですが、若い世代を中心に患者さんの数は増えています」と話す遠山医師は、難聴になりやすい場合について説明を続けます。

「スマホ難聴は、医学的には『音響外傷』と呼ぶ聴覚障害の一つです。イヤホンで大きな音で1時間以上聴いていた、コンサートで大音響の環境に1時間以上いる、スピーカーのすぐそばで大きな音にさらされているなどでも起こります」

そういえば、ロックフェスの帰り道に耳が聴こえにくかったことがあります。遠山医師は、スマホ難聴の症状について次のように具体例を挙げます。

「軽症のうちは、耳が詰まった感じがする、少し耳が聴こえにくいけれどしばらく安静にすると治るなどですが、進むと、耳の奥が痛くなる、キーンやキンキンという耳鳴りがする、重症になると耳が聴こえなくなる『難聴』になります。左右のどちらかの耳に起こることがほとんどですが、両耳同時に起こることもありえます」

スマホで音楽を聴いていて耳が聴こえにくくなるとは、怖い現象です。次に、その原因や予防策をお尋ねします。

■耳の奥の「内耳」の細胞がダメージを受ける

スマホ難聴とは耳のどこがどう悪くなるのでしょうか。「音響外傷」が起こる原因について、遠山医師はこう説明します。
「ヒトの耳には、外耳、中耳、蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる内耳の3つの器官があります。音はそれらを順に伝わって脳に感知させるのですが、普段聞き慣れない大きな音や、長時間の大音響を受け続けると、3つのうちの内耳の細胞が過剰な振動によって損傷し、細胞死を起こします。

また、ダメージをきっかけに細胞内に活性酸素などが発生します。これが血流やリンパの調節機構に影響してさらなる細胞死を引き起こし、先ほどお話したさまざまな症状が現れます」

耳鳴りがすると、「このまま耳が聴こえなくなるのでは」と心配になります。病院に行くタイミングを教えてください。
「しばらくして耳鳴りや詰まった感じがおさまるようならゆっくり休めば回復するでしょう。ですが、耳が痛い、耳鳴りが強い、耳が聴こえにくくなった、またひと晩寝ても改善しない場合は、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。診断は、問診と聴力検査で容易に受けることができます」(遠山医師)

治療については、「症状に応じて、副腎皮質ステロイド薬や循環改善剤、ビタミン剤などを処方して、内耳の損傷を修復、血液循環を促し、機能の回復を目指します。発症後にできるだけ早く治療を始めることが重要で、その場合は若い人なら90%以上の確率で2日~10日ほどで改善するでしょう」と遠山医師。

■イヤホン装着時は、周囲の会話が聞こえる音量までに

スマホで音楽を効いていると心地いいので、つい長く聴きたくなりますが、予防策について遠山医師はこうアドバイスをします。

「耳鳴りなどの症状があるときは、イヤホンの使用はやめて静かな環境で過ごし、耳を休ませてください。回復しても、また大音量で聴き出すと再発の可能性は高いです。できるだけ大音量でのイヤホンの使用は避けてください。

また、『どうしても使いたい場合は、耳の穴をふさぐタイプのイヤホンは使わない』、『イヤホンやヘッドフォンを使っても、周囲の会話が聞こえる、後ろから自転車が近付いて来たら気付く程度の音量にする』ことがポイントです。

また、疲れているとき、睡眠不足のとき、お酒を飲んでいるときは、内耳の細胞がダメージを受けやすい傾向にあります。これらのときは特に気を付けてください」

さらに遠山先生は、病気の可能性についても注意を促します。

「工事のドリルなどの音や、陸上競技で使うヨーイドンのピストル音、爆発音などでも音響外傷が起こることがあります。それに、耳鳴りが続くのを放置しておくと、耳が聴こえにくくなるほか、脳腫瘍(しゅよう)の一種である聴神経腫瘍、脳の血管や神経の病気の可能性もあります。症状があれば、早めに耳鼻咽喉科を受診するにこしたことはありません」

スマホ耳鳴りは、難聴のサインでもあるようです。できるだけイヤホンの使用をひかえる、大音量では聴かない、長時間聴き続けない、特に疲れているときはそれらを避けるということが予防のポイントだということです。

(品川緑/ユンブル)
取材協力・監修 遠山祐司氏。耳鼻咽喉科・気管食道科専門医。大阪市都島区医師会会長。医学博士。とおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)院長。
http://www.eonet.ne.jp/~tohyamajibika/

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