眼科医が教える! コンタクトレンズをつけて寝てしまったときの影響とは

学生の窓口編集部(S)
2016/02/03
新生活
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眼科医が教える! コンタクトレンズをつけて寝てしまったときの影響とは

筆者は就寝前に、うっかりコンタクトレンズ(以下・レンズ)を外すのを忘れて、眠りに落ちたことが何度もあります。目に悪いとはわかりつつもついやってしまうこの行為、実際どのような影響があるのでしょうか? 眼科専門医でみさき眼科クリニック(東京都渋谷区)の院長、石岡みさきさんは 「レンズを装着したまま寝ると、角膜(黒目)が酸素不足に陥ってさまざまなトラブルの原因になります。必ず外してください」と警告しております。くわしいお話を聞いてみました。


■レンズを装着したまま寝ると、角膜が酸欠を起こす

石岡医師はまず、レンズを装着したまま寝たときの目の状態について、次のように説明します。

「目の黒目の部分である角膜には血管がないので、血液から酸素を取り込むことができません。そのため、角膜に触れている空気や涙から酸素を取り込んでいます。
レンズ使用時は、角膜にレンズがかぶさった状態です。レンズは酸素を通すように作られているとはいえ、裸眼のときに比べると目に空気を取り込みにくく、長時間の装着が続けば角膜の酸素は不足しがちになります。寝ている間は涙もほとんど分泌されないため、さらに酸素が不足しやすくなります。」

■激痛、視力障害、角膜に血管が伸びることも
では、酸素が不足すると目にはどのような問題が起こるのでしょうか。石岡医師は、多く見られるトラブルとして、次の4つを挙げます。

(1)角膜上皮(じょうひ)
障害角膜の表面の上皮では、酸素をエネルギー源に、細胞が絶えず入れ替わる新陳代謝が起こっています。酸素が足りなくなるとこの働きが滞り、上皮がダメージを受けて傷が付く、表面がはがれる、角膜炎などの障害が起きやすくなります。

(2)角膜潰瘍(かいよう)
(1)でできた上皮の傷から細菌感染を起こし、角膜の組織がはがれた状態になる病気です。感染は角膜の表面の上皮だけでなく、奥にある「実質」という組織にまで影響し、角膜が白く濁って激しい痛みが出るほか、視力障害や失明に至ることもあります。

(3)角膜に血管が侵入してくる
レンズを装着したまま寝ることを繰り返すと慢性的な酸素不足となり、角膜に酸素を送るために、周囲の組織から血管が伸びてくることがあります。血管が角膜の瞳孔まで侵入すると、視力の低下、目のかすみなどの視力障害を引き起こします。

(4)角膜内皮障害
慢性的な酸素不足の状態を長年繰り返した結果、角膜の内部にある内皮に酸素が行き届かなくなります。すると、内皮の細胞の数が徐々に減っていきます。重症化すると視力が低下します。減った細胞が元に戻ることはないため、角膜移植が必要になることがあります。

「このうち(1)と(2)の上皮の症状は、痛みや目やになどの症状があるため、自覚しやすく、早めの治療が可能です。一方、(3)と(4)は重症化して視力に影響が出るまで自覚症状がないので、より注意が必要です」(石岡医師)

■レンズが目に張り付いて外れないときは、目薬や水中まばたきで対処
では、トラブルを防ぐには、どうすればいいのでしょうか。「角膜が酸素不足にならないよう、レンズの装着時間を少なくすることです。付けたまま寝るのを防ぐためにも、帰宅したらレンズを外し、家では眼鏡で過ごすことをお勧めします。
また、目の痛みや異物感、充血、目が乾くといった自覚症状があれば、すぐに眼科を受診しましょう。自覚症状がない場合でも、定期的に眼科検診を受けて医師に『レンズを付けたまま寝ることが多い』と相談すると、病気やトラブルがあれば早めに発見できるでしょう」(石岡医師)

「レンズを付けたまま寝て、レンズが目に張り付いて外れなくなった」という声をよく耳にします。どうしたらいいでしょうか。
「レンズ用の目薬を1滴ずつさして目を潤してから、いつものようにレンズを外してください。また、清潔な洗面器に水をはり、目を水につけてまばたきすると外れることもあります。

ただし、無理に外そうとすると、角膜に傷が付く、レンズが破れる場合があります。外しにくい場合は無理をせず、また外した後に痛みや充血がある場合は、必ず眼科を受診してください」(石岡医師)

筆者の場合、レンズを装着したまま寝ても痛みや充血がなかったので、ときどきなら大丈夫と軽く考えていました。しかし、自覚症状がないままじわじわと進行する目の病気もあるみたいです。レンズ装着時は、寝落ちや昼寝、うたた寝に気をつけて、ご自身で自分の目を守っていってくださいね。
(日暮ふみか/ユンブル)

取材協力・監修 石岡みさき氏。
眼科専門医。医学博士。みさき眼科クリニック院長。横浜市立大学医学部卒、アメリカ・ハーバード大学に留学、眼の免疫の研究に従事。帰国後、東京歯科大学市川総合病院にて角膜・前眼部疾患について学ぶ。両国眼科クリニック院長を経て現職。専門はドライアイ、眼のアレルギー。http://www.misaki-eye.com/

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