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獣医師に聞いた! 犬・ネコとのスキンシップによる人体への感染のリスクとは

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獣医師に聞いた! 犬・ネコとのスキンシップによる人体への感染のリスクとは

飼い主にとって、ペットの犬や猫は我が子同然、抱っこや頬ずりはもちろん、ときにはキスをしたくなりませんか? でもこの行為は人間の身体に影響はないのでしょうか? 実際、獣医師かつ、とよす動物病院(東京都江東区)の院長を勤める矢野貴之さんは、「犬・猫と日常的にキスをしていると、犬・猫から感染症がうつるリスクが高くなります」と警告しています。今回は犬や猫のスキンシップで生じるリスクや、感染症予防のポイントについて聞きました。

感染症のリスクがあるスキンシップは、犬・猫とのキスだけではなく、「抱っこやタッチの後、手を洗わない、同じ布団で寝る、自分の箸でおかずを分ける、犬・猫の食器と家族の食器をいっしょに洗うことも、感染の原因になります」と、矢野獣医師は指摘します。
具体的には、どんなリスクを招くのでしょうか。矢野獣医師は、特に注意したいものとして、次の感染症を挙げます。

犬・猫からの感染で、失明や死亡するかもしれない

「例えば、『犬・猫回虫症』という病気があります。回虫は、犬や猫のおなかにいる寄生虫のことです。回虫がいると、犬・猫は、虫の卵を含むフンをします。目に見えないほどの小さな虫卵ですが、それがスキンシップを通してヒトの口の中に入ると、ヒトにも感染します。

回虫が人の体内で繁殖することはありませんが、体内を移動する際に、目や内臓に侵入し、発熱や肺炎、肝炎、視覚障害といった症状を引き起こす可能性があります。目に入って重症化した場合は、失明することもあります。

また、ヒトがウイルスを持つマダニにかまれることで感染する『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』が、数年前から、日本国内で発症例が出たことで問題になっています。マダニは、野生動物が住む山や森、畑、公園など、自然が多い場所に生息しています。ペットの犬・猫がそのような場所に出かけた際に、体にマダニが付き、ヒトがそのマダニにかまれると感染する可能性があります。主な症状は、発熱、下痢、おう吐ですが、重症化して死亡した例も報告されています」

重症熱性血小板減少症候群とペットとの関係について、厚生労働省は、ホームページで次のように伝えています。

「ペットに付いているマダニに触れたからといって感染することはありません。ただし、マダニにかまれれば、その危険性はあります。マダニ類は犬や猫などの動物に対する感染症の病原体を持っている場合もありますので、ペットの健康を守るという観点からも、マダニの駆除を適切に行いましょう。
ペット用のダニ駆除剤がありますので、かかりつけの獣医師に相談してください。散歩後にはペットの体表のチェックや目の細かいクシをかけ、マダニが食い込んでいる場合は、無理に取らず、獣医師に除去してもらってください」

■抵抗力が低い子ども、高齢者、糖尿病患者は重症化しやすい

ほかに、犬・猫からの感染リスクが考えられる感染症には、どのようなものがあるのでしょうか。
「日本で感染の可能性がある動物由来の感染症は、数十種類あるとされています。そのうち、ペットの犬・猫からヒトへの感染が多いとされているのは、先述の2つを除いて、主に次の4つです」(矢野獣医師)

・ パスツレラ症
犬・猫にかまれる、引っかかれることで、犬や猫の口の中に常在しているパスツレラという菌に感染して発症します。犬の約75%、猫のほとんどがこの菌を持っていると言われています。高齢者や糖尿病患者が発症する例が多く、皮ふの化膿や咳、気管支炎のほか、敗血症、髄膜(ずいまく)炎などの重い症状や死亡例も出ています。

・ 猫ひっかき病
菌を持ったノミに血を吸われることで犬・猫の間に感染が広がり、ヒトが犬・猫にかまれる、引っかかれることで、傷口から感染します。傷口が化膿するほか、発熱やリンパ節の腫れなどの症状が起こることがあります。

・ トキソプラズマ症
猫などの動物に寄生するトキソプラズマという微生物に感染することで起こる病気で、主に、フン処理の際に感染します。ヒトに感染しても症状が出ないことが多いのですが、発熱やリンパ節が腫れるなどの症状が出ることもあります。また、女性が妊娠中に初めて感染すると、まれに、おなかの赤ちゃんに影響して流産や障害を引き起こすこともあります。

・ 皮ふ糸状菌(しじょうきん)症
皮ふ病にかかっている犬・猫との接触により、カビの菌に感染することで、皮ふが赤くなる、水ぶくれなどの症状が現れます。

「これらの感染症は、健康な成人であれば、発症しても軽症で済むことが多いので、必要以上に恐れることはありません。ただし、抵抗力の低い小さなお子さんや高齢者、糖尿病患者が発症すると重とくになりやすいので、感染しないよう、家族が気を付ける必要があります」(矢野獣医師)

■ スキンシップやフン処理のあとは、入念に手洗いを
ではここで、「犬・猫からの感染症予防のポイント6つ」を矢野獣医師に教えてもらいました。

(1)犬・猫とのキス、口移しや自分の箸でのエサやり、いっしょに寝るなど、菌やウイルスの感染が予想できるスキンシップは避ける。
(2)犬・猫と触れ合ったあとは、必ず石けんで手を洗う。爪の中、指の間、手首まで入念に。
(3)フンは手早く処理し、処理した後は(2)同様に手を洗う。
(4)犬・猫の体や居場所をこまめに掃除、手入れをし、清潔に保つ。
(5)動物病院で、寄生虫、ノミ、マダニの駆除や予防をし、定期的に検診を受ける。

最後に、矢野獣医師はこう注意点を付け加えます。
「パスツレラ菌は、犬・猫の多くが口の中に保有している常在菌であり、除菌が難しいため、特に(1)に気を付けることが大切です。また、トキソプラズマ症の感染予防のため、妊娠中の女性は、猫のフンの処理を控えましょう。
動物由来の感染症は風邪に似た症状が出ることが多いため、発見が遅れる場合があります。もし犬・猫とのスキンシップや、かまれた、引っかかれたなどのことがあり、痛みや発熱などで体に異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう」

犬を飼う筆者は、キスのほか、矢野医師が「危険」と指摘するスキンシップの多くについて身に覚えがあります。犬や猫と快適で良好な生活を維持するためにも、これらのポイントをぜひ心がけていってください。
(日暮ふみか/ユンブル)

取材協力・監修 矢野貴之氏。獣医師。とよす動物病院(東京都江東区)院長。動物の総合病院、歯科専門病院での勤務経験を活かし、ささいなことでも相談できる身近なかかりつけ医を目指すとともに、予防医療、予防歯科にも力を入れている。http://toyosu-ah.com/

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