感動で、悲しみで……思わず涙があふれる漫画10選 3ページ目
先述の天使なんかじゃないと同じ作者の作品です。アニメ、映画化も数々されている矢沢あい作品の中でもっとも知名度の高い、売り上げの多い少女漫画です。第48回(平成14年度)小学館漫画賞受賞していますが、現在は作者急病のため21巻までの発刊で休載されています。二人の奈々、ナナが出会うところから物語は始まります。ナナはバンドで成功することを夢見て上京し、バンド活動をしてデビューまでこぎ着けます。
奈々は彼氏について上京し、その日暮らしをしながら行き当たりばったりの生活をします。二人はひょんなことから同居することとなり、ナナのバンドメンバー、奈々の友人たちと友に東京で恋愛・仕事・夢などを中心にした暮らしが描かれています。
ナナの元カレであったギターリストの本城蓮との再会のシーンは涙なしでは読むことができません。素直になれない二人が、それでもどうしてもお互いを求めて再会してしまい、その情熱や焦燥感の感じる二人の愛情には切なさを感じざるをえません。
また、奈々の恋愛はとてもリアルに描写されています。幸せになりたい、という単純なような願いをかなえるために毎日を一生懸命に生きているのに、必ず誰かを傷つけてしまう恋愛をしてしまう、という展開には現代を生きる女性すべてが共感できる部分があるのではないでしょうか。
作者: 矢沢あい
出版社:集英社
掲載誌:Cookie
連載開始:2000年7月
巻数:21巻(2009年6月作者急病のため休載中)
■BASARA:田村由美
1993年に平成4年度(第38回)小学館漫画賞を受賞した名作です。日本を舞台にした架空戦記という少女漫画にはあまりない設定の漫画です。その分とても新鮮で、展開にわくわくした女性も多いのではないでしょうか。そして少女漫画らしく戦記といっても恋愛の物語もあるという新しさを感じさせた漫画です。
20世紀末に世界の文明が崩壊し、文明レベルが戦国時代まで退化し、残った土地では暴君である王が納め、権力争いの耐えない世の中になってしまいます。その時代に救世主として生まれる更紗が主人公です。そして生まれの村の宿敵である朱理と出会い、恋に落ちてしまうという悲劇的な恋愛が始まります。
それがわかってしまうまでの読者側のどきどきと、わかってしまってからも宿敵であるはず愛してしまう苦悩は読んでいて胸が苦しくなります。また仲間を集め、革命を起こしていく中でたくさんの仲間の死にぶちあたり、その仲間の過去や生き様には誇りが伝わってきて、涙が止まりません。そんな苦しい中を成長して、革命を起こしていく更紗の力強さと女性ならではの繊細な優しさを見守る仲間たちとの友情や恋模様は少女漫画らしからぬ複雑さを持っています。きっと男性でも面白く読むことの出来る数少ない少女漫画です。
作者: 田村由美
出版社:小学館
掲載誌:別冊少女コミック
連載開始:1990年9月
巻数:全27巻(外伝を含む)
いかがでしたでしょうか。やはり泣ける漫画というのは「共感できる」という要素がとても多いです。日々の暮らしはもちろん、恋愛において共感できるシーンにはやはり感情移入をして涙が止まらなくなります。少し気分の落ちた時などに、思いっきり泣いてすっきりしてはどうでしょうか?