1位は約54km!? 世界の長いトンネルランキングTop10!
日本のトンネル掘削技術は世界最高レベルといわれます。山がちな国土に道路、線路を通すために多くのトンネルが掘られ、その中で高い技術が蓄積されました。今回は「トンネル」に注目し、その長さについて調べてみました。
トンネルといっても「鉄道交通用」「自動車交通用」「水道用」などいろいろあります。水道用などはあまり面白くありませんので、まず鉄道用を見てみましょう。
■鉄道用トンネルの長さ Top10
第1位 青函トンネル……53.9km
第2位 英仏海峡トンネル……50.5km
第3位 レッチュベルクベーストンネル……34.6km
第4位 新关角隧道(New Guanjiao Tunnel)……32.6km
第5位 グアダラマトンネル……28.4km
第6位 太行山隧道(Taihang Tunnel)……27.8km
第7位 八甲田トンネル……26.5km
第8位 岩手一戸トンネル……25.8km
第9位 ウィーンの森トンネル(Wienerwald Tunnel)……23.8km
第10位 南吕梁山隧道(South Lüliangshan Tunnel)……23.4km
*……「隧道」(ずいどう)はトンネルの意味です。
現在、実際に運用されている鉄道用トンネルとして最長なのは、日本の「青函トンネル」なのですが、残念なことに間もなく2位になってしまいます。全長57kmの「ゴッタルドベーストンネル」(ゴッタルド基底トンネル)がすでに貫通し、2018年には運用開始の予定だからです。このトンネルは縦坑や連絡路を含めた総延長が153.5kmにもなる長大なもの。スイスのアルプスの山脈下を掘り進んだすごい成果です。
ちなみに上記の2位に入った「英仏海峡トンネル」は海底部分の長さでは37.9kmと、青函トンネルの「23.3km」より長いのです。総工費が88億ポンド(約1兆2,408億円:1ポンド = 約141円で計算)も掛かった難工事でした。
10位の中に「青函トンネル」の他日本のトンネルが二つ入っています。また、中国のトンネルも三つ入っています。中国の開発はこれからも進みますからもっと長い鉄道用トンネルが現れるかもしれませんね。
次に自動車用トンネルを見てみましょう。
■自動車用トンネルの長さ Top10
第1位 ラルダールトンネル……24.5km
第2位 山手トンネル……18.2km
第3位 秦岭终南山公路隧道(Zhongnanshan Tunnel)……18.0km
第4位 锦屏山隧道(Jinpingshan Tunnel)……17.5km
第5位 ゴッタルド道路トンネル……16.9km
第6位 アールベルク道路トンネル……14.0km
第7位 錫山隧道(Xishan Tunnel)……13.7km
第8位 虹梯关隧道(Hongtiguan Tunnel)……13.1km
第9位 雪山隧道(Hsuehshan Tunnel)……12.9km
第10位 フレジュストンネル(Fréjus Road Tunnel)……12.8km
1位の「ラルダールトンネル」はノルウェー西部にあって、ラルダールとアウルランを結ぶトンネルです。長いため、運転者が眠ったりしないよう美しい内装にしたり、中央線をタイヤが踏むと大きな音が立つなど、さまざまな工夫が凝らされています。
2位は日本の「山手トンネル」です。2015年3月7日に全線が開通し、世界で2番目に長い自動車用トンネルとなりました。高速道路のトンネルとしては世界最長のトンネルだそうです。3位「秦岭终南山公路隧道」、4位「锦屏山隧道」、7位「錫山隧道」、8位「虹梯关隧道」はいずれも中国のトンネルです。9位の「雪山隧道」は台湾にあります。
5位「ゴッタルド道路トンネル」はスイスにあってゴッタルド峠の下を通っています。6位「アールベルク道路トンネル」はオーストリアにあります。10位「フレジュストンネル」はフランスとイタリアを結ぶトンネルです。
いかがだったでしょうか。最近開発が著しい中国ではどんどん長いトンネルができているようです。また、もっと長いトンネルの計画も多数あるようで、鉄道用、自動車用の両方でTop10のほとんどが中国のもの、なんて時代が来るかもしれませんね。
(高橋モータース@dcp)