不動産アドバイザーに聞く! 楽だけど……家具家電付き賃貸部屋のメリット&デメリットとは? 2ページ目

学生の窓口編集部

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■注意! 修理費用を誰が出すかは、契約書の記載が「設備」か「貸与」かによる

――家具や家電を壊してしまったときは、どうすればいいのでしょう。

穂積さん 契約書に「家具家電は設備」と明記してある場合は、借り主が悪意を持って破損する、わざと傷を付けるなどでない限り、「自然に使っていて故障した。傷がついた場合」、これを不動産専門用語で自然損耗(そんもう)と言いますが、家主側の費用負担で修理する、あるいは交換することがほとんどです。

一方で、契約書に、「貸与(たいよ)」、「無償貸与」、「設備外」、「残置(ざんち)物」などと記載されているケースは、修理費用は借り主の負担になります。例えば、自然に使っていた洗濯機が壊れた場合でも、家主が負担するのは撤去(てっきょ)費だけで、新しいものに取り換えることはしません。

――残置物とは、前の入居者が置いていった物品のことですよね。

穂積さん そうです。ガスコンロやエアコンなどが多いのですが、これは説明を受けたときに不要であれば取りはずしてもらうことができます。入居して使用し、壊れた場合の修理や撤去費用は借り主が負担することになりますから注意してください。

――「契約書の記述に注意」とは、学生や引越ビギナーにとっては盲点もあるのではないでしょうか。

穂積さん 契約内容を把握しておかないと、確認不足で修理費用を持たされた、ということになりかねません。

契約書をかわす前に、仲介業者の宅地建物取引士が、『重要事項説明書』という書類を渡し、部屋の使い方や条件について細かく、「重要事項説明」を行います。

そのときに、設備の修理、メンテナンス、入れ替えの費用など、家主と借り主のどちらが負担するかについて、「負担区分表」などという書面で提示されるケースが増えています。契約書の添付書類になっていることが多いのですが、家主や仲介業者によって提出の方法はいろいろで、書面がないこともあります。

「家具家電が壊れて修理が必要になった場合、また修理不可能になって入れ替えが必要な場合は、誰がどう費用を負担するのですか」と、はっきりと口頭と書面で確認しておきましょう。ほかにも、分からないことや疑問があれば、なんでも質問するようにしてください。家具家電付き部屋の契約では、特に大切な確認事項です。

いずれにしても、もしその書面や説明がなければ、説明を受けてメモなど記録をし、退去時まで保管してください。

重要事項説明の時点ではまだ契約にいたっていません。もしも、「家具家電を壊したら借り主が修理すること」などと納得がいかない説明をされたら、印鑑を押さずに、契約を見直すことをお勧めします。契約が成立するのは、重要事項説明を聞いて納得し、その後に契約書に署名捺印した時点になります。

――メリットとデメリット、契約条件がよく分かりました。ありがとうございました。

家具家電付き部屋の場合は、「なぜそういう条件なのか」を確認し、実質的にはどのぐらい得なのかを計算する、その上で、ほかの条件も含めて複数の部屋を比較検討するようにしましょう。

(品川緑/ユンブル)

取材協力・監修 穂積啓子氏。「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。宅地建物取引士。コミックエッセイ『不動産屋は見た! ~部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子 東京書籍)の主人公のモデルとなった。テレビ、雑誌などメディアでも活躍中。

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