宇宙に未来に超能力に……傑作ばかりのおすすめSFマンガ10選

学生の窓口編集部

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SF(サイエンスフィクション)には、センス・オブ・ワンダーがなければ! といわれます。日本のSF小説の黎明(れいめい)期には「星新一」「小松左京」「筒井康隆」の三巨頭がけん引し、漫画界では「手塚治虫」の後、多くの漫画家がこれに続き、たくさんのSF漫画が描かれました。今回は、そんなSF漫画の傑作をご紹介します。

●『生物都市』諸星大二郎

1974年『週刊少年ジャンプ』の手塚賞を獲得した作品。木星のイオを探査した宇宙船が地球に戻ってくるのですが、その船は恐ろしい災厄(あるいは福音)を地球にもたらします。有機物、無機物が混ざり合い、溶け合っていき……というストーリーです。漫画だからこそできる表現はまさに圧巻で、今もその衝撃は薄れていません。

●『星を継ぐもの』星野之宣/原作:ジェイムズ・P・ホーガン

ジェイムズ・P・ホーガンのハードSFの名作小説を基に、SF漫画の第一人者・星野之宣先生が描いた作品です。月で人間の遺体が見つかるところから話が始まり、これが太陽系の謎、人類創世の秘密につながっていくのです。全4巻ですが、圧巻は原作にない「もし月がなかったら地球の環境はどうなり、またどのような生物が生存できたか」というシミュレーション(2巻に登場)。SFの古典的傑作を星野先生が見事に現在によみがえらせています。

●『ベムハンター・ソード』星野之宣

宇宙生物(ベム)を捕獲する商売を行っている「ソード」の活躍を描く漫画です。それぞれの星の環境に適応した宇宙生物が、いかにもリアルに、本当に存在するかのように描かれている点はさすがです。星野之宣先生は現在『ビッグコミック』で『レインマン』を連載中。こちらは超常現象、オカルトを科学的なアプローチで解明しようという、恐らく日本初のデバンカー漫画です。

●『百億の昼と千億の夜』原作:光瀬龍/作画:萩尾望都

光瀬龍先生原作の同名小説を萩尾望都先生が流麗なタッチで漫画化した作品です。文明はなぜ滅びるのか、なぜ人類は衰亡していくのか、その謎を解くため創造主と戦う三人の戦士「阿修羅王」「シッタータ」「オリオナエ」が登場します。時間と空間を超えた壮大な物語で、そのスケールの大きさは読者を驚かせます。

●『真夜中の戦士』永井豪

主人公が目覚めるとそこは戦場のトーチカの中。ライオンの顔をした者、ミサイルを背負った者など、異形の10人の仲間、9台のロボットと共に戦いに臨むことになります。敵も味方同様11人と9台のロボット! というストーリーです。永井豪先生には『手天童子』『デビルマン』などのSF長編傑作漫画がありますが、本作はSFマインド濃厚な傑作短編です。

●『AKIRA』大友克洋

1982年に新型爆弾が関東でさく裂し、東京は壊滅。その復興途上の「ネオ東京」で物語は始まります。金田正太郎率いる暴走族の少年たちは、ある夜荒廃したハイウエーでまるで老人のような顔をした少年を拾います。この少年・タカシは軍(アーミー)の研究機関から逃げ出した超能力者でした。その後、暴走族のメンバーだった島鉄雄が自らの超能力に覚醒し、ネオ東京を壊滅に追い込むような事態に発展……というストーリーです。大友先生の描画には鬼気迫るものがあり、漫画史に残る記念碑的な作品です。

●『モジャ公』藤子・F・不二雄

藤子・F・不二雄先生には「(S)すこし(F)ふしぎ」な短編シリーズがありますが、長編で惜しげもなくSF的アイデアがつぎ込まれた物語というと、この『モジャ公』を挙げなければなりません。地球を家出した少年・天野空夫、モジャ公、ドンモというトリオが宇宙のあちこちで波瀾(はらん)万丈の冒険を繰り広げます。藤子・F・不二雄先生らしいユーモアがいっぱいで楽しく読めますが、そこにはセンス・オブ・ワンダーが満ち満ちています。

●『アフター0』岡崎二郎

同作はSF短編集です。かわいらしい絵柄ですが、どの作品にもSFマインドがあって読者を引きつけずにはいません。古き良きテレビシリーズ『トワイライトゾーン』や藤子・F・不二雄先生の「SF短編シリーズ」に似た味わいがあります。岡崎先生の作品には、他にもバーチャル世界に恐竜の時代をシミュレーションで再現するという『国立博物館物語』、人類とETとの交流を描く『宇宙家族ノベヤマ』などSF的傑作があります。また、ネコ好きにはたまらない『Neko2』も見逃せない作品です。

●『シドニアの騎士』弐瓶勉

ガウナという未知の生命体に地球が破壊されて1,000年。人類の存続を懸けて宇宙に旅立った播種船(はしゅせん)「シドニア」とガウナとの戦いを描いた作品です。人類が自らを改造し、光合成できるようになっていたりなど、その世界はSF的ガジェットに満ちています。同作はアニメ化され、こちらも人気となりました。

●『銃夢』木城ゆきと

サイボーグ少女・ガリィがさまざまな強敵と戦う中で、自分のアイデンティティーを確立していく物語です。単なる格闘アクションではなく、少女の成長物語となっているのが大きな特徴です。物語世界は「軌道エレベーター」「ナノマシン」など、SF的ガジェットで精緻に構築されていて、世界中に同作のファンがいます。『ターミネーター』『アバター』などで有名な映画監督ジェームズ・キャメロンが映画化しようとしたことでも知られています。現在は『銃夢火星戦記』が『イブニング』誌上で連載中です。

他にも『度胸星』(山田芳裕)、『プラネテス』(幸村誠)、『11人いる!』(萩尾望都)、『EDEN』(遠藤浩輝)、『2001夜物語』(星野之宣)など、たくさんのSF名作漫画があります。もし未読の人がいたらぜひ手に取ってください。

Photo(C)FreeDigitalPhotos

(高橋モータース@dcp)

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