夏休み後半。終わりましたか?親子で通らなければならない鬼門・・・読書感想文の簡単な書き方(後編)
さあ、保護者の皆様の努力と忍耐で、なんとか読書分析文の材料がそろいました。
前回のように丁寧に聞き取るのは、低学年のお子さんや書くことが嫌いだったり苦手なお子さん向けです。高学年や、書くことが好きなお子さんの場合、インタビュー方式で質問をしてあげるだけ(前編参照のこと)で、文章は自分で書いてもらいます。
例えば1200字の作文を仕上げる場合、材料は800~1000字あればいいですし、足りなくても何とかなります。また、前編でお話をしたあらすじをずーっと追っかけて書いてしまうお子さんの場合は、書きたいだけ書かせてあげ、その後必要な部分だけ本番の構成に使うようにします。構成といわれるとかまえてしまうかもしれませんが、ご安心ください。書き出しを決めてしまえばあとは何とかなります。書き出しには、いくつかパターンがあります。もちろん工夫すれば多種多様にあるのですが、いくつか書き出しをご紹介しますので、使ってください。
(1)「私が、この本を選んだ理由は、●●です。(選んだ理由と、自分の習い事などの体験が重なっているといいです)」、「僕がこの本を読むことに決めた理由は、主人公の○○君がサッカーをやっていて、僕と同じだったからです。」
(2)もし、あなたの前に不思議な博士が現れて、あなたの心をとりかえてくれると言ったらあなたは、どうしますか?私は、●●な心にとりかえてもらいます。私は、ときどき妹にとても意地悪なこと言ってしまうので●●な心になれば・・・。(と、問いかけの書き出しで入り、そのまま自分だったらこうするなぁという観点で、できるだけ長く書きます。そしてその後に、主人公の○○は、どうしたのか本のあらすじをなぞったり、主人公の心情読み取りをして書いていきます。」
(3)(本と離れて、自分の体験から入る)「私は、今年の夏に、福岡のおばあちゃんの家で親せきと1か月間暮らしました。お母さんが仕事で夏休みも忙しいからです。その時のことは一生忘れないと思います。(いろいろその時のことを書いてから・・・)主人公の○○は、夏休みに・・・」
(4)(場面を抜き出してしまう)「あんたなんかに、私の気持ちがわかるわけないじゃない!」これは主人公の●●が、従妹の○○に向かって、つい叫んでしまう場面の言葉です。●●は、小さい頃にお母さんをなくして、忙しいお父さんの都合で親せきの家に預けられます。ずっといい子にしていたけれど、幸せな従妹の○○がうらやましくて悔しくてつい叫んでしまいます。私も、主人公と同じ立場だったら・・・」などです。このいずれかのパターンに当てはめて、書き出しを作り、その後にいろいろと材料を付け足してみてください。
具体的には、皆さんの感想文を見ることはできませんが、この書き出しに加えて書き進んでも足りない場合は、以下のAからCを付け加えてください。
A・本の物語が始まる前の主人公と事件やアクシデントを乗り越えた後の主人公の変化を見つけて書く
「おとなしい子だったのが、意地悪な友人に「やめてよ」と言えるようになった」など。
B・自身の体験と比較して考えたことを書く
「主人公は○○のようにしたけれど、私はこんなふうにしました。」など。
C・その本を読む前と、後でお子さん自身が変わったことがあれば書く(実際にはなくても、あったように考えて書くしかありません!)
「この本を読む前は、ペットショップで売れ残ってしまった犬のことなど考えたことはありませんでして、でも、これからは・・・」など。
では皆さん、これら方法でなんとか苦しい読書感想文の課題をしのいでください。ご検討をお祈りします。
これでもダメな場合は、ぜひ私を含めたプロの教師にご相談ください!
【著者プロフィール】桐生 玲子
早稲田大学卒。野球週刊誌編集記者を4年半勤めた後、結婚、三児の子育てをしながらフリーライター歴23年。公立小や塾での勤務経験から「作文の書き方は誰も教えていない」と気づき自ら作文塾を起こす。子どもたちが自分で考えられる頭づくりをする独自のカリキュラムで小学生向けあおぞら作文教室、受験対策個別指導で公立中高一貫適性検査作文対策で白鷗中学など合格実績多数。
Facebook: 塾cafeびーだま! あおぞら作文教室