過去最高DV相談者。DVは本当に治るのか?
最近当たり前に聞きなれてしまったDV(ドメスティックバイオレンス)。
一般的には、男性から女性に対しての暴力とされてきたが、近年では逆の場合もあり、約16%が女性から男性に対する暴力だ。
さらに、相談者数は年々増加傾向にあり、内閣府の調査によると、既婚女性の4人に1人は、DV被害を体験しているとの報告がされた。
DVは暴力だけではなく、言葉も含まれており、例えば「誰のおかげで飯が食べられていると思っているんだ」とよく聞かれるフレーズも、立派なDVにあたる。
また、この被害は9人に1人が命の危険を感じたことがあると答えている。
さて、DV法は被害者のためのものだが、加害者への支援はあるのだろうか。
その加害者支援について、28日に放送された「ちちんぷいぷい」(毎日放送)では、加害者の支援について伝えた。
現在、加害者更生プログラムも少しずつ増えている。
神奈川県にある施設では、5年前から加害者に対する更生プログラムを実施。毎週1回2時間、1年間52回をセットで行っている。
まず、一番に行うのは「怒りがわかないようにする」こと。多くの加害者は、「何々するべき」という、「べき思考」が強いと、支援センターの理事長。
それをコントロールできれば、怒りの感情が起こらず暴力や暴言がなくなるそうだ。
多くの加害者がいるが、中には1か月通い、怒りの感情がなくなった人もいる。加害者の多くは、社会の中では立派で尊重されている人。しかし、家の中ではDVを起こしてしまう。
それは、「妻を所有物だと思うから」。この歪んだ価値観を変えたら、外と同じようにできる。変わっていくためには、加害者が認められる必要があるとのこと。
また、DVから抜け出すポイントとしては、
○自分が加賀者であることを自覚する
○暴力だけでなく「支配関係」がDVと知る
○「べき」を減らす
○我慢ではなく、怒りがわかない工夫をする
ことが必要。
しかし、加害者の意識としては
○加害者を支援する団体を知らない
○加害者を支援する団体が少ない上に気付いていないためきっかけがない
○加害者が悪いという考えはまだ多くあり、支援に対して批判的
○支援団体がまだ少ない状況
など、加害者にとっては治るきっかけが少ない現状がある。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」の時代は過去の話で、夫婦喧嘩はDV問題に発展。
加害者を支援することができれば、被害者も救うことになる。
子どものイジメ問題と同じで、なくすことは難しいが、減らすことはできる。
そのためには、加害者に対する理解と、支援が必要だ。