復顔の真実!? 「縄文人=目が二重・アメミミ」「弥生人=目が一重・コナミミ」は全部ウソ!? 2ページ目
■縄文人・弥生人の「復顔」は正しいのか!?
人類学者で各時代の日本人の骨を調査し続けてこられた片山一道という先生がいらっしゃいます。ご専門は先史人類学・骨考古学で、自らを「骨屋」と呼ぶ先生ですが、縄文時代・弥生時代の人骨の調査も行い、その知見は高く評価されています。
骨から何が分かるのかその科学的成果を分かりやすく解説してくれる、片山先生の『骨が語る日本人の歴史』から、少し長いですが引用します。
「そもそも復顔とは、誰にでもわかるようにするために、頭骨に肉づけをすることであるが、顔のなにもかもが復原できるわけではない。たとえば、「長い平坦な顔、低い鼻、細い顎、高めの身長」などは復原可能である。
しかるに、耳たぶが福耳であるとかないとか、瞼の一重か二重かとか、唇が厚いとか薄いとか、髪が直毛か波状毛かとか、皮膚が濃いとか淡いとか、あるいは耳垢が湿性(アメミミ)か乾性(コナミミ)か、などなど、いわゆる軟部組織に関係する特徴は骨格からは復原できない。
たとえDNAが事細かに調べられても、そんな特徴は復原などできやしない。そんな特徴の描写は実は、まるで復顔担当者の芸術のようなもの、あるいはなにがしかの主張のようなもの。つまりは、フィクションなのだ」(『骨が語る日本人の歴史』P.91より引用)
どうも、縄文人・弥生人の復顔については、そのまま信じることはできないようです。縄文時代、弥生時代の人々の顔立ちについてはさらなる研究が必要なのでしょう。片山先生の知見についてもっと詳しく知りたい人は『骨が語る日本人の歴史』をお読みください。知的な興奮を与えてくれる面白い本です。
⇒『骨が語る日本人の歴史』
http://u111u.info/msLh
(高橋モータース@dcp)