【ナルホド・ザ・中学受験算数Vol.4】割る数と余りから割られる数を求める(2条件)
こんにちは。中学受験算数プロ指導者のさんじゅつまんです。
今回はナルホド・ザ・中学受験算数の4回目をお届けします。この算数配信は毎回週の初めくらいを予定しています。
中学受験の出題内容の中から、できるだけ象徴的かつ実戦的な問題を選んでいますので、必ずどこかでお役に立つことがあると思います。コンパクトでわかりやすい説明を心がけていますので、ぜひ本配信の末永いご購読をよろしくお願いいたします。
【ナルホド・ザ・中学受験算数Vol.4】
今回は割り算の割る数と余りから割られる数を突き止める問題(条件式2本)です。
[問題]6で割ると2余り、8で割ると4余る整数があります。このような整数のうち、2ケタでもっとも大きい整数はいくつですか?
[考え方]写真の2つの式をご覧ください。この問題では両方の式で「割る数と余りの差」が4(青色)にそろっていることが大事なポイントです。求める整数□があと4大きければ、6でも8でも割り切れるはずです。すぐにピンとこなければ、1つめの式で簡単な数を考えてみてください。たとえば8÷6=1あまり2ですが、割られる数が4増えて12になれば割り切れますね。2つめの式でも同じことです。このことを整理して言い直すと、求める整数□は、6と8の公倍数より4小さい整数ということになります。公倍数とは「最小公倍数の倍数」だから、6と8の公倍数とは24の倍数のことで、求める整数□は24の倍数より4小さい整数なのです。2ケタでもっとも大きいという条件を加味すると、24を4倍した96から4を引いた92が正解となります。
[解答]92
[さんじゅつまんコメント]
本問は「割る数と余りの差がそろっているタイプ」ですが、他には「余りだけがそろっているタイプ」「特にそろっているものがないタイプ」もあります。もし別のタイプについて気になる方がいらっしゃいましたら、私のHPの「みんなの算数講座第5講座」で詳しく解説をしていますので、ぜひご参照くださればと思います。
[お宝公式]★割る数と余りの差がそろっているとき→割られる数=割る数の公倍数-そろっている差
【著者プロフィール】さんじゅつまん(歌丸優一)
1965年東京都渋谷区生まれ。付属高〈学院〉経由の早稲田マン。名門進学塾学習指導会、四谷大塚を経て現在はフリー算数指導者、算数作家。生徒の心に染み込ませるユニークな算数トークに定評がある。
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