サムライ先生の中学生からの自立教育(3)「生活的自立のための5S(習慣・整理・整頓・清掃・支度)」
こんにちは、自立教育コンサルタントのサムライ先生こと後閑治彦です。
前回、「生活的自立」「社会的自立」「精神的自立」の《3つの自立》をご紹介しました。今回は自立の土台となる「生活的自立」について書きたいと思います。
「生活的自立」とは
・独力で「家庭生活」が営めるだけの【生活力】
・「学校生活」「社会生活」に必要な【モノ・お金・情報の管理能力】 の2つが身に付いた『自分のことは自分でできる』状態です。
以下、生活的自立のために中学生、できれば素直な小学生のうちに身に付けたい生活習慣とポイントをご紹介します。
■生活的自立のための5S(習慣・整理・整頓・清掃・支度)
◇習慣(早寝・早起き・朝ごはん)
現代の子供たちはテレビやゲームに加え、パソコンや携帯(スマートフォン)の普及で寝る時間が遅くなりがちです。生活リズムが乱れると気力・体力・学習意欲が減退し、不登校の要因ともなります。寝る時間や起きる時間、テレビやパソコン、携帯やゲームなどの使用に関するルールを決めておきましょう。
◇整理・整頓・清掃
必要な物が必要な時にすぐに取り出せる状態が理想です。特に机周辺とプリントの整理整頓は勉強を始めるための大前提です。以下の手順で、まずは一緒に作業してあげてください。
【整理整頓清掃の手順】
1.捨てられる物は捨てる
2.配置を決めて移動する
・勉強に必要な物は机に座って手の届く所
・勉強の邪魔になる趣味・娯楽用品は視界に入らない所
・滅多に使わないものは邪魔にならない所
3.机の上や床など空いたスペースを掃除する。
4.「整理整頓は毎日、掃除は週末」など継続するためのルールを決める。
◇支度
家庭生活や学校生活の先々の予定とそれに必要な物を確認し、不足している物は買いに行く。大人にとっては当たり前の行為ですが、子供にとっては「モノ・お金・情報」から総合的に判断する能力が鍛えられる貴重な成長の機会です。
■生活的自立へ導くためのポイント
・初めは一緒に、次回からは信頼して任せる
親が勝手にやってしまってはお子様の成長の機会を奪うことになります。また、「~しなさい」と命令口調では反発を招きます。初めは一緒にやってあげて「次は一人でできる?」と背中を押してあげましょう。一緒にやってあげる時には「これはどうする?どうしたい?」と質問して考える機会を与え、お子様の意見を尊重してあげます。
・子供と一緒にルールを作る
まずは「どんな大人になりたいの?」と質問してあげましょう。大抵の子供は将来のことに対しては前向きな答えを返してくれます。続けて「そういう人になるためには、何時に寝るのがいいと思う?」「携帯はどうすればいい?」と聞いてあげて、お子様が理想の大人になるためのルールを一緒に作って目に付く所に貼っておきましょう 。
・成長を見守る
すぐに期待通りの行動の変化が見られるとは限りません。それでも否定やダメ出しはせず、まずは努力やちょっとした変化を認めて褒めてあげてください。その上で「こうするともっといいね」と伝えてあげましょう。お父様お母様の愛情・信頼・承認が次へのチャレンジの勇気付けになります。
・反抗期でうまく行かない時には
第三者の力を借りると素直に言うことを聞いてくれることがあります。家庭教師の先生と一緒に机周りやプリントの整理整頓をする時間を取っても良いでしょう。私も整理整頓については積極的にアドバイスするようにしています。
以上のポイントを参考に、お子様の生活的自立を温かく見守ってあげてください。
次回は子供を「ひきこもり」にしないための「社会的自立」について書きます。ご期待ください。
【著者プロフィール】サムライ先生(後閑 治彦)
自立教育コンサルタント。慶應義塾大学理工学部卒業後、個別指導塾を中心に野外教育や社員教育など教育業界10年の経験を経て独立。塾で伸びない子専門のプロ家庭教師「サムライ先生」としても活動。勉強方法の指導を通して子供たちの『自立教育』に努める。
ブログ: http://blog.livedoor.jp/katekyo_zamurai/
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