【ナルホド・ザ・中学受験算数Vol.2】約数の個数
こんにちは。中学受験算数プロ指導者のさんじゅつまんです。
今回も前回に引き続き、整数問題のジャンルから算数のナルホドをお届けしたいと思います。中学受験の出題内容の中から、できるだけ象徴的かつ実戦的な問題を選んでいますので、必ずどこかでお役に立つことがあると思います。
とっつきにくいとお感じになられる方もいらっしゃると思いますが、コンパクトにわかりやすくまとめましたので、お読みになってみてください。
【ナルホド・ザ・中学受験算数Vol.2】
今回は整数の約数の個数を計算する方法です。
[問題]整数108の約数の個数を求めてください。
[考え方]108を素因数分解し、108を構成する素数について考えます。
写真に示したように108=2×2×3×3×3だから、108は素数2が2個と、素数3が3個で構成されています。108の約数とは、この個数の範囲内で素数をかけ算することで作ることができます。
たとえば2と3を1個ずつ使ってかけ算すれば2×3=6という約数が作れます。(かけ算をせずに2や3を単独で用いてももちろん約数です)素数2は2個あるから、約数を作る際のかけ算において、2の使い方は「2個とも使う」「1個だけ使う」「使わない」の3通り。また素数3の使い方は「3個とも使う」「2個使う」「1個だけ使う」「使わない」の4通りです。素数2の使い方が3通りに対して、素数3の使い方が4通りあるから、3×4=12より、108には12個の約数があることがわかります。
[解答]108には12個の約数があります。
[さんじゅつまんコメント]
2も3もどちらも使わなければ、それは1という約数の生成を意味します。また、108の場合は素数が2と3の2種類だけですが、素数の種類が何種類に増えても下のお宝公式は有効です。素数(2,3,5,7,…)を3種類以上含む整数を用意して確かめてみてください。
[お宝公式]約数の個数は、その整数を素因数分解し、構成する素数の個数を種類別に数え、その個数にすべて1を加えてからかけ算すると求めることができます。
【著者プロフィール】さんじゅつまん(歌丸優一)
1965年東京都渋谷区生まれ。付属高〈学院〉経由の早稲田マン。名門進学塾学習指導会、四谷大塚を経て現在はフリー算数指導者、算数作家。生徒の心に染み込ませるユニークな算数トークに定評がある。
屈指の算数人気サイト「さんじゅつまんのホームページ」
★さんじゅつまんの算数教室「中学受験算数講座(保護者・講師向け)」が、6/30(火)18:45よりマイナビ本社にて開催予定!興味のある方ご連絡ください。申込はこちらから!
件名に「さんじゅつまん算数教室参加希望」とご明記ください⇒mst-katekyo@mynavi.jp