【連載】何冊読めば東大に行ける?<幼児期〜小学低学年期その1>
■東大生は10万冊も読んでいる?
以前、「今でしょ」の林修先生が、テレビで今までに10万冊の本を読んだ、という話をされていました。林修先生に関しては、あの学識や教養の高さは、みなさんも番組などをご覧になればお分かりになるかと思います。非常に東大出身者らしい方である、といえます。
では、林先生のように10万冊も本を読まなければ東大生にはなれないのか?
ひいては、サピックスや日能研、四谷大塚といったような大手塾の上位クラスには入れないのか。
200人を超える家庭教師、大手塾での指導経験を踏まえて考えると、その傾向はやはり「あるでしょ!」と言わざるを得ません。
ただ、さすがに10万冊も読まなくても大丈夫です。 重要なのは、林修先生もおっしゃっていましたが、多読ではなく精読し味わって読んでいく「習慣としての」読書なのです。「本を読む」という習慣を日常にできるかどうかが大事です。
読書は言うまでもなく、子供の知能を伸ばします。読書をしている子としていない子では、教えている感じが全く違います。
<幼児期から小学期の読書1>
私の永遠のテーマでもあるのが、中学受験生などの担当になって、「どのような本を読ませるか」ということです。家庭教師指導でも塾でも必ず読書を勧めています。ただ小学期では、大人と同じような本を読ませるには無理があります。
では最初期の読書とはどのようにすべきなのか。それ以上の学年の方にも当てはまる部分はあると思いますので、ぜひお読みください。
本格的な読書の前段階として、小学館や学研から出ている漫画シリーズが「入り口」としては非常に良いです。特に歴史漫画や偉人の伝記漫画、学研の「ひみつシリーズ」は私自身も勉強の原体験になっていて、まだその知識が生きています。
中でも特に「伝記漫画」をお勧めします。世界中のいろんな人間の人生を、漫画を通じて感じることができます。私自身もエジソンや二宮金次郎、ベーブルースなど、ジャンルも国籍も様々に読んできています。大事なのは以下の点かと思います。
「人間、いつかは老いる」
人間には「将来」が必ずあり、今のままでは絶対にないこと。これを子供心ながらに感じることができることが非常に大きいです。ここから「じゃあ自分はどんな大人になろうか」など考え始めるものです。
今の子供たちの諸問題の根本には、現在の食うに困らない日本社会が当然だと思っていて、いつまでも自分が子供であるかのような錯覚が生み出す問題が多いです。そういう意味でも、いろいろな人間の人生を追体験しておくことは意義深く、将来の問題を摘み取ることにもなります。
私は、伝記漫画を読んでノーベルや二宮金次郎のような教養のある人生が歩みたいと思うようになりました。また、20代になってから趣味の星座分析をする際にも、各星座ごとの人間の自叙伝などを数十冊読んだことが、大きな教養となり、生きる指標にもなっています。
子供に意味のあることは、年長者にも必ず意味があることだと思います。
次回は「人間、笑って楽しいことばかりの人生というのはあり得ない」について書こうと思います。
【著者プロフィール】長谷川智也
兵庫県私立白陵中・高卒。東京大学農学部卒、同大学院中退。大学1年から中学受験の家庭教師をはじめ、在学時よりセミプロとして活動。大手塾勤務を経て現在では、受験ブログ「お受験ブルーズ」を通じて、小学生から高校生まで幅広く教育コンサルやプロ家庭教師指導を展開。社会人バンド活動と同人表現活動を愛している。
☆「お受験ブルーズ」http://ameblo.jp/jyukuko/