【ナルホド・ザ・中学受験算数Vol.1】最大公約数と最小公倍数
こんにちは。中学受験算数プロ指導者のさんじゅつまんです。
今回からマイナビ家庭教師のニュースコラムに、「ナルホド・ザ・中学受験算数」と題して、親御さんが知っておくことで、現在、未来の受験生のお子さまに対して、ちょっぴり鼻が高くなれるような算数の内容をコンパクトにわかりやすくお伝えしていこうと思います。
1週間に一度くらいの配信になる予定ですが、どうぞお読みいただき、ご家庭でのお子様との算数スキンシップにご利用ください。
初回の今回は最大公約数と最小公倍数から元の2数をつかまえる方法を書くことにします。
【ナルホド・ザ・中学受験算数Vol.1】
今回は最大公約数と最小公倍数が与えられた2整数の求め方です。
[問題]2つの整数A、Bがあり(A<B)、2数の最大公約数は6、最小公倍数は144です。2つの整数A、Bを求めてください。解答は1組ではありません。
[考え方]2数の最大公約数が6だから、2数A、Bは6の倍数です。
いま、A、Bを最大公約数で割った商をP、Qとすると(P<Q)、写真に示した連除法の筆算より、6×P×Qが最小公倍数の144になるから、P×Q=144÷6=24です。この式を満たす(P、Q)の組は(1、24)(2、12)(4、6)(3、8)のいずれかですが、このうち(2、12)(4、6)は除外する必要があります。
なぜならもしP、Qがこれらの値をとると、写真に示した連除法において、6に続いて割り算が行えることになり、最大公約数が6ではなくなってしまうからです。つまりP、Qとして考えられる組は(1、24)(3、8)のどちらかです。*このように2数が1以外の公約数を持たない関係を互いに素といいます。
A、Bを6で割った値がP、Qだから、P、Qをそれぞれ6倍するとA、Bを求めることができます。
1.P、Qが(1、24)のとき、A=6×1=6、B=6×24=144
2.P、Qが (3、8)のとき、A=6×3=18、B=6×8=48となります。
[解答]2組の解答が考えられ、(A、B)=(6、144)(18、48)です。
[さんじゅつまんコメント]
本問は整数問題の入り口ですが、整数問題にはさまざまなパターンがあり、基本から応用問題まで出題側もいろいろ用意できるジャンルです。受験生側からするとラクできない内容でもあるでしょう。出てくるパターンをすべて暗記して解くような方針では限界があるので、よく見かける合成数(素数でない整数のこと)について、素因数分解の結果、約数の個数などをひととおり調べて整理し、各整数についてのウンチクを増やしておくとよいでしょう。
[お宝公式]2数A、Bの最大公約数をG、最小公倍数をLとすると、A×B=G×L
【著者プロフィール】さんじゅつまん(歌丸優一)
1965年東京都渋谷区生まれ。付属高〈学院〉経由の早稲田マン。名門進学塾学習指導会、四谷大塚を経て現在はフリー算数指導者、算数作家。生徒の心に染み込ませるユニークな算数トークに定評がある。
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