「大変だった」が8割。実験や資料集めに苦戦する卒業論文制作

2015/06/18

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フレッシャーズ白書


卒業への最後の壁として立ちはだかる卒業論文。何万字という今まで経験がないほどの文字数のノルマや膨大な実験データ、アンケート集計など、卒論制作にかかる労力は、それまでのレポートなどとは比べ物になりません。そんな学生最大の山場、卒論制作について、無事提出を済ませて卒業を控える学生に聞いてみました。


Q 卒論の制作期間を教えてください。
1ヵ月 15.4%
3ヵ月 15.4%
6ヵ月 10.7%
1年 10.7%
4ヵ月 10.1%

意外にも1ヵ月という短期間で完成させた人が最多に。テーマさえ決まれば、文字化する作業にはさほど時間はかからないようです。半年から2年と長い準備期間を要した人は、テーマ設定に悩んだ人や、早い段階での中間報告を義務付けられている人が多数。また、準備期間は、文字数や締め切りなど大学が定める規定によっても変わってくるようです。

一日徹夜すれば書き上げてしまうようなレポートとは違い、長い準備期間が必要な卒論。提出し終えた感想を聞いてみました。


Q 卒論の感想を教えてください。
大変だった 59.7%
少し大変だった 22.1%
普通 10.1%
あまり大変ではなかった 4.7%
楽だった 3.4%

【仮説を証明するのに一苦労】
「実験でなかなか思うような結果が得られず、執筆に着手するまでに3カ月以上掛かってしまった」(男性/22歳/運輸・倉庫業界内定)
「実験が思うようにいかなかった」(男性/22歳/医薬品・化粧品業界内定)

【参考にする文献がない】
「新しい問題を取り上げたので資料がほとんどなかった」(女性/22歳/機械・精密機器業界内定)
「東京から和歌山県まで現地調査に行った」(女性/23歳/不動産業界内定)
「日本では文献が極めて少なく、イギリスに探しに行った」(男性/23歳/食品・飲料業界内定)

【教授の高い壁......】
「先生に見せるたびに違うことを言われて書き直しまくった」(女性/23歳/医療・福祉業界内定)
「教授に修正してもらったらほとんど直された状態で返ってきたので直すのに苦労した」(女性/24歳/団体・公益法人・官公庁内定)
「作成途中に担当の先生に出してみてもらったらほとんどの文章がボツになってしまった」(男性/22歳/運輸・倉庫業界内定)

【締め切り直前にてんやわんや】
「最後の見直しで、細かいミスや誤字がみつかり、目標提出時間までに全部なおした」
「時間がなく毎日研究室に泊まり込んだ」(男性/24歳/電機業界内定)
「提出間際に体を壊して倒れた」(女性/25歳/学校・教育関連内定)

【他力本願な学生も......】
「コピペとわからないようにコピーするのが大変」(女性/25歳/金融・証券業界内定)
「8割位は先輩のをうつしただけ」(男性/22歳/情報・IT業界内定)
「グループ制作だったので、リーダーがほとんどまとめてくれた」(女性/21歳/食品・飲料業界内定)

8割以上の学生は、卒論制作を「大変だった」と回答。特に、実験や調査など、仮説の根拠となるデータを取り揃えることに苦労した学生が多数見受けられました。実験で仮説の誤りを証明してしまうこともあり、0からのスタートを余儀なくされた学生も。また、テーマによってはなかなか参考にできる文献がなく、わざわざ外国まで足を運んだ学生もいるなど、データや資料集めに大半の人が悪戦苦闘したようです。
真面目に取り組む学生が多数を占める中、他人の論文を盗用してズルをした学生もちらほら。今はコピペかどうかを判定するサイトもあり、バレて卒業を取り消されたケースは少なくありません。わかって丸写しすることは言語道断ですが、引用する場合でもルールを守らないとコピペと判断されてしまうこともあるので、要注意です。

卒論は学生生活で学んできたことの集大成であり、苦労が伴なうことは当然のこと。しかし、「大変だったけど成長できた」というコメントがあったように、苦労の分やりがいもひとしおのようです。一生懸命取り組んだ経験は、きっと仕事にも活かせるでしょう。


査時期:2014年2月14日~2月25日
調査対象:フレッシャーズ調べ
調査数 :2014春卒業見込み学生322名
調査方法:インターネットログイン式アンケート

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