文系と理系比較。理系のほうがやっぱり大変?

2015/06/18

フレッシャーズ白書


文系の学生だと、厳しい受験戦争に勝ち抜き大学に入学した後、授業内容の緩さに拍子抜けした人も少なくないのでは? 一方、理系の学生はゼミの研究や実験、授業も難解で勉強に追われる人もいると聞きます。「なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか」という本が出版され、話題になりましたが、実際はどうなのでしょうか。最後の授業を受け終えた大学生を文系、理系に分けて、授業の実態を聞いてみました。

Q 大学の授業は難しかったですか?

【文系】
すごく難しかった......3.3%
難しかった......22.8%
普通......52.4%
少し簡単だった......11.8%
簡単だった......5.7%

【理系】
すごく難しかった......10.2%
難しかった......47.3%
普通......33.9%
少し簡単だった......6.5%
簡単だった......2.2%

【文系】
・「たくさんの社会学者の概念を頭の中で整理するのが大変だった」(女性/22歳/その他業界内定)
・「政治思想や制度論は何百ページ+難解な「古典」を読むこともあり、それだけで精いっぱい」(男性/21歳/団体・公益法人・官公庁内定)
・「毎回授業に出ていれば大丈夫だった」(女性/22歳/金融・証券業界内定)
・「ほぼ一夜漬けでも単位がとれたし科目によっては出席も全然いらない」(男性/22歳/金属・証券業界内定)

【理系】
・「理系科目が好きで理系を選んだが、大学の数学や物理は桁違いに難しかった」(女性/25歳/情報・IT業界内定)
・「化学の授業で物理や数学の公式が出てきたときは眩暈がした」(男性/24歳/情報・IT業界内定)
・「内容が難しくなるにつれ、解説書がなくなり、最終的には英語論文だけになった」(女性/23歳/団体・公益法人・官公庁内定)
・「好きでやっている勉強だったから楽しめた」(女性/22歳/医療・福祉業界内定)

文系の学生は、「普通」と回答した人が半数以上。基本的には授業に出席しているだけで単位の取得は問題ないようです。中には出席すらいらず、単位数を稼ぐだけも同然の授業もあるそう。一方で、「難しかった」と答えた人は、学者の難解な思想や概念に苦しめられた人が多数。さらにそれを学ぶ文献が古典や英文だったらお手上げ状態です。
理系の学生は、半数近くが「難しかった」と回答。果てしない数の公式を覚えるだけでは解けない複雑な応用問題が続々。さらに、年次が進むにつれ専門性が高まり、より難解になっていく数式を前に、とてもじゃないが太刀打ち出来ないという人もいました。その中で、ごく少数の「簡単だった」と回答した人は、よっぽど勉強に向いている人なのかも。

やはり、理系の人のほうが難解と感じる人は多いものの、それぞれの難しさがあるようです。続けて、印象に残った授業についても聞いてみました。

Q 一番印象的だった授業を教えてください。

【文系】
・「『女性学』。歴史的にいかに女性が不当な待遇であったかがわかった」(女性/22歳/その他業界内定)
・「『考える葦の冒険』。お笑いについての授業で、授業中に漫才やコントを見るのが印象的だった」(男性/22歳/運輸・倉庫業界内定)
・「『健康科学論』。UFOや超能力開発、右脳開発、スプーン曲げなどについて学ぶ。胡散臭い内容だったが印象的だった」(女性/21歳/その他業界内定)
・「『日本の怨霊』。歴史を敗者の視点から見るという独特の切り口。怨霊という興味の惹かれるものが主題だったので苦手なはずの歴史も楽しく学べた」(女性/22歳/機械・精密機器業界内定)

【理系】
・「『創造デザイン演習』。自分で設計から始め、金属を加工して風力自動車を作った」(男性/24歳/電機業界内定)
・「『ヒューマンファクターズ』。ヒューマンエラーについて学ぶ授業。こんな分野があるのかと驚いた」(女性/21歳/情報・IT業界内定)
・「『フーリエ解析』。情報通信や信号処理などに必要不可欠な数学的概念を学ぶ。板書ばかりで難解な授業だった」(男性/24歳/機械・精密機器業界内定)
・「『解剖生理学実験』。ネズミを解剖して体のつくりを学びました。もともと動物が苦手でさわれなかったのに、ハサミとピンセットで一生懸命開いたのを覚えています。腎臓の形がよく絵にあるように豆みたいで印象的でした。」(女性/22歳/医療・福祉業界内定)

文系では、法律や歴史から、お笑い、アート、SFまでジャンルもさまざまに、かつ個性的な授業が並びました。ニッチな文化や事象について掘り下げて考え、知識や視野を広められる授業が人気のようです。一方、理系では、実験や演習など体験型の授業に人気が集中しました。座学よりも、たまに行われる実験や演習で実際に体を動かしながら学ぶほうが楽しいと感じる人が多いようです。

理系の学生は、専門性の高さから難易度の高い授業が多い様子。医者や研究職など、学生時代の学びが仕事に直結することが多い分、求められるレベルも高いのかもしれません。


調査時期:2014年1月24日~2月3日
調査対象:フレッシャーズ調べ
調査数 :2014春卒業見込み学生445名
調査方法:インターネットログイン式アンケート

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