元ホームレス社長が語る!「まだ内定をもらえない」現状を打開するヒント

更新:2016/01/28

内定・内定辞退

厳しい就職活動の時代に未だ内定をもらえずに自信喪失......。そんな人が、今やるべきことは何なのでしょう。そのヒントを探るために、Q&Aサイト「OKWave」の兼元謙任社長にお話を伺ってきました。子どもの頃からイジメや病気などに苦しみ、ご自身も、内定取り消し、ホームレス生活を余儀なくされるなど、苦労の末に上場会社の社長の座を獲得した兼元社長。波瀾万丈な体験から語られるアドバイスは、きっと役に立つはず!

元ホームレス社長が語る応援メッセージ
「まだ内定をもらえない人」が現状を打開するヒントとは


― ご自身の就活時代、内定取り消しを経験されたとか?

大学4年のときに自動車会社の内定を獲得。当時憧れだった車のデザインという職を得て、鼻高々でした。ところが、単位不足で留年することになってしまい、結局その内定は取り消されてしまったのです。

入社式の説明まで聞きに行った後のことでしたから、そりゃ、落ち込みましたよ。妻とはその頃から付き合っていたのですが、一緒に卒業できなくなって、別れなくちゃいけないことになるかもしれない......なんて不安もありましたし。3ヶ月~半年ぐらいはめちゃくちゃ悩んで、旅に出たりもしました。


― 翌年には、大手のデザイン会社に就職されてますね。

翌年、もう一度がんばった結果、京都にある世界的に有名なデザイン事務所に入ることができました。私が前年に内定をもらっていた自動車会社はその後いろいろあって、その会社に就職した友人たちは苦労したようです。あのときそのまま行っていれば、「OKWave」もないかもしれないし、運命なんてどう転がるか分かりませんね。


― その後紆余曲折を経て、現在は学生を採用する側の立場です。面接をしていてどんな風に感じますか?

自分で自分を好きじゃない人が多いなぁと感じますね。それでは人に好感を持ってもらえないし、自分が人を好きになることもできないんです。

そういう私も昔は、自分のことが嫌いで仕方なかった。国籍のことでいじめられたり、体が弱かったりして、生まれなければ良かったと思っていたぐらいです。でも、あるとき「自分を好きじゃないヤツが、仕事をしたり人と付き合ったりするのは辛いよ」と言われたんです。「まずは、鏡を見て自分を好きと言ってみろ」と。

最初は照れくさいですけど、やってみるとだんだん気持ち良くなってくるんです。今でも私は、毎日鏡に向かって「がんばってるよな」、「おまえはすごいぞ」と言ってます。皆さんも、ぜひやってみると気持ちが前向きになりますよ。


― 失敗続きの自分を好きになるのって、むずかしいですよね。

自分を好きになるには、「自分のいいところ」を自覚することですね。大げさなことじゃなくても、たとえば「小さいときから10円玉貯金をずっと続けてる」とか、そんな小さなことでもいい。それでもずっと続けるというのはスゴイことのはずなんです。

どうしても見つからなければ、他人に聞いてみてはどうでしょう。わが社では、誰かに感謝したいことを見つけてメッセージを送る、「ありがとうカード」を実践しています。「おいしいお店を教えてくれてありがとう」とか、仕事に無関係なことでもいいんです。これをやってみると、他人は意外なところを評価してくれるんだなと気づくものです。

あるいは、欠点だと言われることが、裏返せば長所だったりもします。「おまえはねちっこい」と言われる人は、実は粘り強いのかもしれません。とにかく、どんな人にも必ず、いいところはあるんです。それをちゃんと自覚して、自分を好きになりましょう。

この時期まで内定がもらえない人は、おそらく自分がダメなところはもう嫌というほど分かっているはず。それをグチグチ悩むのではなく、「いいところ」を認めて、自分で褒めてやるんです。私の例で言えば、「留年で内定を棒に振ったダメなやつ」と落ち込んだけれど、「でも、行きたかった会社の内定をもらったのは事実。それはスゴイことだ」と考えれば、自信を取り戻せますよね。


― なるほど。何ごともプラス思考で考えるためのコツってありますか?

人間の脳というのは、「~しないように」と考えると、文末の否定の部分は忘れて、頭の部分だけが記憶に残って勘違いしてしまうことが多いそうです。たとえば、道に飛びだそうとする子どもに「渡っちゃダメ!」と言うと「渡る」という部分に反応して無意識に渡ろうとしてしまう。「止まりなさい!」と言わなくてはいけないのです。

ですから、就活でも「落ちたらどうしよう」と考えるとまた落ちてしまう。「受かるためにはどうするか」を考えるべきなんです。「何でダメだったのか?」ではなくて「どこを改善すればいいのか」と考えましょう。


― プラス思考で自分の長所を探して、自分で自分を好きになるっていうことですね。

面接のときに何か言われたからといって、自分の全部を否定する必要はまったくないんです。企業に選ばれるのではなく、「こっちが選んでやる」ぐらいの気持ちでいいと思いますよ。ハリー・ポッターシリーズの作者だって、認めてもらえるまで十数社もの出版社を回ったと聞きます。今まで内定がもらえなかったのは、相手の企業が自分の良さを分からなかっただけです。



「そうは言っても、自信がもてない」と思う人もいるかもしれませんが、自信を持つには、「自信を持てるような視点」が大事なのです。それはまさに、「自分自身の良いところを認めて、自分で自分を好きになる」ということ。自分を好きになれば、他人へのアピール力も違ってきます。それは必ず、いい結果に結びつくはずです。がんばってください!


Profile  兼元謙任 株式会社オウケイウェイヴ代表取締役社長

1966年愛知県生まれ。1989年愛知県立大学美術学部デザイン専攻卒業。同年デザイン事務所に入社。92年建設塗料会社に転職。96年単身上京。ホームレス生活をしながら、ウェブデザインを手掛ける。 99年有限会社オーケイウェブ(現株式会社オウケイウェイヴ)設立、Q&Aサイト『OKWave』を立ち上げる。2006年6月名古屋証券取引所セントレックスに上場。2008年3月には、日本におけるQ&Aサイト事業パートナーとして米国マイクロソフトとの資本・業務提携も締結。


《入社前に読みたい兼元社長の書籍》

『元ホームレス上場企業社長のリアルな「お金」の話』は、OKWave代表・兼元の入退院を繰り返した幼少時代、約2年間のホームレス経験、一転して株式会社オウケイウェイヴを起業し「OKWave」を開設、そして今日までの10年間の社長としての経験をもとに、失う・稼ぐ・使う・貯める「体験的お金学」について語った1冊。 詳細は こちら


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