新入社員の必須マナーと「敬いの心」 【ビジネスマナー辞典】第14回

更新:2016/11/18

対人マナー

新入社員の必須マナーと「敬いの心」

いよいよ入社までもう少し! 今大学4年生のみなさんは入社への準備を着々と進めているかもしれませんね。今回は、入社前に知っておきたい新入社員の必須マナーをご紹介します。
本連載も今回で最終回となります。学生として、また社会人として、意識が半々だった皆さんも、いよいよこの春分と同時に、これから4月1日に向けて、社会人としての意識をより一層強くし、3月31日の夜には、学生から完全にビジネスパーソンへとその意識も外見も脱皮していなければなりません。いよいよ、 真のビジネスパーソンへ向けてのカウントダウンが始まりましたね。

新入社員の必須マナー5カ条

ビジネスパーソンとして最低限身につけておかなければならないマナーは、本連載にてお伝えしてまいりました。なかでも入社式で特に気をつける基本の必須マナーは下記のとおりです。

1.身だしなみ
清潔感あふれる散髪、整髪をする。服装の汚れ、ほつれのないように。

2.あいさつ
自分から先手であいさつをする。知らない人にも最低限会釈をすること。

3.表情
目を微笑ませ、相手に不快を与えない表情を常に意識する。

4.態度
常に謙虚に腰を低く。入社式の会場や社内を走ることのないように。

5.言葉使い
敬語を使い、学生言葉、ネット用語などの俗語を使わない。

新入社員のマナーは基本をしっかり、思いやりを忘れずに

「こんなこと当然」と思っていても、それができていない、できない人がほとんどです。同期の皆さんも顔見知りとなっており、学生気分が抜けきれずに、ワイワイがやがや私語をしたり、駆け回ったりすることのないよう、注意してください。
また、入社するということは、あなたはその会社でもっとも若い新人になることです。自ら率先して、先輩や上司、会社のために能動的な行動をしましょう。わからないことがあれば、「 これどうすればいいんですか?」などという言葉遣いはNGです。
今まで当連載で学んだとおり「 ◎◎さん、お忙しいところ申し訳ありませんが、こちらはどのようにすればよろしいのでしょうか?」と、相手の名前+クッション言葉+伺い形と、ビジネスパーソン必須の会話術でコミュニケーションをとることが正解。これがマナーある、礼を尽くせるビジネスパーソンになるための第一歩です。マナーある会話術でコミュニケーションがとれない人は、どんなに敬語を身につけても、評価されません。新人の最初の仕事は、周囲の人から受け入れてもらうこと、かわいがられることです。そのためには、『感謝』と『謙虚』な気持ちを表現する言葉遣いや態度は必須です。
ビジネスシーンにおける相手への思いやりの表現方法で重視されるのは、 言葉です。思いやりがあるかないかは、その気持ちがどのような形(言葉や行動)で表現されるかによります。社会では、幅広い年齢層の人たちとコミュニケーションをとります。自分だけがわかる言葉ではなく、相手が理解し、相手に伝わる言葉を使用することを心がけましょう。

飲み会の席のマナーに注意

また、入社後は、歓迎会などの飲み会も多くなることでしょう。「無礼講で」といわれても、それは、単に「席次なく自由に座りましょう」という意味で、多くの人とコミュニケーションをとる機会を与えていただいたということ。決して、ハチャメチャなこと、何でもアリ、という意味ではありませんので気をつけてください。
アルコールが入ることで、つい、気が緩み、失言、暴言が口をついてしまう新人もいないとはいえません。十分に注意をし、今まで何気なく使っていた「なう」やグーグルで調べものをしたりするときの「ググる」、ネット以外のプライベート(仕事や恋愛、趣味など)が充実している「リア充」など、社会に出たら使うべきではない言葉がいろいろとあります。「超~」「ウザい」などの語もそうです。いずれも品格に欠ける言葉ですので注意してください。

相手を敬う気持ちを忘れずに

この連載で、皆さんとは半年という時間をご一緒させていただきました。毎回、社会に出る前に不安を感じていらっしゃるであろう貴方のことを想いながら、貴方が社会に出たときに困らないマナーを伝えてまいったつもりですが、まだまだお伝えしきれないこともあります。
しかし、すべては「新人ビジネスパーソンとして、相手からプラスの感情を持ってもらえるように。 相手の立場にたって、最低限相手を不快にさせないこと!」という気持ちを持っていれば、多少敬語に間違いがあっても相手はそれを問題にはしません。またこのような気持ちがあれば、何かミスをしたときも素直に謝り、前向きな言葉も言える『人』となっているはずです。このような人は、相手に受け入れてもらえ、かわいがってもらえます
マナーの形は知識として覚え、身に付けることは必要です。しかし、それ以上にその 気持ち、心を磨くことが、社会人として、これからの貴方の人生で起こるであろう仕事のみならず、恋愛、結婚などの生活にも役立ちます。そして、相手を敬う気持ちを忘れないでほしいと想います。自分の中に「敬いの心」を育ててください。
マナーはその人の生き様を表します。
本連載をご愛読くださった貴方へ、心から感謝お礼申し上げます。スーツをまとい、春風とともに颯爽と歩き出す貴方の姿を想像し、貴方のご成功を祈りつつ筆を置きます。

ありがとうございました。

西出ひろ子

マナーコンサルタント 西出ひろ子(にしで・ひろこ)
本名:西出博子。英国法人WitH Ltd.役員兼株式会社ウイズ代表取締役。1998年渡英。独自のマナーコミュニケーション論を確立し帰国。日本の形重視のマナー教育ではなく、心重視のマナーを通じて人財育成を行なうマナー研修を展開。研修の進め方などは、他に類をみないと学校・大学・企業などから絶賛。マンツーマンの就職面接対策指導では、受講者を100%内定させる。中国などの海外にて講演・研修・連載・出版なども行う。任天堂DSソフト「私のハッピーマナーブック」(TAITO)の監修をはじめ、NHKスペシャルドラマ『白洲次郎』、NHK大河ドラマ『龍馬伝』などのマナー指導、監修も務める。主な著書に26万部の「お仕事のマナーとコツ」(学研)、「マンガでわかる!社会人1年生のビジネスマナー」(ダイヤモンド社)、「基本のマナーBOOK-お仕事編-日常生活編」(マーブルトロン)など多数。
株式会社ウイズ
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