人事からの電話に「お世話になっております」とでるのは正しいのでしょうか?

2015/06/16

電話・メール

年も明け、入社まで3ヵ月を切り、人事部の方から突然電話がかかってくることがあります。その人事の方との電話のやり取りについて質問です。
私たち、内定者は当然ながら、冒頭で『いつもお世話になっております』との一言を付け加えるべきでしょうか。一度言えたことがあるのですが、なぜかこの言葉は、人事の方と対等な位置関係になる感じがして使ってはいけないような気持ちになります。人事の方(または目上の方)にこの言葉は使っても良いのでしょうか。他に使う言葉はありますか。ご返答のほどよろしくお願いします。


★楢木さんからのアドバイス
挨拶には、気持に合った言い方と、便利な言い方とがあります。「いつもお世話になっております」は、便利な言い方の一つですね。何か具体的にお世話になっていなくても、「お世話になっております」と言うと相手を立てているようで、挨拶としては無難です。
ちなみに相手との位置関係や距離に配慮した表現を敬語と言います。「いつもお世話になっております」は、相手が主でこちらが従、そして従が主に対して適当な距離を置いていることを表します。その意味で、敬語は相手との位置・距離関係を瞬時に表す、とても便利な言葉だといえます。
逆に考えると、相手と距離を置こうと思ったら、徹底的に敬語を使えば良いことになります。あるいは相手との気持ちの通じ合いを閉ざすなら、形式化された敬語を何度も使うことが効果的です。敬語を使い慣れることは、相手との距離を保つ上でとても便利だということです。そしてビジネスや社会生活では、このような便利さが重宝するのですね。
しかしそれだけに、できる場合はなるべく、気持に合った挨拶ができると良いですね。気持に合った挨拶は、相手との人間的なつながりをゆっくりと育てていってくれるからです。人事の方からお電話があったとき、「お早うございます」、「こんにちは」、「あ、ご無沙汰しておりました」などが、比較的気持に合った言い方ではないでしょうか。この言い方にだって相手に対する敬意をこめることはできます。その気持さえあれば、言葉に表れてくるものです。



■回答:楢木 望(ならき のぞむ)

1948年東京生まれ、千葉大学教育学部卒業。1971年リクルート入社。「月刊就職ジャーナル」編集長など歴任。1985年にライフマネジメント研究所設立。採用・教育・就職コンサルタント。ニューズレター「採用と人材の手帖」発行人。「内定者のための学習メールマガジン」開発。メールマガジン「キャリア・キッチン」発行。http://www.lmi-tokyo.com


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