『若者はなぜ3年で辞めるのか』の城繁幸が説く「不況に勝つ新人力」

2008/10/01

社会人ライフ


耐えるべきか、踏み出すべきか 90年代の教訓

先日、知り合いの記者とキャリアに関する会話をしていたときの話だ。
「とりあえず今年1年は、じっと今の仕事で嵐が過ぎるのを待つべきですよね?」
と言われて、思わず「うーん」と考え込んでしまった。

彼は、今年か来年あたり、戦後日本が経験したことのないような不況が来ると予想しているのだろう。キャリアアップどころか、そうそうたる大企業の中にも立ち行かなくなるところが出てくるはずだ。だから、やりがいだ何だと贅沢言わず、まずは嵐をやり過ごそうという考えなのだと思う。
恐らく、彼の予想は正しい。

しかし、だからこそ前に踏み出すべきではないかと、僕は思うのだ。


嵐の時代、貴重な20代を浪費しないために

今回の不況は、バブル崩壊やオイルショックとは状況が根本的に異なる。むしろ、明治維新や第二次大戦の敗戦に近い。そう、社会の価値観すべてが一度ゼロにリセットされるようなものだ。そんな嵐の中で亀のように首をすくめていたって、何も変わりはしないのではないだろうか。極端な話、10年経ったころには状況はさらに悪くなり、ただ貴重な20代を浪費したというだけで終わる、という可能性もあるのだ。

たとえば260年続いた幕府が崩壊したとき。みんな自分の村に閉じこもっていただろうか? そういった人もいたのだろうが、チョンマゲを捨て、希望に胸を膨らませて村を飛び出した若者も少なくなかったはずだ。その後の近代日本の発展を支えたのは、後者のような熱血漢だろう。

だとすれば、そういう思いのある人には、尻を蹴飛ばしこそすれ、しがみつけなどとは言えない。どんどんやってみるべきではないだろうか。


進む二極化、新人に求められるものとは

思えば90年代、すでにそういった二極化は進んでいた気がする。「今は景気が悪いから」と言って、ただしがみついただけの人間は、良くて横ばい、悪ければただ年を食っただけという人が多い。一方、別の何かを求めて歩き出した人間は、少なくとも話を聞いてみたいと思わせる何かは持っている。それが20歳を越えた大人が「成長する」という意味だと考えている。

フレッシャーズ諸君も入社したら失敗を恐れず、意見はどんどん言ってみるといい。もはや従来のやり方では立ち行かないのだ。きっと、君たちを採用した企業側も、それを待っているに違いない。



城 繁幸(じょう しげゆき)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。一九七三年山口県生まれ。
東大法学部卒業後、富士通入社。以後、人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。二〇〇四年独立。『人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見をメディアにて発信し続けている。『若者はなぜ3年で辞めるのか』(光文社新書)は2、30代ビジネスマンの強い支持を受け、40万部を超える大ベストセラーに。08年出版の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。他に日本型「成果主義」の可能性』(東洋経済新報社)等。


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